文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2021年歳の瀬

2021年12月27日 | ライブ
 強い寒波の影響で、各地で大雪になっているようだが、こちら南関は乾燥した冬晴れとなっている。報道で伝えられているところでは、日本海側などでは一晩で数十センチ、あるいは数日で1メートルも雪が積もっているという。お見舞い申し上げたい。仮に首都圏で、そのような降雪があれば機能がマヒするだろう。特に、首都圏の交通機関は雪に弱く、災害になること必至だ。

 さて、今年も歳の瀬。このブログも、今日で2021年の更新はお終い。
 来年からは、過去に書いた「わたしのレコード棚」の改訂作業に入るつもり。なので、更新は今までのように週2回ではなく、不定期になる。でもまあ、週に1回くらいは更新するつもりではある。何しろ「レコード棚」も10年以上にわたって書いているので、その間に聴き取り方も変化している。写真も昔のものは、メモリの関係で小さいものしかアップロード出来なかったので、必要に応じて撮り直すつもりだ。一度本にしてしまうと間違いが分かっても簡単に修正できないが、必要に応じて書き加えたり、簡単に修正できるのがSNSの利点と言える。過去には、雑誌のCD評など書いたこともあるが「今ならこうは書かない」と感じることも多い。ライターの苦悩はそんなところにもあるのだろう。誠実で優れた批評家が、筆を折る気持ちもわからなくはない。

 お付き合いくださっている方々には、よいお年をお迎えください。

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わたしのレコード棚ー新内、岡本文弥

2021年12月23日 | わたしのレコード棚
 一度だけだが、岡本文弥(ぶんや)師匠の新内を生で聴いたことがある。1995年8月、東京の「お江戸日本橋亭」で、師匠100歳の時だった。翌1996年10月6日には101歳で亡くなられている。なので今思えば、極めて貴重な公演に接することが出来た、と感じている。下の画像は、その時のプログラム。さらに、CDや本も会場で買い求めたもの。

 師匠は、さすがに足腰は大分弱っているように見受けられた。が、声は豊かでハリがあり、若い弟子よりも格段にレベルが高かった。何か、人間の可能性のすごさを感じた。自分にはとても真似できない、というのが正直なところだ。が、少しでも近づきたい、とは思う。


 テイチクレコードのCDでTECY-30029。1990年頃の録音と思われる。民話に題材をとった『鶴女房(23分40秒)』と、三遊亭円朝作「真景累が淵」を題材に富元により歌われる『富元豊志賀(25分10秒)』を収録。
 「語りもの」と呼ばれる芸は、いろいろ流派があるが「豊後節」という浄瑠璃から派生している親類のようなものらしい。「新内」もその中のひとつ。古典落語に「常磐津のお師匠さん」とか「清元のお師匠さん」というがよく出てくるが、それらも節回しの違う親類という。残念ながら、わたしは詳しいことは知らず、節を聞いてそれが常磐津なのか富本なのか清元なのか、はたまた新内なのかを聴き分けることはできない。

 CDの裏面。
 解説の中で文弥師匠が印象的な言葉を残しているので、以下に引用しておく。
「伝統芸能を後世へ伝えるためにはその芸能の正しい古風古典を勉強し、その蓄積を土台に新作品を発表普及しなければいけません。昭和の初めからそのように努力してきたのですが、世間は私をキチガイと笑い、邪道と非難しました。・・・」


 こちらは、平成7年同成社刊『新内集』。文弥師匠が、新内を学ぶ人のために制作した教則本に近いもの。本の中「こころがまえ」と題する一文から、以下に引用。
『新内は、西の義太夫と並んで「語りもの」の浄瑠璃音曲の代表です。フシと声だけを売り物にする「唄」ではない。新内の芸の正体は「心」であり「腹ハラ」であり、歌う部分も大事だけれどそれと一しょに「コトバ」(一般にはセリフとも)をおろそかにしてはなりたちません。・・』

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弁天池2021/12/17

2021年12月19日 | 日記・エッセイ・コラム
 我が家から、歩いて数分のところにある千葉公園の弁天池をスマホで撮影。今年も、シベリアから渡ってきた多くの鳥達が確認できた。


 わたしが子供の頃は冬になると、この池に半分くらい氷が張り、水鳥たちが氷の上を歩いていたものだった。今はそんなことはなく、こんなところにも温暖化の影響が垣間見える。




 毎年見ているが、冬鳥として飛来する鳥の種類が少なくなっているようだ。写真に写っているのは、鴨の仲間でキンクロハジロ。

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アナログ機器ー真空管ミキサー

2021年12月16日 | 日記・エッセイ・コラム
 やっぱりアナログ機器はいいね。使っていると、熟練した職人の手仕事に触れた時のような安心感がある。



 写真の下に写っているのが真空管ミキサーでSummit AudioのTMX-420、上が真空管コンプレッサー・リミッターでdbxの566。録音した音源をミックスダウンする時に、これらアナログ機器を20年以上使用している。けっこう値が張るものなので、買う時は「うーん、どうしよう」と迷った。が、真空管は寿命が長く、長年使えること。さらに、音質の温かみはデジタルではシュミレート出来無い事を今更ながら感じさせられ、今は買っておいて良かった、と思っている。
 良いものは、結局は得なのであった。

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2019年フランス・ドイツ映画『悪なき殺人』

2021年12月12日 | 映画
 12/6(月)千葉劇場にて。監督は、ドミニク・モル。フランス語の原題は「Seules les betes」で、英題は「Only The Animals」。
 ある殺人事件を巡るサスペンス映画、と言えるだろう。が、その事件を通してフランス社会、あるいはアフリカのコートジボワールからのネット犯罪を絡めて、現代社会の病理にも食い込んだ作品。

 フランスでは、女性の半数ほどが複数の男の子供を産む、と言われている。「自由恋愛」と言えば聞こえは良いが、その反面でドロドロとした人間の嫉妬や独占欲の中で、のたうち回るように苦しむ人も多いのだろう。英題の「 Animals」はTheが付いているので、単なる「動物」という意味ではなく、「獣性」を表していると思われる。ただ、獣は生殖目的以外に性行為に及ぶことは無い。エネルギーの無駄遣いだからだ。その意味では、人間は獣以上に「性」に苦しむ、とも言えるのかもしれない。この作品は、監督が意図している以上に「自由恋愛社会の不安と混迷」を垣間見せてくれている、と感じた。


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ブルースセッション2021/12/4

2021年12月08日 | ライブ
 12/4、千葉市のライブハウス「ライト」毎月第一土曜恒例ブルースセッションに参加してきた。感染防止のため、まだまだ、マスクをしての演奏が続く。ブルースハープ(10穴ハーモニカ)を吹いた人などは、ハープを吹くときにはマスクを下げ、歌う時にはマスクを口まで上げる、ということを繰り返していた。「器用なもんだなあ」・・と、感心しきり。
 わたしは、ヴォーカルとギターで7曲、その他バッキングで数曲を演奏。コロナの影響か、この日も参加者は少なかったが、演奏する喜びを分かち合えたようなセッションだった。お店のマスターが、「(持続化給付金などが無くなって)いつまで店を続けられるか・・」というような不安を漏らしていた。コロナともに、様々な文化が衰退あるいは消滅してゆく可能性がある。そうならないためにも頑張りたいが、自らの無力さを痛感するばかりだ。

 来月の第一土曜は元旦なので、次回の開催日は変更して1/10(月)成人の日になる予定。


 画像は、前回11/6(土)のセッション時の参加者のもの。中央下段、アンバー色のギターがわたし(の右手)。

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花見川サイクリングコース2021/12/1

2021年12月05日 | まち歩き
 12/1(水)千葉市にある花見川サイクリングコースに行ってきた。この日は気温20度ほど、12月にしては暖かく、風は強かったが自転車で走るには良い日よりだった。


花見川上流域に残る湿地帯。おそらく、土地が宅地の造成に向かないために開発されずに残っているのではないかと考えている。わたしは何故かここが好きで、高圧電線の鉄塔さえ見なければ、太古の景色を感じさせてくれホッとする。


写真右に写っているのが花見川で奥が下流方向。この先数キロ下って、東京湾に至る。


こちらは、上の写真と同じ場所から上流の印旛沼方向。


少し下ったところから下流方向。

同じく上流方向。写り込んでいる自転車はわたしのもので、千葉市中心部の自宅からここまで40分くらい。

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ブルースセッション2021/12(お知らせ)

2021年12月02日 | ライブ
 コロナ感染対策により、ライブハウスも営業を自粛していたため、2回目にして今年最後のブルースセッションになる。千葉のライブハウス「ライト」での開催は、12/4(土)19時半からで、わたしも参加するつもり。



 ホスト・ギタリストは、ルイジアナギターズのマスターで「齊藤G」君。東京都江戸川区小岩にある「バック・イン・タイム(B・I・T)」というライブハウスでも行われていて、いつもは第3火曜日だが、今月は第2火曜日の12/14開催になるという。

 新たなコロナウィルス株オミクロンが流行の兆しを見せ、第6波が来る可能性も高い。来年の開催は、果たしてどうなることやら。わたしは小岩の方には出ないが、ブルースに興味のある方は一度でも聴きに来てくれるとうれしいです。

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