文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2019年大晦日

2019年12月31日 | 日記・エッセイ・コラム
 2019年も暮れる。今年、ここ千葉県は大きな災害に見舞われた年だった。9月9日の台風15号や10月12日の19号による強風や大雨、さらに10月25日の21号に伴う大雨のなど、いずれも過去には例の無い規模の災害だった。特に15号では、房総半島南部で記録的な強風を観測し、多くの家屋に被害が広がり、今も復興途上にある。

 元々、関東から北に台風が襲来する時には、勢力が弱まっていることがほとんどで、そこに大きな陥穽というか油断があった。特に15号の時は、千葉市付近に上陸して、50メートルを超える風速を観測している。過去には例の無いことで、すでに想定されている規模では対応できない状況になっている。やはり、温暖化の影響だろう。海水温が上がることにより、この先どんな強力な、そして大きな台風が来るか誰にもわからない。スーパー台風が北海道を直撃、ということもあるかもしれない。

 結果論だが、沖縄や南西諸島など、台風の通り道にある家屋の雨風に強い構造にもっと学んでおくべきだった。楽観は禁物、と言いたい。

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2019年イギリス映画『家族を想うとき』

2019年12月27日 | 映画
 12/24(火)、千葉劇場にて。監督は、ケン・ローチ。原題は「Sorry We Missed You」で、直訳すると「残念ですが、お会いできませんでした」になるが、これは宅配便の不在者カードに印刷されている言葉。





 今年83歳になるケン・ローチが、現代社会の病理を描くことによって、次代に残した警告であり遺言であるかのような作品だ。

 わたしもかなり悲観的な人間だが、この作品には、ほとんど「救い」は描かれていない、と感じた。わずかに、介護士である妻が被介護者から受ける言葉や、街角で年寄りから気遣いの言葉を受ける場面に失われてゆくかのような「やさしさ」が描かれている。印象に残ったのは、介護している老婆から髪をとかしてもらいながら歌を歌ってもらうシーンだった。その歌は、黒人フォーク・シンガーのヒューディー・レッドベターの作と言われる『Good Night Irene』で、わたしも時に演奏することがある曲。しかし、映画の中ではイギリスの地方都市という設定なので、アメリカのフォークソングがイギリスの年寄りに歌われているという歌の伝搬力には驚かされた。あるいは、『Good Night Irene』という歌自体が、イギリスかアイルランドの民間伝承されたもので、アメリカに渡った移民からレッドベターに伝わったものなのかもしれない。近代アメリカでは黒人とアイルランドなどからの移民は、かなり交流があり、音楽も相互に影響しあっていたのだった。

 いずれにしろ、映画に「娯楽」を求める人は見ないほうが良い作品、とは言える。

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Duo Strap

2019年12月24日 | ギター
 デュオ・ストラップ(Duo Strap)というものを買った。


 要は「二本掛け」のストラップ。輪の中に頭を入れて、両肩に楽器の重みを分散させる為に考案されたストラップだ。下は、メーカーの説明書の写真。サウンドハウスで、8000円ほど。



 主に、ベース用として開発されたものだが、ギターにも使える。レスポールやセミアコギターに使うときは、ネック側のピンに2本掛けて使う。その際、全体の長さが足りなくなるので、「テンションストラップ」というものを別売で買って使用することになる。アイデアとしては、かなりなものだが、なかなか体にフィットしてくれないし、ストラップ自体も結構重い。使っているうちに馴染んでくる、ということもあるので、いろいろと使い方を工夫して自分に合う方法を模索してみるつもりだ。


 しかし基本的には、適度な運動で体を丈夫にして、多少重いギターでも普通のストラップで2時間くらい余裕で演奏できる体力を作ることを目指したい。まあ、加齢とともに体力が衰えていくのは避けられない。が、エレキギターはある程度重さがないと音の明瞭さが失われてしまうので、軽いギターを使うのは自分の体力を考えつつ、出来れば少しでも先送りにしたい。

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2017年ロシア映画『私のちいさなお葬式』

2019年12月20日 | 映画
 12/18(水)、千葉劇場にて。監督は、ウラジミール・コット。エレーナ役には、マリーナ・ネヨーロワ。





 ロシアという国は、どうもよく見えない。隣国なのにロシア製品というものは、ほとんど目にしない。身近にあるのは、鮭などの海産物くらいだ。資源が豊富なのだから、それを有効利用する技術を持てば自国内で製品を開発生産できると思うのだが、どうもそういう傾向にはないらしい。しかし、文学・音楽・絵画などの芸術分野では歴史的な人物が多く出ている。さらに今でも、軍事や宇宙開発の分野では抜きん出ている。資源国なので富裕層も多いらしいが、一方で、庶民生活はというと、貧しいのか豊かなのか・・・。
 そんなわけで、ロシアの庶民を描いた映画を観るのも悪くはないだろう。

 長年、片田舎の村でひとつしかない学校の教師をつとめ、今は年金で余生を送っている73歳のエレーナ。村の住人の中には、彼女の教え子も多い。そんなエレーナに「心臓が弱っている為いつ死んでもおかしくない」という余命宣告が医師から告げられる。大学卒業後、都会で暮らす一人息子のオレクに助けを求めることなく、彼女はひとりで自らの葬儀の準備をはじめるが・・・。

 この作品、原題は「Карп отмороженный」。ロシア語はわからないが、調べたところ「鯉の凍傷」になるらしい。
 映画の冒頭、病院でエレーナが余命宣告を受けた帰り道、かつての教え子が川で釣り上げた大きな鯉を貰う。もちろん食用で、すでに絞めてあるので彼女は家に帰り鯉を新聞紙でくるみ冷蔵室に入れ冷凍する。この鯉が、後に食べようと解凍したときに息を吹き返す。驚いた彼女は食べずに、しばらくバスタブの中で飼うことにする。全編に、鯉の影が投影され「生命力の象徴」として描かれてゆく。

 映画の題名が、これほど作品の印象に影響するとは思わなかった。仮にわたしがこの作品の監督で、邦題の意味を知ったら、放映の差し止めを求めるだろう。かつて、スタンリー・キューブリックが『フルメタルジャケット』という作品を日本で上映するにあたり、日本語の字幕を英訳させて確認し、全てをやり直させた事があった。翻訳とは、どうしても「思い入れ」が入るものなのだろう。ましてや映画の題名の場合では、必ずしも「翻訳」とはならず、集客を目的としたものになるのも多少は仕方ないかもしれない。この作品でも『鯉の凍傷』では、客も入らないだろうが、もう少し内容に寄り添った邦題にしてほしかった。

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2018年フランス映画『シュヴァルの理想宮』

2019年12月17日 | 映画
 12/14(土)、千葉劇場にて。監督は、ニルス・タヴェルニエ。原題は「L'Incroyable histoire du Facteur Cheval」。フランス語のことはわからないが、辞書を頼りに直訳すると「郵便配達員シュヴァルの信じられない歴史」といった感じだろうか。この作品は事実に基づいて制作されていて、撮影は、ほぼ全編をとおして現存する「シュヴァルの理想宮」で行われた、という。





 寡黙で、人付き合いが苦手な郵便配達員のシュヴァル。時は、19世紀の南フランス。美しい山々の間を縫うように、ひたすらに歩いて郵便物の集配をする日々を送っている。映画は、シュヴァルが妻を亡くした時から始まる。彼には、亡くなった妻との間にもうけた一人の男の子がいるが、養育は無理と親類に判断され引き裂かれることになる。その後、再婚、マリアという娘が生まれる。ある日、新聞でカンボジアのアンコールワットの記事を読み、娘のために一人で宮殿を建てることを決意するが・・・。

 シュヴァル役にはジャック・ガンブラン。妻フェロメーヌ役にはレティシア・カスタ。実在のジョセフ=フェルディナン・シュヴァルは、1836年に生まれ1924年に亡くなっている。90歳近くまで生きたことになり、当時としてはかなりの長命だった。その間、一人娘を亡くし、一人息子を亡くし、2度目の妻をも亡くす。映画の終わり近く、妻フェロメーヌが死に臨み、シュヴァルは妻の手を握り言葉を絞り出すように語りかける「あの宮殿を作ったのは君のためでもあるんだ」。

 わたしの観た映画の中でも、もっともロマンティックな作品。

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12/7ライブの写真

2019年12月13日 | ライブ
 12/7(土)の「ライト」での演奏時の写真。



 歌っているのが、わたし。使っているギターは、フェンダー・ジャパンのテレキャスター・シンラインを改造して、P-90を一発だけにしたもの。12/6のこのブログで書いておいたギター。軽いので、演奏中のみならず移動の時も楽できるので癖になりそうだ。が、音質的にはテレキャスターらしい明瞭さを欠き、セミアコギターのような感じになる。それが、かえってブルースっぽかったりするが、まあ、最後は個人的な好みの問題で、弾いている者が納得できればそれで良いだろう。聴いてくれる人はどう感じるかは演奏者にはわからないのだから。しかし、確実に言えることは、ボディがホロー(空洞)になっているので、大きな音量ではどうしてもフィード・バックしやすく、ハウリングを起こしやすくなることだ。屋外や大会場での使用は無理かもしれないが、個人的には、そこまでの音量で使うことはまずないと考えている。

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「ライト」ブルース・セッション2019/12/7

2019年12月10日 | ライブ
 12/7(土)夜、千葉市のライブハウス「ライト」で行われたブルース・セッションに参加してきた。この日は、冷たい雨の降る日で、セッションが始まる夜7時頃には雨は上がっていたが、参加者が少ないのではと思っていた。しかし実際には聴きに来てくれた人も多く、満員で40人入るライブハウスなので満員とまではいかないが、演奏者を含めるとテーブルはほぼ埋まっていた。かなり遠方から来てくれた人もいたらしい。地元の音楽シーンが盛り上がるのは、演奏している者の端くれとしては、やはりうれしいものだ。微力ながら、これからも可能な限り参加していきたい。

 演奏曲は以下の通り。

1.Steady Rollin' Man
2.Sweet Home Chicago

3.Take A Little Walk With Me
4.Crossroad Blues

その他、他の人のバッキングで2曲。

 次回の開催は来年1月4日(土)。いつものように夜7時からスタートで、もちろん、わたしも演奏するつもりだ。
 試行錯誤の繰り返しだが、少しでも良い演奏をして、聴きに来てくれた人に納得してもらえるよう日々練習している、つもりではある。

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テレキャスターシンライン改造

2019年12月06日 | ギター
 改造というほどではないが、テレキャスターシンラインのリア・ピックアップを外してみた。このギターでは、もともとブリッジ側のピックアップはほとんど使わないし、このところ長い時間弾いていると首が痛くなったりして軽量化したいこともあり、試しに外してみることにした。当然、切り替えスイッチも外している。計量してみると、2.9キロから2.7キロになっただけだった。しかし、例えばハイキングになどに行って長時間歩くときに、背負った荷物の中に250㎖の小さなペットボトル飲料が有るのと無いのでは、けっこう違うものだ。結局のところ、歳ですがね。若い頃は、ギターの重さなんて気にしたことなかったもんね。





 ピックアップと切り替えスイッチのところは、穴がいている状態になるので金属の薄いテープを張ってみた。もうひとつの改善点は、ボディを軽量化するとヘッド側が下がりやすくなる、いわゆる「ヘッド落ち」状態になるので、ストラップをかけるピンを工夫して、すこし長くしてみた。これによりバランスが取れ、かなり弾きやすくなった。ただし、これはよほどしっかりした長いネジを使わないとだめだし、レスポールのような重いギターでやるとネジが外れたりする危険があるので、薦めることは出来ない。どうしてもやる場合は、あくまで自己責任でやること。


 意外に知られていないことだが、切り替えスイッチによる音質の低下や、トラブルもけっこうある。具体的には、切り替え時にガリが入ったり、接触不良を起こしてしまうことだ。この場合は、2000番位のサンドペーパーを使って接点を磨き、接点復活材をつけたりしてみると、改善することも多い。が、自信のない人は、やはりリペアに出すのが無難なところ。また、スイッチそのものが音質に与える影響もある。経験的に、スウィッチを交換したら音抜けが良くなった、ということもあった。スイッチそのものが付いていなければ、トラブルの心配もないわけだ。今付いているピックアップは、リンディ・フレーリンのP-90。ホットラインをヴォリュームポットに直につけたので、心なしか高音の抜けがよくなり、音質が向上した気がする。

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パソコン買い替え

2019年12月04日 | 日記・エッセイ・コラム
 長年にわたりウィンドウズ7(32ビット版)のノートパソコンを使ってきた。が、来月で更新サービスも終了となるというので、結局買い替えることにした。
 新たに購入したのは、レノボの19.5インチのオールインワンと言われるデスクトップ型で、ネット通販で5万円ほどだった。やはり、ノートパソコンよりは見やすく。キーボード入力もしやすい。心配していた、古いソフトもかなりインストールする事が出来てホッとしているところ。32ビットの頃のものなので、64ビットに対応するにはバージョンアップしなければならないかな、と考えていた。が、officeのワード2003・エクセル2007・アクセス2007などはそのままでインストール出来、今のところ問題なく使えている。一方で、古いメールソフトのOutlookなどはだめで、ホームページビルダーも一部の機能がインストール出来なかった。それでも、総合ソフトの安いものを探して買うつもりだったので助かったし、使い慣れたソフトウェアを引き続き使える環境に出来たのは良かった。パソコン操作は苦手なので、なるべく無駄は省きたいところだ。



 思えば、最初にブラウン管の画面がついたワープロを買ったのは、もう30年以上前になる。フロッピーディスクを使うタイプのもので、プログラムの入っているフロッピーと記憶用のフロッピーを入れ替える必要があった。それでも、当時はけっこうな値段がしたものだった。それに比べると、ずいぶんと安くなったし、、昔のものと機能を比較すると、隔世の感を禁じ得ない。時代の変化は、ものすごい。

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