文化逍遥。

良質な文化の紹介。

発電機

2011年03月29日 | うんちく・小ネタ
 注文してあったホンダの発電機が到着。
Eu9i

 さっそくテスト運転。ガソリンを入れるにはポリタンクは禁止なので、ガソリン用の携行缶(これも現在は品薄)を用意して有人スタンドに買いに行かなくてはならない。法律で禁じられているのでセルフスタンドでの携行缶への給油はできないとのこと。1リッター153円もした。車には乗らないので値段の高さにビックリ。
 原付バイクと同じ50ccのエンジンでの発電だが、心配したとおりけっこううるさい。隣家に事情を話してあらかじめ謝っておいた。若い頃ホンダの原付バイクに乗っていたことがあり、オイルの補給方法やプラグの交換方法など戸惑うことは無かった。しかし、運転免許も持たず機械がにがてな人が電気製品を買うような感覚で購入しても、おそらくは使いこなせないだろうと思う。現に、姉は免許は持っているがまったく使えそうにない。始動する時にはけっこう力もいるしチョークの使い方にもコツがある。
 CO2も排出するし必要最低限の場合しか使わないことにしたのだが、とにもかくにもいざという時には自分の家で発電できるので安心ではある。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

停電のなかで

2011年03月27日 | うんちく・小ネタ
 東京電力管内では平日の計画停電が続いている。
困るのは母の介護ベッドが動かなくなってしまうことだ。停電時間を把握して介護する時間をずらしてなんとかしのいでいるものの、ヘルパーさんが来てくれる時間まではずらせないのでけっこう難儀だ。小型の発電機を買おうと思っても品薄でなかなか手に入らない。ショップによっては定価の倍の値段で売っている所もある。メーカーの生産が軌道に乗ればいいのだが、部品の不足と停電でママならないらしい。いっそのこと(金も仕事も無いのに)太陽光発電にしようと思い専門の業者に頼んで下見に来てもらったが、日影が多く日照不足気味で、設置できるパネルの枚数も少ないことから無理とのこと。残念。そうこうしている内に、北海道のショップで小型のガソリンエンジン式発電機が一台出たので定価だったが買うことにした。心配なのは音がうるさくて近隣に迷惑がかかることだが、事情を察してもらうしかない。
 しかし、地震の前から節電には心がけているつもりだったが、けっこう無駄があったと今は反省しきり。たとえば昼間でも本を読むときにはライトをつけていたのだが、窓際に本を向けて読めばライトはいらないし、夜の読書は避けて早く寝るようにし、昼間に読むようにすればいいのだった(あたりまえだが、そこに気づかないのが本読みのアホなところ)。ラジオも今は節電のためアンプ(けっこう消費電力が多い)を使いたくないのでステレオではなく小型のポータブルで聴いている。その際、試しにラジオのアンテナに長めのアース線を巻き付けてみたらFM放送がとてもよく入り自分でもビックリした。

Radio

首都圏で発信されているほとんどのFM局は受信できる。音質がいいので聴きやすい。やっぱ工夫すればなんとかなることも多いなあ。始めから諦めるのが一番いかんわ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京へ

2011年03月21日 | まち歩き
 昨日は、用があって東京へ行ってきた。
3/11の地震の後初めて電車に乗りお茶の水まで行ってきたが、車窓から見ると屋根にブルーシートをかけて土嚢で抑えてある家も結構あった。あれだけの地震だったので、瓦が落ちたり屋根が損傷を受けるのは無理もないが、どうも千葉県寄りに被害が多かったようで東京に入るとほとんどその様な家は目につかなかった。楽器店にも三軒ほど寄ってきたが、ギタースタンドが倒れて商品が壊れるようなことはほとんど無かったらしい。街はいつもの日曜日よりも人は少ないように思えた。営業時間を短縮している店も目に付いたが、書店や飲食店はほぼ平常どうりで、予想していたよりも街は落ち着きを取り戻していた。もっとも、千代田区など国の中枢を担う機関がある所は停電の対象区域から除外されているので安心していつもどうりの生活・商売などが出来るのだろう。まあ、それでもかなり節電意識はあるようで、照明等消せるところは消えていたのでいつもよりは全体に暗い感じはした。
 大変なのはこれからだ。国土の三割ほどの地域で経済活動が出来ない状態で50万近い人が生活基盤を失い、さらに放射能汚染とも戦っていかねばならないのだから。こんな時にこそ痛みを分かち合うことが肝要だ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『わたしのレコード棚』節電のためしばらく休みます

2011年03月18日 | ブログ
 東北関東大震災の発生から1週間が過ぎた。落ち着くどころか被災地には物資が届かず、いまだに多くの方が行方不明となっている。主に原発事故のため首都圏は混乱が続き、衝動的な買いだめが流行してスーパーの棚からインスタント食品・トイレットペーパーなどが消えている。ガソリンスタンドには車が列をなし、店は早々と営業を終了している。わが家では、東京電力の計画停電のために昨夜は寝たきりの母を抱えて懐中電灯の灯りで食事等の介護を行った。それでも、被災した方々に比べれば暖かい部屋でひもじい思いをすることもなく過ごしているだけでも感謝しなければならないと思う。
 今は責任の所在を問うている場合ではない。とにかく原発の事故を総力を挙げて収拾し、被災地への輸送経路を確保することが最優先だ。
 こんな時個人的に出来ることは何もないが、冷静に生活することで事態を見守りたい。『わたしのレコード棚』を書くためにステレオでレコードを聴くにも電気を消費するので、少なくとも計画停電が終わるまでは休止しすることにした。その他の話題は随時書き込むつもり。

 下の写真は、JR西千葉近くの今度の地震で半壊した古い家。もともと倒れそうだったのだが何らかの原因で放置されていたもの。他には特に建物の損傷等は、近隣を歩いた限り見当たらないが、千葉市でも海に近い地域では液状化現象が起きマリンスタジアムはしばらく使えそうにないらしい。県西部の浦安市では、今でも断水していると聞く。市原のコンビナート火災は今でも鎮火していない。県北東部、九十九里浜の北寄りでは津波の被害が深刻で、避難所生活を余儀なくされている方々が600名以上。福島県から原発事故による避難を余儀なくされた方が1000人近く千葉県内に分散してそれぞれの避難施設に入っている。伊能忠敬ゆかりの地で、古い町並みが残る佐原も歴史的建物が被害を受け修築は困難ともいわれる。

Kc3n0073



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画『サラエボ、希望の街角』

2011年03月15日 | 映画
  しかし、未曽有の災害だったとはいえ電気の供給量が少なくなるくらいで首都圏がこれほど混乱するとは思わなかった。
昨日は、千葉県内の電車はほとんど止まってしまった。しかも、JRが電車を止める決定をしたのが始発の約1時間前だったというのだから利用者は戸惑うばかりだ。こういう事態に備えて優先順位をあらかじめ決めておかなかったのだろうか。スーパーやホームセンターに行ったが、生活必需品はみな争うように買うので、米・カップめん・缶詰類は早々に棚から消え、電池やトイレットペーパーも夕方には無かった。駅のショッピングセンターは、従業員が来られないため臨時休業。
 寝たきりの母は介護ベッドなので、電気が止まるとベッドは動かなくなり手動操作はついていないのでお手上げだ。正確な停電時間と地域が知りたいのだが情報は錯綜している。エアーマットは災害対策仕様なので、2日位は空気が抜けることは無いということなのでとりあえずは安心だが、東北の被災した人たちの中にも母のように介護ベッドを必要としている方も多いだろう。早く対応してもらいたいものだ。


神保町の岩波ホールで、映画を観たのは地震前日の3月10日だった。今日あたりも東京の映画館や寄席などの娯楽施設はしまっているだろう。一日ずれていたら、と思うとぞっとする。東京の危うさを身に染みてわからせてくれた地震だった。

Saraebo
 タイトルとはうらはらに重い映画だ。岩波ホールを出た後足が重くなったように感じた。もっとも、英題は『On The Path』になっていて特に「希望」を表す表現は無い。
  宗教・生活習慣・言語・風習・・・・様々な民族的文化の違いを人は乗り越えられるのか。あるいは、乗り越えられないのか。
仲の良かった恋人同士が、やがて文化的差異による溝を深めてゆき、妊娠した女に男は「産んでくれ、あんなに欲しがっていたじゃないか」と言い、女は「あなたの子を産む気はないわ」と言い放ち背を向けて去ってゆく。「帰ってくれ」とすがるように叫ぶ男。「あなたこそ帰って」と一言言い残して女が「街角」から消えてゆくシーンで映画は終わる。そこにあるのは、理解し合うことの困難さと心に残る虚しさ。
 それにしても、主演したルナ役のズリンカ・ツヴィテシッチという女優さんの演技には圧倒された。日本であれだけの演技が出来る俳優さんはいるだろうか。
 岩波ホールでサラエボを舞台にした映画を観るのはこれが3本目だ。『パーフェクトサークル』、『サラエボの花』、そしてこの『サラエボ、希望の街角』。後者2本はヤスミラ・ジュバニッチという女性の監督の作品。どれも優れた作品だが、そこに映し出された映像を見る限りサラエボの復興はかなり進んでいるように見えた。しかし、街がきれいに整備されてゆくのと逆行するかのように、文化的には溝が深まってゆくかのような現実的危機をこの映画からは感じざるを得なかった。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わたしのレコード棚(CD)-南インドBalachander

2011年03月12日 | わたしのレコード棚
昨日の地震は、千葉のわが家でも大きな横揺れが長く続き少し気分が悪くなった。
偶然にも仕事が早く終わり、地震の起こる40分ほど前に帰宅していたので帰宅困難にならずにすんだのだった。
携帯電話は4時間ほど繋がらなくなった。千葉市のJFE工場の火災はうちからも煙が見え、市原のコンビナートが火災から爆発を起こした時にはガラスがゆれた。市原までは直線距離で10キロはあるので、爆発の激しさが窺われる。
通信手段や交通機関の混乱はまだしも、あの程度の地震で危険物が引火するようでは危機管理が甘いと言わざるをえない。これを教訓に、必要なコストまでをも削るリストラは考え直し、安全を優先させた社会作りを目指したいものだが…。




Balachander

南インドのCDはこのBalachanderしか持ってないのだが、演奏は北部よりも伝統にのっとっていると言われる。
楽器はヴィーナ(veena)。写真では見えずらいかもしれないが、フレットがかなり高くなっていて、日本の琵琶のように強く握って音の高さを変えられるようになっている。シタールはこのヴィーナを改良して作られたとも聞くが、フレット間の音の高さはほとんど無限に出ると言ってもよく、それだけに演奏者の力量がそのまま表われてしまうとも言える。極端にいえば、琵琶もそうだが、一音出しただけで単なる音になるか音楽になるか決まってしまう。恐ろしい楽器だ。録音されているのは、2曲のラーガム(北インドのラーガ)。それぞれが25分ほど。特に1曲目は、フリーリズム(自由拍)で直感が得られるまでスケールを装飾しながら弾き続ける演奏で聴きなれないと取っ付きにくいかもしれない。落語家の五代目古今亭志ん生が「噺は落語家が語るんじゃないんだ、あなたがた(客のこと)が語らせるんだ」と高座で言っていたらしいが、それに近いものを感じる。しかし、もし日本の学校で生徒がこんなの演奏しても1点もくれないだろうなあ。嘆いてもしょうがないが、貧しい音楽教育を受けてたもんだ。
インドではこのヴィーナを演奏できるのは上位カースト出身者だけだったと小泉文夫が言っていたが、今でも変わらないのだろうか。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヴォヤージ・エアー

2011年03月10日 | ギター
 久々にお茶の水を歩き、カワセ楽器さんにも寄ってきました。
Otyanomizu
駅のホームからお茶の水橋・神田川方向を携帯で撮影。早咲きの桜が咲き始めている。

さて、試奏させてもらったのはネックを折りたためるVoyage-airのVAD-04という比較的安価な、サイドとバックが合板のタイプ。
カワセさんが取り扱いを決めただけあって、思ったよりもずっとしっかりしていて演奏性も高い。以前から、混雑した電車やバスでギターを抱えて乗るのは心苦しいものがあったが、これならかなり楽を出来るな、と感じた。今日試奏させたもらったギターなら、ピックアップ(タイプにもよるが)を取りつけても10万円くらいで買える。ツアーに出る人はギター以外にも荷物が多くなるので、持ち運びやすいVoyage-airはかなり人気があるようだ。こういう新しい発想のギターはこれから各ギターメーカーが参入してくると思う。安定していて、しかも音質も運びやすさも耐久性も優れたギターがどんどん出てくるのは良いことだと思う。
Img



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国立演芸場 上席― 桃月庵 白酒『親子酒』

2011年03月09日 | 落語
 昨日(3/8)は、仕事が午前中で終わったので、久々に寄席に行くことが出来た。

Kokurituengeixzyou
 平日の昼席なので、すいているだろうと思ったが、意に反して団体客があって満席。仕方なく立ち見。国立だけあって立ち見は割引があって1400円。受け付けの人は公務員ですよ。そういえば以前、中入り後に入ろうと思って3時頃行ったら、受付のおねーちゃんに「もっと早く来てください」と言われたことがあったっけ。思わず寝っころがりそうになりましたよ。役所に謄本取りに来たんじゃないんだから、いちおう客なんだから、もう少し言い方があるでしょうが・・・と思いながらもあやまっちゃたんだけれども。まぁ、いいけど。
 
 さて肝心の落語。時間の都合で、中入りまでしか聞けなかったが、桃月庵 白酒(はくしゅ)の『親子酒』はいい出来だった。あの一席だけでも1400円の価値はあると思った。若手の真打だが、すでにベテランの風格があり、噺も仕種もうまくフラ(独特の味わい・おかしみ)がある。これからが大変だろうが、陰ながら応援したい噺家さんの一人だ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わたしのレコード(CD)棚―北インド(2)Manilal Nag & Mahaprush Misra

2011年03月05日 | わたしのレコード棚
3月の声を聞いてもここ数日は千葉も冷え込んで、朝は0度近くまで気温が下がった。
そうは言っても季節は確実に進み、我が家の庭の梅もほころんできた。
Ume




前回に続いて北インドで今回はシタール。シタ-ルといえばラビシャンカールが有名だが、ここは1985年9月12日に来日してすばらしいコンサートを行い、さらにその時にスタジオ録音をしたManilal Nag(シタール)とMahaprush Misra(タブラ)をとり上げる。下のCDが、その時の録音を収録したもの。

Manilal_nag

実は、わたしもこの時のライブに行った一人である。



 会場はお茶の水の日仏ホールだったが、なにせ25年も前の話だから記憶もかなり薄れている。200人ほどが入れる小さいホールなので、お客は満員で立ち見が出る盛況だった。そのときなんと演奏者たちは立っている客をステージのあいている場所に入れて座らせた。つまり、ステージの下から見ると演奏者3人を車座になって聞く者が取り囲んでいる状態だった。しかし、不思議なことに特に違和感もなく、演奏は自然に進んでいった。インドでは演奏者の周りを取り囲むように胡坐をかいて座って聞くのがむしろ普通なのかもしれない。スポットライトなどの照明効果やエフェクトなど効果音は一切使わない文字どおりのアコースティックコンサート。あの音聞かされたんじゃ今のやたらと効果音を使い、照明をキラキラさせた薄っぺらなライブは行けない。金さえ取れればいいってもんじゃないだろうが・・・っと怒ってみてもしょうがないが、せめて会場を出た後に耳が痛くなるような音作りは止めてもらいたいものだ。
ナグは今も健在なようだが、すばらしいタブラを聞かせてくれたミシュラはこの日本での録音の後亡くなったという。惜しいことである。この2枚のCDは発売時一枚3000円もしたが、今は2枚組になってかなり手に入り安くなっているようである。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする