文化逍遥。

良質な文化の紹介。

松本清張著『砂の器』

2012年08月26日 | 本と雑誌
さて、『砂の器』。
この小説が出たのは昭和36年で、時代設定も昭和30年台中頃だから、わたしが幼少の頃の話ということになる。
戦後の荒廃から高度経済成長へと時代が急速に変化している頃だ。
各家庭には白黒テレビが普及し始め、東京には高速道路や新幹線の建設が始まろうとしていた。
時代の変わり目。
それに伴って価値観も大きく変わり、古いものはダメで新しいものは何でもいい、という風潮があった。
「前近代的」と言われ、一顧だにされず切り捨てられていくものたち。
逆に、「話題性」さえあればもてはやされる軽薄な文化。

今回読み返してみて、そういった風潮に対する危惧と警鐘がこの作品にはあるように感じた。
殺されるのは宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』を地で行くような「前近代的」な人物で、顔もわからなくなるほどの残忍な殺し方をするのは「前衛芸術家」だった。

基礎の弱い文化はやがて崩れ落ちてしまう。
「砂で出来た器」のように。

推理小説として謎解きのストーリーが巧みに出来ているので、ドラマ化されるとどうしてもサスペンスの部分が強調されてしまいがちだ。が、この作品の背後には作者の深い「憂慮」が込められているように思われる。


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残暑厳しく

2012年08月19日 | 日記・エッセイ・コラム
一昨日の17日(金曜)は、東京のみならず千葉市でも35度を超える猛暑日だった。
夏至から2カ月が過ぎて日没はかなり早くなってきたように感じられるが、まだまだ暑い日が続いていて少しバテ気味。
仕事でポカを出さないように体調管理には気をつけたい。
なにしろ、長い年月に耐える製品に仕上げなければ話にならない。
あたりまえだけどね。
厳しいようだが、これがそうでもない。
逆に考えれば、良い結果さえ出せればそれで十分なのだ。
誰からも何のクレームも来ない。
これ以上の安心は無い。
おかげで、根なし草にならずに済んだ。

ひとは、富と名声だけでは不安に陥るものなのだ。
というわけで、このところ松本清張の『砂の器』を本棚から引っ張り出して読み直している。
これで3回目くらいだろうか。映画にもなり、テレビでもなんどもリメイクされた作品だが、読みかえしてみるとあることに気がついた。社会派サスペンスと言われるこの作品だが・・・以下来週につづく・・・。


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携帯復帰

2012年08月12日 | 日記・エッセイ・コラム
携帯電話の修理が完了して、戻ってきた。
電源回路が壊れてしまっていたので、基盤交換になったらしい。
電話機メーカー(京セラ)の修理費用は13450円だが、auの修理代割引サービスが8450円あって、残り5000円+消費税250円の5250円が自己負担分。さらにポイントがたまっていたので、4200ポイントを使って、結局1050円を支払っただけで済んだ。

携帯電話の修理体制は、電気製品などに比べるとしっかりしているな、と感じた。
代替機をすぐに手配してくれるし、10日程で完了して外装もきれいにしてくれた。auの修理割引というのは、早い話が肩代わりしてくれるわけで、定額で済むようになっている。毎月電話代を払っているので、そこからの利益を見込んでのサービスだろう。多少のコストはかかっても、安心して修理に出せるシステムが他の製品にも有っていいのではないだろうか。


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携帯ブラックアウト

2012年08月05日 | 日記・エッセイ・コラム
携帯電話が壊れてしまった。
どこを操作してもウンともスンともいわない。
画面は真っ暗で、いわゆるブラックアウト状態。
今の機種はすでに3年以上使っているので、まあ仕方ないか、とも思う。
普段あまり使わない携帯電話だが、いざ壊れてみると仕事などの連絡が取れなくなってけっこう不安になる。この際、機種変更しようかと思ったがかなりな出費になるし、スマートフォンはネットへの接続料だけでも年間6万以上になり高い。なので、結局修理に出すことにした。その間、代替の電話機を貸してくれるという。電話代を払っているのだからその位のサービスは同然とも言えるが、仕事で使うので助かる、というのが本音。

最近は、電車の車内でも間が抜けた顔してスマートフォンを操作している人が多いけど、みんなよく払えるよなあ。
学生などは親が払っているのだろうか、大変だ。
時代は変わる。
ただし、良い方へ向かっているのかどうか、それが問題だ。よーく考えてみたい。


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