文化逍遥。

良質な文化の紹介。

ポタリング中に職務質問

2024年05月28日 | 日記・エッセイ・コラム
 主に自転車で、目的地もなくゆっくりと街並みを眺めながら走り、軽い運動と散策をすることをポタリング(pottering)と言っている。長距離をひたすら走り続けるサイクリングと異なり、街並みの変化を見ながらのんびりと走るのは楽しいものだ。が、辺りをキョロキョロ見回しつつ、目的地もなく自転車に乗って走っているのは、警邏(けいら)中のお巡りさんからは「不審者」に見えるらしく、先日、呼び止められて職務質問された。これで2回目だ。

 そりゃあねえ、信号無視したとか、スマホを見ながら自転車に乗っていたとか、交通違反の事案に相当するなら仕方もない。そういうことも無いのに、真っ昼間にですよ、オートバイで追尾することもないだろ。「生まれ育った街の変化などを見ながら自転車に乗っていただけで、職質はないだろ」と喉元まで出た。しかし「なさぬ堪忍、するが堪忍」。そこをグッと堪えて、「どうぞ、(防犯登録番号を)確認してください」と言うと、相手も態度を改めた。警察や税務調査員などは人を疑うのが仕事で、彼等はある種異常な心理状態の中にいて、人は皆「不審者」に見えるらしい。

 余談だが、若い頃、仕事で税務署に定期的に行っていたことがある。その時に、税務署側で担当していたのは新入職員の若い人だった。彼は当初、穏やかな顔つきで冗談なども言っていたが、訪問するたびに目つきが鋭くなり、冗談も通じなくなっていった。心のゆとりを、失っていったように感じられた。おそらく、芸術の豊かさなども理解できず、退職後も精神的にゆとりがある生活を送ることは難しいだろう。悲しいことだが、その様な人がいなければ、この社会は維持できないのが現実なのだろう。


関係ないけど、下の写真は千葉公園のアヤメ。5/25(土)午後スマホで撮影。


奥は紫陽花。






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アナログリバーブ再評価

2024年05月21日 | 楽器・エッセイ
 今年に入り、けっこう身辺整理が進み、楽器などもヤフオクに出して販売したりしている。その中で録音機材も、コンプレッサーやデジタルリバーブなどを整理した。リバーブに関してはデジタルとアナログの両方を持っていたが、どちらを残すか、かなり迷った末に、結局アリアのアナログリバーブAR-525を残しミキシングなどに使うことにした。

 アナログリバーブは、本体の中にスプリング(バネ)が入っているだけの単純な構造で、ちょっと振動を加えただけで「ボワ~ン」と共鳴してしまい、ハウリングを起こしやすい。が、音質は暖かく、音圧とレベルをうまく調整すれば、デジタルではシュミレート出来ない良い音になる。35年ほど前に買ったのだが、その時にはすでに製造は終了していたように記憶している。少しガリが出るツマミもあるが、ヒューズも交換し、まだまだこれからも現役で使えそうだ。

 写真の様に、トラックダウン出来るようにセッティングし改めて音出ししてみると、その良さを再認識した。デジタルのようにクリヤーな音質ではなく、また、様々な残響パターンを設定できるわけではないが、わたしのようにアコースティックな音を重視する者には貴重な機材だ。ついつい、リバーブのレベルを上げて強くかけたくなるが、そこを我慢して控えめに使うのがコツ。


中央がアリアのAR-525。背面にもジャック接続できるようになっており、正面パネル側の接続が優先になる。なので、裏側は録音機器に接続しておいても、表側のジャックを使えばエレキギターのアンプ代わりに使える。上は真空管ミキサーで、サミットオーディオのTMX-420。熱を逃がすためのファンが横に付いており、その音が結構うるさいのが少し難点。意外と知られていないが、真空管の寿命は長く長期間の使用に耐える。アナログリバーブと共に、アナログミキサーも死ぬまで使いたい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

瑞庵ブルースセッション2024/5/12

2024年05月14日 | ライブ
 5/12(日)夜、千葉駅西口からほど近いライブハウス「瑞庵」で行われたブルースセッションに参加してきた。千葉ではもう一軒「バハマ」でもブルースセッションが行われているが、開催は不定期。が、こちら「瑞庵」では毎月第2日曜に定期的に開催されている。

 ジャズのプレーヤーが多く利用する店で、ブルースセッションでもジャズを基礎に持つプレーヤーが多く参加している。わたしの方は、相変わらず古いタイプのブルースをひたすら演奏している。この日、初めてご一緒したドラムスの方がいた。「どんな曲ですか」と訊かれたので、「ロバート・ジョンソンです」と言ったが、首を傾げられた。知らなかったようだ。正直言って愕然としたが、気を取り直して「こんな感じです・・」とリフを弾いたら「あぁ」と頷いて、それなりのドラミング。ジャズのプレーヤーというのは、器用なもんですなあ。多様なパターンを日頃から練習して身に着けているわけだ。わたしには、とても出来そうにない。ただ、どうしても広く浅くなるので、深いところで通じ合えるような演奏にはならないけどね。まあ、セッションでの楽しみと勉強、さらに経験を積む、という意味は大きい。


 瑞庵のステージ。狭い店だが、楽器・機材等は揃っており、音響も良い。貸し出してくれるギターやベースもあり、手ぶらでの参加も可能。かなりの機材は、寄贈されたもののようだ。セッションをやるようになって知ったことだが、ライブハウスの店長あるいはオーナーが、ちゃんとした仕事をする店には当然客も演奏者も集まり寄贈も多い。長く演奏活動をするプレーヤーなどは、楽器や機材を買い替えたりグレードアップしたりするので、経済的に余裕のある人は不要になった楽器などを、そういった店に寄贈するようだ。わたしの知っているあるライブハウスでは寄贈品が多く、一部を売却して店の存続のための費用にした。どんな仕事も、真剣に取り組まないとだめだね。当たり前だけど。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2023年アメリカ・イタリア合作映画『プリシラ』

2024年05月07日 | 映画
 4/30(火)千葉劇場にて。監督はソフィア・コッポラ、出演ケイリー・スピーニー、ジェイコブ・エロルディ。
 
 悲しい映画だった。音楽的才能がありながらも、必要以上に周囲に持ち上げられ、自分を見失う中で薬物に頼るようになってゆくエルビス・プレスリー。その妻プリシラは、彼を支えようとするが・・そうしようとすればするほど心は離れてゆく。主演のケイリー・スピーニーは、14歳の少女期から母になるまでの女性を演じ切り秀逸。

 閑話休題ー50年程も前の話。高校2年生のころ、隣の席の女子が某アイドル演歌歌手の熱狂的なファンだった。今で言う「追っかけ」だが、ある時、あまりにうるさいので「(そのひとだって)オシッコもウンチもする人間だろ」と言うと「え~、しないよ」と言われて啞然とした。生身の人間として大切にされているのではなく、作り上げられた偶像として崇拝されている。こんな「追っかけ」の前では、トイレに行くこともできない。おそらく、周囲のスタッフたちも、そんなファンの心理を利用して利益を上げるためにタレントを利用するのだろう。本来は、才能があり芸の力で生きていける人達が、自分の知らないところで金儲けの種にされている・・たまったもんじゃないだろう。多くのタレントたちが、そのギャップに苦しみ、アルコールや薬物に依存するようになって、命を縮めてゆく。エルビス・プレスリーもそんな一人だったような気がする。彼も薬が無ければ眠れず、薬物の乱用と過食に苦しみ、42歳で亡くなったのだった。



以下は、千葉劇場のホームページより引用。

『エルビス・プレスリーの元妻プリシラが1985年に発表した回想録「私のエルヴィス」をもとに、世界的スターと恋に落ちた少女の波乱の日々を描いたドラマ。14歳の少女プリシラはスーパースターのエルビス・プレスリーと出会い、恋に落ちる。やがて彼女は両親の反対を押し切って、大邸宅でエルビスと一緒に暮らし始める。これまで経験したことのない華やかで魅惑的な世界に足を踏み入れたプリシラにとって、彼のそばでともに過ごし彼の色に染まることが全てだったが……。(2023年製作/113分/PG12/アメリカ・イタリア合作/DCP)』

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする