文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2015年03月29日 | 日記・エッセイ・コラム
このところの暖かさで、千葉も桜がだいぶ開いてきた。
春らしい景色を一枚。撮影は、3/28午後。



すでに地べたにシートを敷いて花見をしている人もいる。
個人的には、桜のしたでカップの酒を飲んで袋入りのツマミを食べて何が面白いのか、と毎年思っている。
ゴミは大量に出るし、マナーも悪い人が多い。精神的に貧しいのではないか、とまでは言わないが、まあ静かにやってください。



鴨もほとんどが北に帰っていった。残っている鳥たちも北帰行間近。もっとも、北か南か、どっちがホームなのかは鳥に訊いてみなければわからない。

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ショスタコービッチ、プレリュードとフーガ

2015年03月25日 | 音楽
このところ、図書館でCDを借りてきてショスタコービッチの『プレリュードとフーガ』を聴いている。
バッハの平均律にならい全ての曲調を使って作曲されているので、24番まである。それぞれにプレリュードとフーガ1曲ずつあるので、全48曲の大作だ。ピアノはアシュケナージ。1950年から1951年にかけて作られたというが、ここまでくるとジャンルを飛び越えて純粋に近代の音楽として聴ける。あるいは、伝統的なクラッシック音楽が調和を重んじているのに比して、より現実的な生活世界とでもいったものを表現しているように感じられる。
 
 調和と混沌、その中にある不安がないまぜになった現実世界。
幻想から現実―生活世界への回帰。それは、ある意味苦痛でもあるが、そこを通ることでしか先へは進めない道。

 近―現代音楽にはそれほど馴染んではいないが、このショスタコービッチの『プレリュードとフーガ』は、音楽史の中で重要な作品と感じている。

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省エネアンプ

2015年03月20日 | 音楽
 オーディオの機器が皆古くなってきているので、順次買い換えている。
ギターなどの楽器は使い込むほど鳴りが良くなって、タイプによっては手入れしながら大切に使えば、時に何世代にも渡って使えるものもある。スピーカーなども、鳴らしていくと音が馴染んでくるが、それでもコーン紙などの劣化は避けられない。ましてや電気機器は接点の不良を起こしやすくアンプでは10数年ほどの寿命と言われている。幸い、我が家にある音響機器は皆20年以上使っているので、それなりの役割を果たしてくれている。

 今回買いかえたのは、オーディオアンプ。
パイオニアのA-50というタイプで、消費電力が72Wという省エネ型。さらに、回路には無鉛ハンダを使っており、全体に環境に配慮した設計になっていることが気に行って購入。実は、このアンプは2年以上前の発売で、値段が下がるのを待っていたのだった。



音質は、とてもクリヤーな感じがして生楽器などの音が鮮明だ。しかし、アンプ本体から低周波の振動音が出ていて、角度によってはかなり気になる。ブーンという発信音に近い感じで、特に静かな楽曲を聞いていると耳につき、正直言って不快だ。

 わたしは、苦学していた学生時代―もう25年以上前になるが、パイオニアでずっとアルバイトをしていた。職場の人たちも皆良くしてくれたし、当時としてはかなり高い日給だった。そのおかげで卒業できたと、今でも感謝している。その当時は音響機器の専門メーカーだったパイオニアも、今では音響部門を分離して名前を売却するという。確かに、ステレオ(コンポ)が売れる時代ではなくなったようだが、このような欠点を持った製品を作っているようでは自業自得と言うしかない。残念だ。

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映画『おみおくりの作法』

2015年03月15日 | 映画
先週12日、千葉劇場の木曜メンズデイ1000円にて映画を観てきた。
2013年のイギリス映画で『おみおくりの作法』。



原題は『Bitters end』なので、直訳すると「にがい終末」となる。邦題はピンとこない。

落語の人情話に「情けは他人(ひと)の為ならず、巡り巡って己がためなり」という仏教的なテーマがあるが、この映画を観てそれに近いものを感じた。人の営みの「循環」を、静かに語りかけてくれる佳作といえるだろう。主演のエディ・マーサンという俳優さんの燻し銀のような演技が光った。

主人公の住むロンドン郊外のケニントンという地区はかつて夏目漱石が留学中に暮らしていたところだというが、今でも当時の面影を残しているのではないかと思うくらい古めかしい街に見えた。
それにしても、この映画に映し出されているイギリスの庶民生活の場は質素というか、正直言って「貧しいなあ」と感じた。
最低限必要なものが揃っていて、福祉が充実していればそれでいいのだが、主人公がツナ缶とトーストだけで毎日の決まった食事を摂るシーンは切ないものがあった。

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わたしのレコード棚―ブルース30、Champion Jack Dupree

2015年03月11日 | わたしのレコード棚
 すぐれたピアニスト・ヴォーカリストであり、すぐれた詩人でもあるチャンピオン・ジャック・デュプリー。生年は諸説あるが、下のLP『Blues From The Gutter』の中で「・・俺は1910年7月4日にニューオリンズで生まれた・・」と、歌っているので、その頃に生まれたのだろう。亡くなったのは、1992年1月21日で、ドイツのハノーヴァーだった。
 若い頃は、ボクサーをしていたと言われていて、そのため「チャンピオン」との異名を得ている。が、1960年頃にヨーロッパ移住後の演奏を聴くと、荒々しいボクサーのイメージとは裏腹に、繊細さを強く感じるミュージシャンだ。スイスからデンマーク、イギリス、スウェーデンと移り住み、終焉の地ドイツへ移ったのは1971年の6月らしい。本来、この人の持っていた繊細な心には、場末のバレルハウスで荒々しいピアノを弾くイメージとは合わず、また、アメリカの差別的な環境も重荷だったのだろう。時代を考えると、公民権運動が始まろうとする中で、反動とも言える動きが相次ぎ、活動家が暗殺されてゆく頃だった。それに比べヨーロッパでは、一人のすぐれたミュージシャンとして扱ってくれる状況だったと考えられる。録音された演奏を聴いても、ヨーロッパに移住してからのものの方がテーマを広く取り、本音をそのまま歌い上げている気がする。そのあたりが、評価が分かれるところでもあるのだろう。


Atlantic原盤LP8019『Blues From The Gutter』。ヨーロッパに移住する前の1958年の録音。彼の残した多くの録音の中で、特に評価が高いもの。


1979年3月31日に、ドイツでのライブを収録したLP。Free BirdというレーベルからのLPでFLY10。向かって右側のギタリストは、ヨーロッパ移住後にサポートを務めたケン・レンディングと思われる。必要以上に前に出ることなく、自然にデュプリーを引き立てている。サイドをつとめるギタリストの演奏としては模範的とも言え、「参考になるなあ」と、感じる。


こちらは、1970年11月、シカゴのブルースマン達がヨーロッパを訪れたツアーの際に、デュプリーが合流して演奏しているドイツでのライブ盤。L+R Recordsというドイツのレーベルの2枚組LPでLS42.021。下の画像は、LPの裏面。

ベースにウィリー・ディクソン、ドラムスにクリフトン・ジェームス。3曲だが、この時の演奏は本当に素晴らしい。アメリカでバレルハウス・ピアノと言われていたころの荒々しいイメージとは打って変わり、とても洗練されたピアノとヴォーカルを聴ける。

こちらは、LP内の写真。下段、左から2人目がデュプリー。

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岡崎伸郎著『星降る震災の夜に』2012批評社

2015年03月08日 | 本と雑誌
 東日本大震災からまもなく4年の歳月が過ぎようとしている。

その間、「絆」とか「花は咲く」とかいうやたらと耳当たりの良い言葉が飛び交ったが、あれだけの災害の中で大きな喪失体験をした人にそんな言葉が届くのか、と疑問に思っていた。実際、「絆」という言葉に強い拒否反応を起こした人も多いと最近は報告されている。
また、仮設住宅などで暮らす人たち、特に子どもたちには負担が大きく時間が経つにつれ精神的に不安定になる子も多いという。

 そんな中で、図書館で『星降る震災の夜に‐ある精神科医の震災日記と断層』という本にであった。著者は、仙台生まれの精神科医で、長年、東北地方の精神科医療に尽くしてきた人だ。
2012年の発行なのですでに2年が過ぎているが、救命とか復興という表舞台ではなく、見えないところで働いてきた人たちの言葉がここにある。復興活動の中で、生き残った人たちのケアをする人だけでなく亡くなった人たちの死因を判別し死亡診断書を書く医師や、歯形を照合する歯科医など、見えないところで献身的に働く人達がたくさんいたのだ。さらに、その裏方達のケアをする精神科医の存在も忘れてはならない。この本は、そんな精神科医の綴った「日記と断層」だ。本文中に、被災者の中には時間と共に心の問題が大きくなる人も多いということも語られている。

 大変なのはこれからなのだ。
失われた地域のつながりと安定した住環境を再構築してゆく中で、喪失した心の一部を埋める作業をどう進めるのか、社会全体で取り組むべき問題だ。最後に、本文から印象的だった言葉を引用しておきたい。

「破綻した経験のある人は、そうでない人よりも、人生の奥深さを知るきっかけを手に入れる。」p106

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映画『祖谷物語 -おくのひと』

2015年03月05日 | 映画
 仕事をしている時は東京に通っていることが多かったので、都内で映画を見ることが多かった。今は定期券も定収も無い身分になり、東京まで映画を観に行くとけっこうなお金がかかるので、なかなかそうもしていられない。それでも、たまには映画を観たいなあ、と思って地元の映画館に行くことにした。

 東京でも、良く行っていたのは神田の「岩波ホール」など独立系の映画館。あまり他の館では取り上げない、マイナーだが優れた作品を選んで上映しているところだ。神田周辺は古本街もあるし楽器店も軒を連ねているので、その意味でも歩いていて飽きの来ないところでもあった。首都圏とはいえ千葉のような地方都市では、優れていてもマイナーな作品を営業面でなかなか上映できないだろうが、それでもしぶとく独立独歩で頑張っている映画館もある。「千葉劇場」がそれで、歴史ある館だが今は中心部から少し外れたビルの2回にある客席110のこじんまりした作りになっている。最近まで知らなかったのだが、毎週木曜日はメンズデーで1000円ちょうどで観られる。自転車で行けるので交通費もかからない、実にありがたい映画館なのであった。今日(3/5)観たのは、『祖谷(いや)物語 -おくのひと』という作品。

 作品そのものの評価は避けておくが、アナログフィルムでしか表現できない世界がここにあり、映画館でしか味わえない感動があった。

主演の武田梨奈という女優さんの演技はごまかしが無くてすばらしかったし、監督は1984年生まれの蔦哲一郎という人で、若い人達がこういう映像世界を作れる事になにか映画の未来を感じさせてくれた。

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エンドピン、ジャック加工

2015年03月02日 | ギター
メインに使っているアコースティックギター、ギブソンのヘリテージにエルアールバックス(L.R.BAGGS) のアイビーム(Ibeam)というピックアップを付けているが、エンドピンの穴を大きくするのが嫌だったのでピンジャックで接続するようにしていた。


椅子に座って弾く分にはこれでも良いが、ストラップをつけて立って弾くには無理がある。そこで仕方なく穴を大きくしてエンドピンジャックを取り付けることにした。


まず、リーマーといわれる工具を使い少しずつ穴を広げてゆく。このままでは、径が真っ直ぐにならないので、大きい方の穴が12mm位になったらドリルを使って真っ直ぐな穴になるように加工する。


自分でやる場合、いきなりドリルを使うと曲がってしまったりするので、最初はリーマーで慎重にあけて次にドリルを使って加工するのが良いだろう。


ハンダでつけて、内側から深さを調整して、外からボルトで固定すれば完成。




作業としては、さほど難しくはないが・・・
大切な楽器のことなので、基本的には専門のリペアマンに依頼することをお奨めする
多少の出費はかかるが、傷が付いたりして後悔するよりはいいだろう。


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