文化逍遥。

良質な文化の紹介。

指板用オイル

2015年04月30日 | ギター
 4/26(日)、カワセ楽器にて消耗品をいくつか購入。店長さんも奥さんもお元気そうでなにより。



 左が、マスター弦のライト・ゲージ。「このところの円安で原材料費も値上がりしているが、今のところ値上げせずに頑張っている」、とのこと。値段は、税別で550円。右上に写っているのは、指板用オイル。いつも使っているGHSの「Fast-Fret」を買おうかと思っていたのだが、カワセ楽器オリジナルで充填用のオイルがあるというのでそれを買い求めた。税別600円。「Fast-Fret」は1000円ほどするし、最近のものはスティック(写真右下)の材質が変わっていて評判が悪いので助かった。スティックが無い場合、綿の切れ端などに沁みこませて使っても良いという。ラベルには「指板用」となっているが、実際には弦に塗るようにつけてプレヤビリティーを向上させるのとフィンガー・ノイズを軽減させる為に使うことが多い。
 定収が無い身になったので、消耗品費やリペアにかかる費用は極力おさえたい。が、こればかりはなあ。フレットを減らさずに弾くわけにはいかないし、弦も劣化するし、いつかは切れる。頭の痛いことだ。もっとも、ボトルネックで弾いていればフレットは減らないが、それだけという訳にもいかない。誰か、減らないフレットを発明してくれないものだろうか。

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お茶の水

2015年04月28日 | まち歩き
 4/26日の日曜に久しぶりにお茶の水へ行ってきた。一日中晴天で、乾燥した風が心地よく、歩くのに最適な一日だった。


 お茶の水橋から秋葉原方向を携帯で撮影。奥に見えるアーチ状の橋は聖橋。駅は、神田川の護岸工事を含めて改良工事中。2020年頃までには完成する予定だという。この辺りは神田川に沿って中央線・総武線が走っているので工事は大変そうだなあ。逆にその工事の難しさが昔と変わらぬ駅の風情を残してもいるのだが、バリアーフリー化するのも大切だ。特にお茶の水は周辺に大学病院が多いので、今のままでは通院する人が不自由しているだろう。

 江戸の昔、ここから本郷方面に行くには今の万世橋か水道橋の方から回らなければならなかったろう。今のような橋が出来てしまえば、このあたりが人の通行を拒む渓谷であったことなど、多くの人は気付かずに通り過ぎてしまう。
 新しい駅舎は今のホームの上に重ねるように出来るという。景観もまた、大きく変わる。

 この後、楽器店をまわり岩波ホールで映画を観た。その話題は、ページを別にして書くことにする。

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映画『陽だまりハウスでマラソンを』2013年、ドイツ、

2015年04月26日 | 映画
 例によって、千葉劇場で4/23木曜に映画を観てきた。
2013年のドイツ映画で、『陽だまりハウスでマラソンを』。監督はキリアン・リートホーフ、主役のパウルを演じたのはディーター・ハラーフォルデンという人で元来は喜劇俳優だという。ドイツ語の映画だが原題は英語で「Back on Track」、そのまま訳すと「競技場へ戻ってこい」とでもなるだろうか。どうも、最近の邦題はひねくり過ぎに感じる。

 今は認知症初期の様相を呈し始めた元マラソンランナーの老人が、事なかれ主義の老人ホームに反発して、ベルリンマラソンを完走してハッピーエンド。と、基礎となるストーリーは単純だが、その間長年よりそった元コーチだった妻との死別や娘との葛藤があり、最後には感情をコントロールできなくなりベッドに拘束されてしまう、という展開。
 認知症状が出た老人を事故の無いように生活を見守るのは施設側の大切な職務だろうし、反面老いてなお希望を見つけて生き生きと過ごしたいと思う気持ちと可能性を信じたいのも又良く分かる。結末はハッピーエンドだが、自分の介護体験を踏まえて現実的に考えれば、安易な楽観はむしろ非現実的と考えざるを得ない。
 ロケは、実際のベルリンマラソンを撮影して行われたといい、最終の競技場シーンは迫力があった。全て、現実がこのようにうまく回転すれば良いのだが、死を前にした老人にとっての日々は鬱々としたものになりやすく、身近な者はそばに寄り添うことしかできずに、もどかしさを感じるばかりだ。主役の俳優さんの演技には圧倒されたが、「あんなに脂肪のついた体型でマラソンを完走できるのかなあ」、とも感じた。そこは、まあ映画の世界で夢を与えることも悪くはないだろう。

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季節の変わり目

2015年04月23日 | 日記・エッセイ・コラム
 この時期は気温の変動が大きいものだが、特に今年は桜が咲いた後の8日に雪が降ったり、その後暑くなったりと例年に増して激しく変わっているようだ。正直、体がついていかない。もともと季節の変化には強く無かったが、還暦近くなって辛いものがある。特に、春は花粉症もあり、毎年不安定な状態が続く。
 まあ、今のところノンビリしていられるので、じっくりギターの練習をする事にしよう。
最近は、音楽の幅を広げようと簡単なクラシックの曲を練習したりしているのだが、左手の小指の動きがどうもママならない。もともと、左手小指の長さが一般的な人より短かいのだが、教則本の指示どうりに押弦しようとするとうまくいかなかったりする。別に教科書どうりに押さえなくてもいいのだろうが、そこはクラシック音楽の伝統というか、学校で習う音楽の規則性というか、堅苦しいところだ。人前でその手の演奏をする予定は今のところ無いので、「他芸に学ぶ」ということで、出来る範囲でやることにしよう。

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『オーガスト・ウィルソン』桑原文子著 2014、白水社

2015年04月18日 | 本と雑誌
 日本では無名に近いが、アメリカでは「黒人シェイクスピア」と称されるオーガスト・ウィルソンという劇作家がいた。わたしもこの本や他の戯曲を図書館で見つけるまで知らなかったが、1945年にピッツバーグで生まれ2005年にシアトルで亡くなっている。父はドイツ系の白人、母は黒人だったという。
 この本の中で、とても印象に残った言葉がある。ウィルソンの演劇活動の出発点となった作品として紹介されている『マ・レイニーのブラック・ボトム』の中のレイニ-の言葉より・・・

「白人はブルースなんてわかっちゃいないよ。ブルースが出てきたのを聞くだけで、どんなふうに入っていったのか知らないんだから。ブルースは人生を語る方法だってことが、わかってないんだ。いい気分になりたいから歌うんじゃない。人生をよくわかりたいから歌うんだよ」p93(『Ma Rainey's Black Bottom 』p82よりの引用)

 実際に、マ・レイニーがこんな事を言うかどうかは疑問だが、ブルースを愛する者にとってのブルースへの「思い」が、よく代弁されていると感じた。あるいは、ブルースに限らず、広く音楽を通じて「人生をよくわかりたい」と思う人達の気持ちを良く表している。プレーヤーの端くれとしても、忘れてはならない「心がけ」にしていたい。
 尚、誤解なきよう注釈を付しておく。マ・レイニー(Ma Rainey、本名Gertrude Pridgett)は1886年生まれの女性ブルースシンガーの草分け的な存在で、1939年に亡くなっている。すなわち、彼女が活躍したのは戦前の合衆国の都市部なわけで、「白人はブルースなんてわかっちゃいないよ・・・」のくだりは、あくまで人種差別が酷かった時代を背景にしたセリフだ。戦後は、白人のすぐれたブルース・プレーヤーが多く出ている。念のため。

 ウィルソンの優れた作品群の中から、特に『フェンス』は映画化の話も具体化されていたというが、作者の指名した監督が承認されず、結局実現しなかったという。アメリカまで演劇を観に行けないので、せめて映画化が実現されていれば、と思う。残念でならない。

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ジョン・レンボーン氏を悼んで

2015年04月14日 | 音楽
 イギリスのギターリスト、ジョン・レンボーン(John Renbourm)氏が3月26日スコットランドの自宅で心臓発作のため亡くなった。70歳だった。


Shanachie97021 [Sir John Alot]より

 クラシック・ギターから入り、様々な民族音楽や古学など幅広く学び、その要素を取り入れ弾きこなした優れたギターリストだった。
わたしは生の演奏に接したことは無いが、日本を含め世界中を演奏して回っている。その割には、日本での知名度は低いと言わざるを得ない。ギターを自ら弾く人達、すなわちギタープレーヤーには知られた存在だったが、一般の音楽好きの人たちにまでは知られていなかったようだ。

 ご冥福をお祈りしたい。合掌。

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葉桜

2015年04月11日 | 日記・エッセイ・コラム
 4月8日、花まつりの日は午前中千葉でも雪が降った。
桜も花びらを散らし、すでに葉桜。もう、花見の人影も無い。なぜか、こういう時の桜が凛として美しく見える。


撮影は、携帯で4月9日午前。少しブレ気味。

 樹木の枝というのは、不規則に伸びているようでいて、奥深くで規則に沿っているようにも見える。
「あいまいな中の正確さ」と言ってはおかしいが、不思議と木々の中にいると心が落ち着いてくるのは、その「あいまい」な中にいるからなのかもしれない、などと勝手に思っている。その点、都市部の直線的なビル群の中にいると落ち着かない。特に、東京はいつの間にか息の詰まる都市になってしまった。東京の主な街を歩いていると、ずっしりと体が重くなるような疲れを感じるようになってきたのは歳を取ったためだけでは無いように感じる。 

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『昭和の爆笑王 三遊亭歌笑』岡本 和明著 2010.新潮社

2015年04月08日 | 本と雑誌
 最近、図書館から借りて読んだ本の中から印象に残った本。



3代目の三遊亭金馬の弟子で、三遊亭歌笑。
1950年(昭和25年)5月30日、まだ進駐軍の占領下にあった時、米軍のジープにはねられて31歳でなくなった。稀代な芸人だったという。伝統的な落語の範疇にはとても入らない型破りな芸で一世を風靡、その人気はそうとうなものだったらしい。わたしも、録音で少し聞いたことがあるだけだが、伝統的な七五調のリズムの中に斬新なギャグを織り込んでゆく。その手法は柳亭痴楽(先代)、林家三平(先代)へと引き継がれ、いまでも林家木久翁がたまに高座に「純情詩集」などから代表作を掛けている。

 写真で見てのとおり特異な風貌で、右目の視力もほとんど無く、随分辛い目にあいながら独自の芸域を開拓していったらしい。
伝統を重んじる落語家や通の中には毛嫌いする人も多かったことは、容易に想像できる。が、笑いを届ける事が出来る芸は、それだけでも意義があるだろう。世の中「娯楽」ということで何でも一緒くたにするが、ギャンブルや酒で身を持ち崩す人は数限りないのに比べ、寄席に通いつめて身上つぶす人なんて聞いたことがない。たとえ、一時の笑いだとしても、それで救われえる人もいるかもしれない。それこそが仏教説話を基にする落語の役割の一端ともいえるのではないだろうか。また、入口はどこからでも良い、深い芸の世界に入るきっかけになれば、それはそれで意味がある。
 歌笑の真打昇進が協会内に出た時、強硬に反対する人もいたらしいが、先代の桂文楽の鶴の一声により昇進が決まったという興味深い逸話もこの本の中で語られている。さすがに文楽は寄席の本質をわかっていたのだな、と感じさせられた。

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生演奏

2015年04月05日 | ライブ
 4/4夜、地元『ムーンライト・ブックストア』にて、ギター・ソロ3曲演奏。
いやあ、どうも、まいった。夜7時過ぎに行ったのだが、昼間のイベントから参加していた人も多かったらしく、立っている人もかなりいて店内超満員状態。アルコールが入って出来上がっている人もかなりいて、すっかり宴会モードの中での演奏だった。

 なにしろ、酔っぱらって赤い顔して大きな声でしゃべっている人がほとんど。今まではギターを構えれば会場がシーンとなっていたので、こんなことは初めての経験だった。それでも、「うっ、だれも聞いてない」と思ったら、返って落ち着いて演奏出来た感じはある。実際、聞いてくれてのは前の方にいた数人の人だけだったんじゃないかなあ。PAとしては、他の出演した人に借りたマイクだけで拾ったのだが、その音は後ろの人までは届いていなかったように感じた。あらかじめ、わかっていればピックアップを付けたギターを持っていったのだが、当日使ったのはエピフォンのFT-79で、生音だけの演奏だった。2曲やって降りようと思ったが、聞いてくれていた数人の人が「もう一曲!」とか言ってくれたので3曲演奏して終わり。
 ビール飲んで良い気持ちの人がかなりいるので、しっとりとしたブルースなどとても歌う気持ちになれなかった。ノーマルからオーップンへチューニングを変えようとしても、周りの音でなかなか合ってくれない。クリップ・チューナーを持っていけばよかった。結局、会話を邪魔しない程度にギターを掻き鳴らして帰ってきたが、良い経験になったし、楽しい夜でもあった。

演奏曲は以下のとおり。
1.(「神保町ウォーキング・ラグ」改め)「古本街のロック」
2.「パーフェクト・サークル」
3.「風の果て」

 地元で演奏するのは演奏しづらい点もあるけど、移動に時間と経費が掛からないというのは、ありがたい。
それでも、聞いてくれる人がいれば、旅しながら演奏するのはミュージシャンの宿命だ。移動も仕事の内、と考えて大切にしていきたい。

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ムーンライト・ブックストア

2015年04月01日 | 本と雑誌
 地元、西千葉にある個性的な古本店『ムーンライト・ブックストア』。この4月より店長さんが代わり、それを記念して4月4日(土)にイベントが開かれる。

 午後3時頃からはトーク・イベント。夜7時半頃からはライブ等が予定されていて、そこにわたしも呼ばれている。人前での演奏は久しぶりなので必要以上に緊張しそうだが、今回は若い店長さん就任の御祝儀ということで、勉強のつもりで演奏するつもり。古本店なので15人ほどしか入れず、すでに定員予定にほぼ達しているとのこと。興味のある方は、お店に問い合わせてください。ムーンライト・ブックストアHPは、こちら

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