文化逍遥。

良質な文化の紹介。

坂―湯島天神

2012年11月24日 | まち歩き
湯島天神から上野、下谷方面に急な階段の坂道が二本ある。撮影は2011年3/11午前。

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古典落語の名作中の名作『柳田角之進(演者によっては格之進)』の最終場面に、雪の降る湯島天神の坂を下ってゆく柳田が自分を盗人扱いにした番頭と出合うところがあるが、この坂を想定した描写だと思われる。
10代目金原亭馬生の『柳田』は絶品。53分に及ぶ長演のCDは、落語を「笑い話」程度に思っている人にはおすすめ出来ないが、個人的には歴史的録音と思っている。

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こちらは、上の写真の横手にある少し緩い坂。


坂の話は、とりあずここまでで一時終了。




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坂―本郷(その3)

2012年11月18日 | まち歩き
本郷、菊坂。白山方面に向かっての緩やかな下り坂。明治の頃を感じさせる風が吹いている。
撮影は、2011年3月11日。震災の4時間ほど前。
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江戸川柳に、「本郷もカネヤスまでは江戸のうち」とある。
「カネヤス」といのは、本郷3丁目の交差点かどに今もある雑貨店のことで、この菊坂の上の方にある。
つまり、江戸時代はこの辺りまでが「江戸」という都市部で、ここから先は「在」という農村部であった、ということらしい。

江戸期最大の火事と言われる1657年正月の「明暦の大火(振袖火事)」はこの辺りが出火場所と言われる。北は千住から南は目黒まで三日三晩焼けつづけ、死者は10万人とも言われている。厳寒期のことで、火を避けるために水をかぶったりあるいは川に飛び込んだりして凍死した人も多かったらしい。両国にある回向院は、その時の犠牲者を弔うために建てられたという。


Tadonzaka
炭団(たどん)坂。菊坂から神田川方向に歩いてすぐの所。

Tadonsaka1
炭団坂の上から、菊坂方面。


坂の話まだ続く(予定)。


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坂―本郷(その2)

2012年11月11日 | まち歩き
ずいぶんと秋らしくなってきた。銀杏並木も少し色づきはじめている。
なかなかいい季節だ。
さて、本郷界隈の坂、前回の続き。

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壱岐坂。坂を下って正面奥に見えている丸い建物は東京ドーム。
この坂の中腹から右手奥に7~8分歩いてゆくと鏑(かぶら)坂という急な階段があり、その下に樋口一葉の旧居跡が残っている。一葉は、この壱岐坂から車(人力)をひろったという記録もある。
 11/24訂正―この坂は正確には「新壱岐坂」という名だった。昭和になってから旧壱岐坂の脇に切り開くようにつくられたらしい。昔からの壱岐坂は、この写真右手にある白いビルが東洋学園大学でその奥にある細い坂道に名残を残しているだけ、と案内板にあった。

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鏑坂に向かう道すがらにある古い旅館。
東京大学まで歩いて10分程の所なので、入試のシーズンにはこのような食事の世話もしてくれる旅館を選んで泊まる受験生も多いらしい。

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さらにその奥にある路地裏。
後楽園の観覧車が背後にそびえている。が、この辺りは生活しいている人の空間で、静寂が支配している。

この項、さらに続く(予定)。


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坂―本郷

2012年11月04日 | まち歩き
東京都文京区は坂が多いことで知られる。中でも本郷周辺は、名前の付いた坂も無名な坂も多く、何故か心惹かれる。
いま仕事をしているところは壱岐坂にあるが、昼休みに散歩がてら携帯で写してみた。

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壱岐坂の裏手にある名も無い坂。
正面には白山通りを挟んで後楽園、その奥の高いビルは東京ドームホテル。
少し路地裏に入ると、このように素朴な町並みが残っている。
以前、後楽園からの喚声が周辺住民に不安を与え、問題になったこともある。

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水道橋の東京工芸高校の裏手。江戸時代の初期、この坂の上あたりに由井正雪の乱で有名な丸橋忠弥の居宅があったと言い伝えられこの坂を「忠弥坂」と呼ぶ、と掲示板にある。坂の下、右側には宝生能楽堂がある。
この辺りには高校が多く、朝の通学時間帯にはこの坂を高校生達が多く昇ってゆく。

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昭和第一高校の横手。
正面に見えているのは、お茶の水の街並みの一部。
ビル群の下にはJR中央線、さらには神田川が流れている。

この項、次回につづく(予定)。


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