文化逍遥。

良質な文化の紹介。

無縁社会によせて

2011年02月19日 | 社会・経済
 最近盛んに言われる無縁社会。
 歳をとれば親類縁者や友人が亡くなってゆくので、孤独になってゆくのはある意味仕方がないと思う。しかし、若い人たちにも孤立が広がっているというのは深刻な問題だと言わざるを得ない。そんな中で最近特に感じるのは、仕事などで若い人に接していると、彼らは年配者の話を聞こうとしないことである。これだけITが進んでくると、パソコンもまともに使えない年寄りの話など聞く気にはならないのは無理もないかもしれないが、人間関係の築き方や問題解決の仕方はやはり年配者に一日の長があるだろう。わたし達が子供だった昭和30年代は、職人技をもった大人たちに囲まれていた。そして、その技を習得するためにどのようにしたかを、大人たちはゆっくりと話してくれたものだった。いま、そのような大人と子供の関係は無くなってしまった。話を聞こうとしない者には何も話さないのが、人というものだ。
 言い古されたことかもしれないが、孤立に悩む人にはせめて本を読むようにしてもらいたい。それも出来れば古典。最近は、読みやすい現代語訳が多数出ているし、ネット上では著作権の切れた作品が公開されているので無料で読める。実際、テレビで見るかぎり孤独に落ちている若い人の部屋には本の影すら無かった。良い文化に接することは、人を孤立から抜け出させてくれるものなのだと信じている。

 最近電車の中でI-padでブログを閲覧している人がいた。あんまり、いいもんじゃないなあ。自分のブログが満員電車の中で見られていると思うとあんまり良い気持はしない。ゆっくりと味わって読んでもらえる内容のあるものを書きたいと心がけている。時間の節約もほどほどにして、SNSであれ本であれ良いものを選んでゆっくりと読んで貰いたい。


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