文化逍遥。

良質な文化の紹介。

神田すずらん通り

2012年09月23日 | 本と雑誌
秋の雨が降っている。
この夏の少雨で関東の水瓶は底をつきそうなので、恵みの雨になってくれるといいのだが。


9/18(火)は仕事が早めに終わったので、神田の書店街を歩いてきた。
いまでも年に4~5回は行くのだが、そのたびに街の様相が変わるのには驚かされる。

今回は、すずらん通りの「東京堂書店」の変わりように特に驚いた。ここに来ると不思議な安心感をおぼえるので、学生時代から利用している。なので、かれこれ30年以上にもなるか。その間、何度かの店内の改装を見てきたが、今回のような大掛かりなものは初めてだ。
まず、通りに面した側を1階から3階まで全て喫茶スペースにし、減った展示スペースを補うため各階にあったレジを1階だけとしている。昔のように多くの本を並べる展示ではなく、選りすぐりの本を書棚をわざとずらして展示する方法を採っている。
散歩する感覚で書店内を歩く感じで、疲れたり買った本をすぐに読みたい場合は横の喫茶スペースでお茶を飲めるというわけだ。ちなみに、コーヒーなどは一杯200円ほどなので、書店内の喫茶室としてはかなり安く抑えている。

思い切ったことをやったものだなあ。

それが正直な感想。あるいは経営母体が替わったのかもしれないが、やはりマイナーな作家やテーマの本は少なくなったのは否めないし、死角が多く、これでは万引きの被害も増えるだろう、と人ごとながら心配になった。
電子書籍リーダーが普及すれば、本そのものがレコードやテープのようにその役割を終えるかもしれない時代を迎えている。そうなって欲しくは無いが、出版関係の仕事に携わる人たちにとっては生き残りをかけた工夫を凝らさなければならなくなってきているのが現実なのだ。
個人的には、毎月スマートフォンにかけるお金があるならその分を本代に回した方が良いと思うのだが・・・こんなこと言うと若い人に笑われそう。


さて、買ってきたのは『アラン・ローマックス選集、アメリカン・ルーツミュージックの探究1934~1997』(みすず書房2007年刊)。
二段抜き380ページ、CD付きで6300円は高いとは思わないが、少しフトコロには響く。
内容は濃く、ルーツミュージックに関心のある人にとっては貴重な一冊だ。ローマックス父子についてはいずれ改めて書くつもりなので、その時にこの本についても取り上げることにしたい。


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