文化逍遥。

良質な文化の紹介。

国立演芸場2023年1月中席

2023年01月20日 | 落語
 1/16(月)三宅坂の国立演芸場、1月の中席。コロナ感染症が流行してから電車に乗るのも控えていたので、東京へ出るのも久々。コロナ感染症は現在も第8波が襲来中で、医療は逼迫している。なので、十分に注意し、警戒すべきであることに変わりはない。が、すでに3年が過ぎ、文化・芸術活動においても、これ以上中断するのは悪い影響が大きくなりそうだ。特に若い人達は、学校に行って議論したり、あるいは会社での研修活動などが、これ以上停まると社会全体に悪影響を及ぼしかねない。そんな訳で、わたしもワクチンを打ち、状況を見ながら無理のない範囲で活動領域を少しづつ広げていくことにした。

 現在の国立劇場の建物は、今年10月に解体が始まり、建物が分かれている大劇場・小劇場そして演芸場を統合し一つの建物に入れるという。2030年頃のこけら落としを予定していると聞く。今の建物も愛着があるので、個人的には解体せずに補強工事などで継続して使って欲しいとは感じる。それに、工事期間が7年ほどにもなり、その間公演が全く出来なくなるのも不便だ。
 まあ、それはそれとして、この日は落語芸術協会の実力のある中堅・ベテランが揃い、客は多くなかったが皆熱演して、正月公演にふさわしいものだった。やっぱり、落語は生が良い。

 特に印象深かったのは、中入り休憩後の後半に出演した三笑亭可龍、音曲の檜山うめ吉、そして真打の三遊亭笑遊(しょうゆう)。それぞれに、基礎がしっかり出来た実力のある芸人さんだ。三笑亭可龍は、40代半ばというから中堅といったところか。この日の出し物は、間抜けな泥棒が起こすひと騒動を描いた古典落語『締め込み』。演じ分けが見事で、仕草もうまい。このまま続けて研鑽して行けば、三笑亭可楽の名跡を継げるだろう。檜山うめ吉はすでにベテランに近いが、糸の伸びやすい三味線の音のコントロールが見事。この日の下座のレベルも高かった。三遊亭笑遊のこの日の出し物は『蝦蟇(がま)の油』。すでに70歳を超えたベテランだが良い味わいで、今が噺家として最も良い時かもしれない。




 いつの間にか、わたしも65歳以上のシルバー料金1600円で入場出来る年齢になった。まあ、死ぬまで学ぶ気持ちを持ち続けるつもりなので、学生割引と思って受け入れたい。それにしても運賃が値上がりして、それがきつい。最寄りの西千葉から東京までJRで片道650円。そこから、地下鉄などを使うと合計800円を超える。つまり往復の交通費で、演芸場の入場料を超えてしまうことになる。こちらもシルバー割引してもらいたが・・無理だろうなあ。

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