文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2022年キルギス・日本・オランダ・フランス合作映画『父は憶えている』

2023年12月12日 | 映画
 12/9(土)、千葉劇場にて。監督は、アクタン・アリム・クバト。出演アクタン・アリム・クバト、ミルラン・アブディカリコフ。

 天山山脈を遠くに臨むキルギスの小さな村を舞台に、近代化と古い慣習、そして宗教的束縛、葛藤する人々。それらを、静かに語る作品になっている。山脈の向こう側は中国になるだろう。村を流れる川には、山からの、少し白濁した冷たそうな水が流れている。その流れが、人々の素朴な暮らしが太古の昔から続いていることを表現している。

 とても地味な作品で、映画に娯楽性を求める人には、とてもお勧めできない。が、遥かな遠い国に暮らす人々の生活を多少なりとも知りえる作品、と感じた。岩波ホールが閉館した今、このような作品を上映してくれる千葉劇場には、ただただ感謝しかない。



以下は、千葉劇場のホームページより転載。
『母国キルギスのインターネットニュースで見つけた実話に着想を得て、出稼ぎ先のロシアで記憶と言葉を失い故郷へ帰ってきた父とその家族を描いたヒューマンドラマ。23年前にロシアへ出稼ぎに行ったまま行方がわからなくなっていたザールクが、キルギスの村に帰ってきた。家族や村人たちは記憶と言葉を失った彼の姿に動揺するが、そこにザールクの妻であるウムスナイの姿はなかった。周囲の心配をよそに、ザールクは村にあふれるゴミを黙々と片付ける。そんなザールクに、村の権力者による圧力や、近代化の波にのまれていく故郷の姿が否応なく迫る。2022年・第35回東京国際映画祭コンペティション部門出品。(2022年製作/105分/キルギス・日本・オランダ・フランス合作/DCP)』

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