ついつい入ってくる豆の事ばかり頭に上り、つい書くことを忘れてしまい
ました。
というのは、当店に訪れる方の行動や装備をみると人生とはかくあるべきとか
現在はこうだという感じの方が多いのです。
先日訪れた白髪の紳士ながら手にはめていたのは最新の時計で何やらサインが
画面に出て今度はその画面に何か話しかけるというスパイ映画に出てくる人の
ような行動でした。
スマホのメール着信音に会話が度々中断されたり、イヤフォンのようなインカムでの
電話の会話などみるとテレビドラマのエージェントのような人も珍しくはなく、
でもそんなメールでいちいち指示されたり、時計に予定やら心拍数を干渉されたり
とする人たちはそれぞれ人生を十分堪能しているという事なのでしょう。
ですが、一方ではそういう生活がいやで秩父に移住したとか山の上に電気も水道もない
小屋に住んだとかいう人もいます。
当然テレビもなく、世の中のなんとかハラスメントの問題も一切知らずきょうは初めて
おおるりを見たとかこういう鳴き声の鳥は何ですかという問いを発したり実に徒然草の
世界そのままの生活ぶりだったリ、それをただ世捨て人と呼び見下したり、白眼視
できるでしょうか。
私が行きたいと思っている展覧会はことごとく出かけていて、国立美術館で土偶を一日
見てきたとか、超絶技巧の工芸品が集まる京都の三年坂美術館も三島の佐野美術館も
あの天目茶碗さえ実物を見ているというのです。
電気代も水道代もかからず携帯電話も持たずそれなのに最高水準の美術品に通じ
名だたる音楽家の生の演奏に触れてもいるこういう生き方は人のに幸せとはという
ことから時間という有限な一番の資源の使い方を教えられるようで頭が下がります。