シーズン1を見て強い印象を持ったこの『フォーリングウォーター』ですが、シーズン2の
配信があるのは知っていましたが、なかなか見始められませんでした。というのもすっかり
ストーリーを忘れてしまい、謎の団体と夢の中の子と刑事タカと寝たきりの母と緑の靴の
宗教団体とか特殊部隊出身の男とFBIとか起きたことは大体つかんでいるものの途中になった
話の伏線とか結論のないままのものも多く、結局どうしたんだっけというイメージが残り
見始められなかったのです。
余り寝不足でなく、気分的にも仕事の時間的にも余裕のある時にと取っておいてやっと先週あたり
から見始めました。すると主人公クラスの味方としてタカ、特殊部隊の男と、夢から救った男の子と
その母親が善玉で謎の団体とその殺し屋のようなシャドーマンなる謎の男との攻防が始まります。
そもそもみんなが追っていた男の子は世界を変える力があるという特殊な存在でその母親が
息子を取り戻してシーズン1は終わっており、よいよその男の子の能力とかさらに夢から広がる
世界がどうなっていくのかと始まったシーズン2ですが、何か方向性の定まらないようなぐらぐらと
はぐらかされ続けるような物語となってしまっています。
一方dlifeからの引継ぎでみたメンタリスト、エレメントリーは安定した面白さがあり、どちらも
新たな波乱を含みつついよいよ最終シーズンというところになりました。そちらはまたまとめて
感想を書くとして、同時に見たものとして『ハッピーバレー復讐の町』というBBCのドラマが
強い印象を持ちました。
これはイギリスの田舎町の警察官のドラマで娘が自殺してしまい孫を面倒見ることになり、刑事を
辞め制服警官に戻った女性の話です。孫が学校で面倒ばかり起こし常に呼び出しを食らい善処を
迫られるシーンや田舎町なのに麻薬がはびこり、それを流しているのがギャングなどではなく、
一般の企業が支配して流しており、末端の売人程度は捕まるもののその実態は警察ぐるみで守られて
いて誰も手が出せないという設定です。
そんな中で、警察署の副部長という現場を指揮する立場にあり、現場を封鎖したり、証拠を確保したり
という末端の仕事をする中、かつては自分も捜査をしていて悪を防いでいたという自負心とか能力の
高さをにじませつつも現場で犯人を追いかけたり薬の売人に暴力を受けたりとボロボロになりながら
活躍するさまを描くのですが、部下を叱ったり捜査についてかつての刑事時代の捜査を指示もないのに
自身の娘を死に追いやった犯人の行動を追ってしまったりという人間臭いというか現実感のあふれる事件
と現場の感覚が新しい、というか米のドラマと違い主人公はくたびれた中年のおばさんで決して美人でも
スタイルがいいわけでもないし、潔癖な正義感や特殊能力があるわけでもないという現実感が漂うところ
に魅力があります。
ただ、気になるのはイギリスというか西欧先進国にこれほど麻薬がはびこっているのかという危惧と
議員が麻薬所持で逮捕されたのに日本では考えられない上からの圧力でなかったことにされるというシーンは
現行犯で決定的証拠が出ても権力と薬に甘いというのは本当かと思ってしまいます。
もともとキリスト教的には同性婚や離婚はタブーであり、それらが今段々合法として広がりつつあり、
大麻も尊厳死も安楽死も宗教的教義を越え法律として国が認めるようになってきています。死刑が廃止
されたり司法取引など巨悪のために小さい悪は見逃されたりとそんな捜査手法も世界では合法で活用される
べきものとされています。そういう世界の最先端を知る意味でも日本の制度に進歩を促すためにもこういう
ドラマは味わっておくべきだと思います。