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m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

モザイク浪漫館

2008-12-01 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】



多治見では、モザイクタイルで有名な笠原にあるタイルを美術品として紹介しているという「モザイク浪漫館」を紹介していただけた。
一見、「浪漫館」という名に似つかわしくない?簡素な作りの建物だったが中へ入ればお宝がざくざくという感じで・・すごいところだった・・
予約をすると開けていただけるそうで、館長さんの説明を受けながら、笠原で以前生産されていた様々な種類のタイルや全国から集められたモザイクタイルを使った風呂や流し、お風呂屋さんのタイル絵やモザイク画、そしてモザイクタイルの元祖、山内逸三氏のコーナーなどなど、興味を掻きたてられるものをたくさん見ることができて感激。
そして館長さんにはモザイクタイルを使用した建築物があれば見たい、とお聞きすると数軒案内していただき、最後には個人の住宅のお風呂までも見せていただくことに・・
更には、ええっ?!というようなお土産までもらってしまった;

この館の外壁には昭和45年から55年頃生産されていたモザイクタイルの加工メーカーのタイル見本がずらりと並んでいる。





マジョリカタイルがはめられた銭湯の壁。





モザイクタイルの元祖といわれる山内逸三氏のタイルのコーナー。
どのタイルもとても味わい深いものでうっとりと見入ってしまう・・





世界一小さな7.5mm角のモザイクタイル。
現在はこのサイズを生産する設備が残っていないのだそう。
小粒でとても愛らしい!





浴槽に洗い場。





モザイク画と流し。





ライオンの湯口もよりどりみどり~





大正10年頃に作られた飴釉の窯変タイルが使われた飾り棚の下部。
タイル一枚一枚の色合いが微妙に違う還元焼成で焼かれた美しい窯変が今の窯では出せないのだそう。
今の窯では全て均一化された同じ色味のタイルしか作れないという。





昭和15年頃、鉄が不足した時代に鉄の代用品として作られた陶磁器製品。
ナイフやフォーク、ボタンに煙管や手榴弾までもが陶器で作られていた。

なんと、この館を案内していただいた後、この陶器で出来たフォークやナイフやペーパーナイフなどを倉庫からごっそり出してこられ、好きなだけ持って帰りなさいと・・・有難く頂戴すると、次から次へと徳利やマグカップやら花びんなどなどを出してこられ、結局木箱一杯分も頂くことに・・;
帰ってから、いつも面白土産をくれる友人他におすそ分け・・





タイルを貼る時に使われていた張り板には狂いが少ないという桧の一種のさわらという木が使われていたそう。
タイルを載せて上下左右に揺さぶると7割方が自然と表を向いて定位置に収まるそうで、残りは手作業で裏返していくのだとか。





磁器製のタイルで作られたコースターはインドへの輸出用だったそう。
周りに立ち上がりのある金属の枠を入れて使われていた。
色合いがとてもきれいだ。





東京に残る銭湯の中でも最古と言われた桜湯のタイル絵、
6点のうちの4点がこの資料館で保存されている。
テレビのなんでも鑑定団にも出されたとか。

最近ではこちらの館で様々なタイルを保存・収集していることが伝わり、全国から解体される建物のタイルの一部などが送られてきたりするそう。





そして、モザイクタイルを使ったこの町ならではの建物などがあれば見たい、との希望に、数箇所案内していただくことができた。
ここのお宅はなんと外壁がモザイク画で鳥獣戯画が描かれていた。
タイルの材料会社の社長さん宅だそうだが、芸大出身の奥様がデザインされたそうで・・こんな塀って初めて見た。





タイルはチップタイルという自然に割れたような形に作られたもので、適当に割ったように見えて実は数種類のタイルの組み合わせだそう。





裏へ回ってみると、夜にはライトアップされるというこんな装飾も。





そして中央公民館へ向かうと、モザイクタイルの元祖、山内逸三氏作の陶板が飾られていた。
登り窯が焚かれてる様子が描かれている。





最後には館長さんの友人宅の風呂場まで案内してくださった。(外から見れるお風呂だが)
昭和25年頃のモザイクタイルが貼られたお風呂で笠原でも残ってるのはここだけだそう…床も石状のモザイクタイル、流しもタイル、壁もタイルの総タイル貼りのお風呂で、貴重なものを見せていただけて感動・・

現在、モザイク浪漫館は倉庫を利用した仮の美術館ということらしいが、ここ2、3年のうちにタイルを美術品として展示する新たな美術館を造られる予定だそう。
又、岐阜県現代陶芸美術館にて、12月終わりから3月にかけて、ここのモザイクタイルを中心とした展覧会が開かれ、あの建築探偵の藤森先生も講演されるとのこと。聞きたいけど・・ちょっと遠いよな・・
それにあわせて笠原町でもイベントがあるそうで自分の車にモザイクタイルアート?できるとか。

館長さんにはほんとに至れり尽くせり、説明に、案内にとお世話になりました。
又機会があれば訪れて車にモザイクアートでもしに行きたいな?!





帰ってから頂いたほこりをかぶって黒ずんでたナイフやフォークを洗うと、
すごくきれいな装飾が施された透明感のある肌合いの磁器が出てきた。





フォークやスプーンの柄の何気ない曲線がいい感じ。
大事に使わせていただきます。



コメント (4)
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