m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

淡陶社のマジョリカタイル

2008-12-22 | 美術館・ギャラリー他



先週は体調があまり芳しくなかったにもかかわらずフル活動してしまい・・
週末にはかなり疲れがたまってきていて風邪気味でぐったり。
が、土曜は淡路島のタイルの会社、ダントー(株)でマジョリカタイルを見せていただくお願いをしていたので出かけた。
観光→車で爆睡→観光→爆睡・・・を繰り返してなんとか淡路島を日帰りで観光してきた。

淡路島のミン平焼を継承したというタイルメーカーの淡陶社(現ダントー(株))は日本で最初にマジョリカタイルを製造した会社。
福良にある工場だった建物は現在は研究所になっているということだったが、こちらにも数枚のマジョリカタイルが保存されてるということを教えていただき、見せていただくことに。

一観光客であるにもかかわらず、快く了承してもらい、説明を受けつつ平焼のやきものとマジョリカタイルを鑑賞。
更にはタイルの工場見学までさせていただけた。





研究所の一室のショーケースの中に並べられていたマジョリカタイル。
すばらしく美しい色合いのものばかりで大興奮・・
釉薬には今は使われていない金属や鉛などの成分が入っているため、今では出すことのできない色が美しく発色している。









淡いけれども深みのあるピンク、水色、薄緑、黄色のこの取り合わせがたまらん感じのタイル。





桃、ブドウ、ザクロ?とフルーツ盛り沢山でカラフル。





この釉薬の色合いも素敵





下の帯状のタイルはたしか、さらさ西陣で見たデザインだなあ。
さらさ西陣のタイルは淡陶社のタイル?!
違うメーカーでもデザインは同じというものもあったのだそうだが・・









四枚で一つの模様が出来上がるというタイルは模様が広がってすごい迫力。





模様がとても素敵な深いブルーのタイル。
明治41年の乾式成形品。





これは明治35,6年に作られた湿式タイルの裏側。
接着強度を強めるために竹串で引っかき、縦横にくし目がつけられている。
タイルの裏を見れば湿式か乾式か?更には作られた年代も分かるのだそう。





こちらは淡陶社で作られていたタイルの見本帳。





マジョリカタイルの金型。
金型が残っているのはこちらの会社だけだそう。
この金型は表側と裏側の両方から押して作られるもの。





これは銅版転写の専用の紙。
たしか残っていたはず、ということで探してきてきてくださった。
銅版転写用の紙は現在ではもう製造されていないそう。
柔らかい紙なので曲面にも簡単に模様を転写することができるという。





この紙を素焼きのタイルに載せて紙の上から水を吹き付けると、こんな風にしっかりと模様が写り込むのだ。





今は試験的にタイルを作られているという工場へも案内していただいた。
これは乾式タイルを作る時にプレスする機械。





この乾燥させて細かく加工した粘土をこの機械にかけてプレスする。





するとこんな風にタイルが出来上がってくる。
これは素焼きをする前。
乾式タイルってどんな風に作るんだろう?とちょっと疑問に思っていたのが、これらを見せていただいてよく分かった。
しかしプレスするだけであんな粉がこんな風に固まるとは・・

他にもタイルに模様を印刷する機械や焼成する機械、土を作る機械など興味深いものを見せていただけた。





こちらへ訪れる前に唯一この近くのT邸のお風呂場には現役でマジョリカタイルが使われているとお聞きしていた。
頼めば見せてもらえるのでは?とのことだったが個人宅で、しかもお風呂場なので・・と躊躇していたら、持ってきてくださった本。
この表紙になっているタイルがT邸のお風呂場のタイルだそう。
この本は淡陶社発行の非売品の本ということだったが「差し上げます」
と言われ、有難く頂戴した。
最近人から物をもらうことが多いような・・?!
(結局T邸には悩んだ末、せっかくなので教えていただいてた電話を掛けてみると、タイルは保管してるがお風呂はもう改装してしまったとのことだった)

すばらしいタイルの数々を見せていただき、興味のあったタイルの工場も案内してもらえ、大満足でダントー(株)を後にした。
淡路島まで来てよかった・・


コメント (5)
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