今日は豊中の国登録有形文化財の西山家住宅、西山氏庭園の一般公開に抽選で当たったので訪れた。
昨日一緒に旧新田小学校へ行ったTちゃんが興味があるというので旦那の代わりに行ってもらった。
現地集合ということで自宅から自転車で向かおうと旦那に聞いた道の通りに走っていると、突然歩道がなくなり路頭に迷ってしまった!
時間厳守、時間変更不可だというのにこれではもう間に合わないぢゃないか!
旦那に文句の電話を掛け、泣きそうになりながら道を探し、Tちゃんには、もう私は無理かもしれないから私の分まで見てきて~と伝えつつ、が、一応最後まであきらめずに最寄の岡町駅への道を探した。
方向音痴の私にしては奇跡的に西山家へ10分遅れくらいで着き、中へ入れてもらえてホッと一安心・・
国登録記念物となっている西山氏庭園の説明が始まっていた。
西山氏庭園は東福寺方丈庭園の作庭でも知られる重森三玲がその東福寺の庭に続いて翌年の昭和15年に作庭したという、個人庭では初期の作品だそう。
庭は三つに分かれていて、こちらはメイン?の離れ北側にある枯山水回遊式の伝統的日本庭園。
一番奥に滝石という滝を表す石を置き、そこから流れ出る水の流れが白砂で表現されているという。
水の流れの中には船の形をした舟石や鯉石などが配置されていて、とても臨場感と奥行きが感じられる庭だった。
離れから続く洋館の下は半地下の倉庫となっているそうだが、外から見ると自然に土が盛り上げられ、その傾斜を利用して石や木が配置されている。
この離れの庭は滝石組を龍の頭、枯流れを龍の胴体として青龍庭と名付けられ、
設計者の重森三玲自ら書いた書が離れの入り口に掛けられている。
離れから庭を眺めた後は洋館の方へ案内された。
洋館は大正2~5年頃、主屋の南側に建てられた小規模なもので10畳大の主室と三畳大の書斎に渡り廊下へ続く玄関がついている。
昭和15,6年頃に内装などが変えられていて、家具類などはその時三越でオーダーした特注品なのだそう。
テーブルセンターなどの織物も三越で家具に合わせて誂えたものだとか。
深い緑のタイルが張られた暖炉には電気ストーブが置かれていて今でも現役なのだそう。
象嵌で描かれた草木の模様も素敵。
レトロモダンな照明器具。
渡り廊下へ続く洋館の玄関には茶系で統一されたタイルが張り巡らされている。
洋館の玄関にはめられていたステンドグラスがまたまたとても素敵なデザイン。
ちゃんと窓ガラスとして開くようになっていて、金網のような素材の網戸がついていた。
主屋と洋館を繋ぐ渡廊下は昭和15年建築のもの。
網代天井や砂壁など庭と調和した和風の建物で、この渡廊下から視点を変えながら庭を眺めることができる。
主屋の縁先に置かれた手水鉢は京都慈照寺の手水鉢の写しだそう。
こちらの主屋南側の庭は枯山水とは対照的なモダンな意匠をテーマにした庭になってるという。
昭和4年に建てられた離れにある便所の手洗い場には三カ所にはめられたステンドグラスと真ん中の細長い鏡とのバランスがかわいく絶妙な感じ・・
そして手洗い場の両側に男女別の便所があり、男子便所は開けてびっくり、青磁の便器に同系色の竹状のタイルが張り巡らされていた。
当初のものを大切に使われている様子が伺えた。
女子便所の方はウォッシュレットになっていたが。
西山家の屋敷を囲む塀は大正元年頃、主屋と同時に建築された真壁式、腰板打ちの高塀で昭和9年の室戸台風にも耐えて残ったといわれている。