関西文化の日、万博公園無料デーで、紅葉見て、民藝館&博物館のはしごして
無料で遊びまくってきた。
まずは日本民藝館の「多々納弘光の仕事」へ。
民藝の出西窯の創業メンバーの一人、多々納弘光の作品をいろいろと見ることができたのだけど、
まず最初のコーナーですっかりノックアウトされてしまった。
水滴や石鹸置き、子供たちの為に作った貯金箱、小さな台座、などなどの小物類が
まとまって展示されていたのだけど、なんて可愛いのか!
と思うくらいひとつひとつが愛らしく、美しいものだった。
思わず、声に出して呟くと、隣にいた年配のおばさんも正にそう思ってたみたいで、
二人で意気投合してしまった。
たまたま一緒に見てた人と同じ思いを共有できてちょっとうれしかった。
多々納弘光はこれまでは窯元の顔として知られ、一人の作り手として注目されることは多くはなかったそうで、窯元では経営者としての仕事の他は、主に把手付けと型を使って成型する作品の製作を行っていたという。
型を用いた鉢や皿には櫛目で描かれたラインや型押しや指描きなどで装飾が
施されていたが、どれも小酒落れた感じで、どことなく洋の雰囲気も感じられる。
特にバター入れなどの蓋物が素敵だった。
そして、民族学博物館で開催されてた企画展、「アルテ・ポプラル-メキシコ造形表現のいま」へ。
こちらもかなり興味を抱いてた展示。
アルテ・ポプラルというのは芸術家や専門の美術教育を受けたアーティストによるものではなく、一般市民や熟練した職人がつくり上げたものだそうで、
その造形表現には、村祭りで使われる仮面や独特の世界観を描いた毛糸絵、
陶器、カラベラ(骸骨)や風刺画、そして「生命の木」といったものがあるという。
陶器、カラベラ(骸骨)や風刺画、そして「生命の木」といったものがあるという。
メキシコ中西部の山間部に居住する先住民族、コラの人々がカトリックの祭礼の復活祭の時に使用するために作った仮面。
仮面もさまざまで、リアルに毛がついてるものも。
祭りではこれらの仮面をかぶって、三日間休みなく、走り、踊るのだそう・・
そして、最も興味を抱いたのがこの毛糸絵。
これも一目見て、打ちのめされてしまった・・
これは、面白すぎる図案・・
一体何を表わしているのか・・?!
これらの毛糸絵はウィチョルという先住民族によるもので、蜜蝋を塗った木板に毛糸を貼り付けて描かれる。
この毛糸絵は「ニエリカ」と呼ばれ、
元々はシャーマンが世界を見るために使う呪物だったそうだが、
最近は販売目的として制作されているという。
毛糸絵にはペヨーテと呼ばれる幻覚サボテンを食べて体験した、神話的情景が表現されているのだとか。
幻覚サボテンって・・?!
とにかく、なんだかとてつもなく味がある・・
色彩も豊かで、毛糸で描かれてるっていうのもポイント高いなあ。
頭に花が咲いてるし、その風貌は宇宙人にしか見えない
すごいなあ・・これが特別なアーティストの手によるものでなく、
特に芸術教育を受けていない市民によるものだとは。
その作為のなさが味わいを生み出すのかなあ。
細部を見ていくと面白すぎる。。
そしてこちらは「生命の木」
生命の木はメキシコ中部の町、メテペックの特産品。
陶器でできた平板な樹形の陶器でさまざまな飾りがついている。
カラフルで、とってもにぎやか。
こんな風に燭台がついてることもあるが、灯されることはほぼないそう。
元は旧約聖書「創世記」に記されているエデンの園の木が由来で、
アダムとイブの説話を描くものだったそう。
アダムとイブの説話を描くものだったそう。
サイズ小さめのこんな素焼きのものもいいなあ。
こちらはちょっと渋目の釉薬がかかったもの。
これもいい!このサイズだった欲しいかも!
他にも、骸骨や陶器などのアルテ・ポプラルを楽しめた。
その後は更に、イベントの北大阪ミュージアムメッセで、吹田市立博物館がやっていたワークショップ「銅鐸づくり」に参加。
ミニチュアの銅鐸を型を使って作った。
銅の代わりにビスマス合金という金属を溶かし
ゴムでしっかり型を止め、中子を入れた型枠に液体になったビスマス合金を流し込んでいく。
一回目、音を鳴らす「舌」を吊るす穴がふさがってしまっていて、失敗。
再鋳造・・
二回目はうまくいった!
裾のいらない部分をのこぎりで切り落とし、サンドペーパーで滑らかにし、
「舌」を糸で吊るして、
完成!
細かな流水紋もきれいに出てる。舌を吊るしたのでいい音も鳴った。
本当の銅鐸は28キロもあり、800度の熱で銅を溶かし作るのだとか。
そして「さをり織り」体験も。
機織りってやったことなかったけど、こんな風になってたんだ~と
小学生が織ったという生地がたくさんあったので、それを使ってペンケースとくるみボタンも作った。
この日は全て無料で、鑑賞し、体験した充実の一日だった。