蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

奈良大和四寺のみほとけ  (bon)

2019-07-05 | 日々雑感、散策、旅行

 またまた上野です。 一昨日(7/3)は、梅雨の晴れ間に上野、東京国立博物館(本館)
で開催中の「奈良大和四寺のみほとけ」展に行ってきました。
 通い慣れた感じがする公園は、いつものように多くの人並で賑わっていました。

 蒸し暑い公園を横切って、正面の東博の入り口を入ると、石作りの高い天井のその中は、
ひんやりと空調も効いていて、展示室に吸い込まれるように中に入りました。若い外国の
人たちが目立つほど多く入館していました。

 東京国立博物館本館(みほとけ展) 
 


            展示室入り口 
        

 奈良大和の四寺は、岡寺、室生寺、長谷寺、安倍文殊院など、7~8世紀に創建された
お寺が取り上げられて、国宝4点、重要文化財9点を含む名品が今回集められた 特別
企画展でした。
 これらの明日香の地域は、子どもの頃に疎開していたところに近く、また、西国33か所
観音霊場札所として、岡寺、長谷寺にはご朱印も受けたことがありますので 一層身近な感
じで拝観することとなりました。

 

 岡寺の開祖と伝えられている、国宝「義淵僧正坐像」(奈良時代)は、目じりが下がり、
深いしわの苦悩を感じさせる顔付きに、はだけた胸元はあばら骨が浮き出た素朴な木彫り
の坐像は、対峙するほどに、重厚な歴史の重みの中に深い精神性がにじみ出て力強いオー
ラが感じられて来るのです。すごい迫力でした。
 岡寺からは、涅槃像の展示もありましたが、本尊の高さ5mに及ぶ如意輪観音菩薩坐像は、
塑像で、こちらには来られていませんでした。岡寺は、今頃紫陽花が見頃なんでしょうね。

 室生寺は、女人高野の名でも、また、石楠花の名寺として知られていますが、今回の
特別企画の代表として、リフレや案内識に写真で描かれた、ふっくらした丸顔と平行に
整然と刻まれる衣文線が印象的な美しい御姿の 国宝 『十一面観音菩薩立像』(平安時代)
は、優しさの中に毅然とした意識を伝えていますし、このほか、同じく国宝の一木彫像
「釈迦如来坐像」(平安時代)も間近に拝見できました。その穏やかな姿は、やはり平和を
祈願されているのでしょうね。

     室生寺 本堂と五重塔
       (ウイキペディアより)

 長谷寺からは、華やかに感じる本尊、重文「十一面観音菩薩立像」(鎌倉時代)のほか、
いかめしい重文 難陀龍王立像、(鎌倉時代)などが展示されていました。こちらも西国
霊場8番の札所で 牡丹の名所としても知られています。

 安倍文殊院は、訪れたことはないのですが、大化の改新の時に左大臣として登用された
安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)の氏寺として建立されたそうで、鎌倉時代に現在地
に移されたとありました。 ここからの展示は、快慶作文殊菩薩像の像内から発見された
経巻、国宝「仏頂尊勝陀羅尼・文殊真言等」(鎌倉時代)の書物でした。
 本尊は、鎌倉時代に活躍した快慶による文殊五尊像で、獅子に乗った文殊菩薩像は7m
にも及ぶとあります。日本三大文殊の一つだそうです。

 余談ですが、ネットを繰っていましたら、安倍氏と関わりがあるとされる安倍晋三首相
が内閣総理大臣名義で石塔を寄進しているとありました。

 

 さて、この地域は、冒頭にも述べましたが、戦時、疎開をしていたところが、田原本町
で、大和三山(天香久山、畝傍山、耳成山)にも近く、飛鳥時代の国の中心部でもあった
そうです。
 無粋ながら、付近の地図を引用しました。 大和四寺の位置関係を示しておきました。

      

 田原本は、近鉄樫原線の駅にあり、ここに小学校2年半ばまでいたのです。 知る由も
ありませんが、蓼科浪漫倶楽部のKさんも同じころ、一つ隣の駅、笠縫におられたそうです。


 館内の他の美術展示も足早に見て、東博を出ると蒸し暑く、隣の東洋館の喫茶で同行の
友人と長めのお茶をしてお別れしました。

 

 

少し物足りない動画ですが、youtubeより

 

美術手帳より
https://bijutsutecho.com/exhibitions/4092

 

 

 

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