この4月1日からNHKテレビ(総合、Eテレ)のネット同時配信サービスが始まりまし
た。 3月から試験サービスが実施されていましたが、その時は、まったく何もしませ
んでしたが、4月1日に、早速試してみました。 そして、言われるままに登録して、
そのうち「確認コード」がハガキで送られてきてそれを入力して完了となるようです。
これ(同時配信サービス)って、もう10年も前から、検討されていて、NHKは、
ずっと実施に向けて認可申請作業をしていたのですね。 最後のところで、費用が
掛かりすぎる、民営の圧迫になる・・などの観点から、NHKに、業務改善、同時配信
費用の上限設定など見直し要求が出されましたが、それをクリアして今回のサービス
開始に至ったようです。
(ネット画像より)
NHKは、以前から、情報通信媒体がネットやスマホの普及とともに、いわゆる
“テレビ離れ”を懸念しており、ネットへの参入を目指していたのです。
NHKにしてみれば、悲願のサービス開始なんですね。 サービス名を『NHKプラス』
といい、NHKは、同時配信を「放送の補完」と位置づけており、視聴者はNHKと放送
受信契約を結んでいれば追加の負担なく利用できるのです。
放送中の番組のネット同時配信のほか、番組の放送中でも最初から視聴できる
「追いかけ再生」や、放送終了から1週間番組を見返せる「見逃し配信」などができ
るそうです。
テレビ受像機がなくても、どこでもテレビを見ることができるのです。 今後、
5Gの世界になればどこでもテレビ・・なんですね。
試しに、同時配信サービスをやってみると、確かにテレビと同じ番組が流れてき
ますが、ネットの方が、感覚的ですが25~30秒くらい遅れて流れてくるようです。
テレビを見ながら、ネットで同時に見る人はいませんから、これくらいの遅れとい
うのは、サービスの性格からどうということはないですね。
しかし、よく考えてみると、NHKはやはりお役所気取りだと分かりました。普通
なら新しいサービスを始めたなら、しばらく、利用障壁なしに使わせてみて、それ
で良いとなれば加入(登録)させるというのが普通だと思いますね。 サービスが
良いかどうかもわからない、やってみなければわからない入り口時点で、面倒な
登録作業を求めているのです。
ネットで指定された手順で入力すると、確認コードが、後日(10日後くらいに)
ハガキで送られてきて、そのコードを入力して登録完了となるのです。
テレビ離れ、スマホ時代・・といわれ、NHKのネット指向は十分頷けるところです
が、ある人が言うには、“スマホ世代に魅力ある番組ではない”から、単にネット
にしたからスマホ世代も取り込める・・とは単純に行かないようですね。“現在の
NHK番組は30~40才以上向き”だそうです。 かといって、若者向きのバラエティや
クイズ番組を公共放送としてガンガンやるというのも考え物ですね。
私などが現役の時代に、「通信と放送の融合」という言葉が、よくささやかれて
いましたが、まさしく今回のNHKプラスは放送・通信の融合そのものとみてよいので
すね。 今後、5Gの世界になれば、さらに壁はなくなるでしょう。
著作権等の権利処理については、様々な課題が残されているようです。
著作権法上、放送とネット配信は、それぞれ放送権、自動公衆送信権(送信可能
化 権)という異なる権利として扱われるそうで、このため、放送と同じ番組を配信
する場合でも、権利処理が異なる場合があり いくつかの課題があります。
•まず、番組では大量の著作物等を使用していますから、放送では「多数の著作物
を集中管理する権利者団体」と包括的契約等により、安定的な権利処理と円滑な放送
を実施していますが、配信では個別交渉で許諾を取らなければならない 分野の権利
者も多く存在し、許諾が得られない場合や、許諾が得られても高額で採算性に合わな
い場合も起こりうるのです。
• さらに、これらの問題を「限られた時間内に解決・処理しなければな らない」
という点で、大量使用が見込まれる楽曲や借用素材等の事前の権利処理・確認作業は、
放送自体の作業がタイトな状況のなかで、これら配信のための作業が別に発生する
ことになるというのです。
これらの権利処理がうまくゆかない場合は、ネット配信ができないわけですから、
その番組は「蓋かぶせ」という形となってしまうのです。
蓋かぶせ処理(例) (このような画面が出るのですね。)
(ネット画像より)
また、民放については、今年の秋ごろにサービスを始めるとの計画のようですが、費用対効果や種々の課題からどのような形となるのでしょうか?
ずっと家にいて、テレビの前でPCをやっている我が身には、およそ無用のサー
ビスかとも思え、未だガラケー愛好者ですから「NHKプラス」には遠い位置にいるの
でしょう。