蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

ストレス  (bon)

2021-02-09 | 日々雑感、散策、旅行

 日常いろんな場面で感じるストレス、特に昨今ではコロナ禍も加わり、それぞれ
の人々に様々な新しいストレスが加わっていることでしょう。

 聞きなれた言葉“ストレス”ですが、「現代社会のストレスにどう対処するか」
との講演録(久保千春氏、九州大学学長、医博、心身医学・心療内科)を読んで、
なるほどと思い当たることがたくさんありましたので、その概略をまとめてみました。
 ちなみに、久保千春氏は、先ごろアフガニスタンで凶弾に倒れ無念な死を遂げた
中村哲氏とは大学同級で。葬儀の際には弔辞を読まれたそうです。

       (ネット画像より)

 ストレスという言葉は、もともとは物理的な外部からの圧力によって生じた歪の
ことを指しますが、これを医学分野に持ち込んだのはカナダの生理学者であるそう
です。
 で、ここでストレスの原因となるのは、①物理的ストレス(気温、気圧の変化、
騒音、怪我など)、②化学的ストレス(タバコ、アルコール、薬物)、③生物学的
ストレス(細菌、ウイルス、寄生虫、ダニ)、④心理的ストレス(不安、緊張、怒
り、悲しみ、試験、仕事、人間関係)に分類されています。
 しかし、これらの原因の背後に、その人(患者など)に帰属する問題たとえば、
性格や幼児期からの生活体験などからくる心理的要因、そして年齢や性別、身体的
異常などからくる身体的要因、さらには生活習慣の乱れなどがからんでいるとされ
ています。

       (ネットこころの耳より)

 心と身体の結びつきが大きく、それらによって現象(症状)が惹起する場合も一
般的だとあります。講演録の例として3つ挙げられていました。・頻回の腹痛:嫁姑
問題を抱える患者に「姑が小言を言い始めた」と暗示をかけると、患者の大腸が過
剰収縮して痛みを起こす。・蕁麻疹:ハゼに触れるとかぶれて蕁麻疹が出る患者に
「これからハゼの葉で撫でます」と暗示をかけると樫の葉で撫でても蕁麻疹が出ま
した ・作家 夏樹静子さんの腰痛:50代半ばに激しい腰痛で苦しみ整形、神経内科
などの医院さらには水泳,整体、気孔などを試したが3年間回復せず痛みは増すばか
りだったが、最後に心療内科で「典型的な心身症だ」と診察され長期入院し、原因
不明の腰痛は消え去った。
 というもので、『心の痛みが如何に高血圧、喘息、拒食症。過食症などの身体の
症状を起こすかが分かります。』と述べられています。

 ストレスと自律神経・内分泌・免疫系の相関・・ 五感がストレスを感知すると、
視床から視床下部に伝わり、自律神経系と内分泌系に反応が起き、免疫系に影響が
及ぶのだそうです。これら3つの系は、通常はホメオスタシス(体の恒常性)を維持
しているのですが、ストレスが長く続くと、これら3つの系の働きがおかしくなり、
脳、呼吸器、循環器に悪影響を及ぼすというのです。

       (ネット画像より)

 したがって、ストレスの大きさなどがそれぞれ専門的な方法で数値的に測定でき
るそうですが、様々な心理テストによっても測定できるとあります。「気が沈んで
憂鬱だ」、「朝方は一番気分が良い」、「夜よく眠れない」など20項目の質問があ
り点数評価されるそうです。

 病気の発症と経過には、心理的な因子が大きくかかわっていることがありますが、
古くから形成されている性格や対人関係の不器用さなどの準備因子、発症を起こす
引き金となる誘発因子さらにこれを持続増悪因子として家族関係、社会的支援など
広い範囲に関連しているのです。

           

 一般に心身症というのは、『身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子
が密接に関係し、器質的ないし機能的障害が認められる病態』とあり、内科領域の
代表的な心身症が表に示されています。

   心療内科でよく見る疾患(心身症)
 
                 (久保千春氏 心身医学研究の展望より)

 表からもわかる通り、心療内科は、身体の疾患でストレスが関係して発症する
病気を診るところですが、「あまり重症でない精神疾患の人が行く科」と誤解され
ているようだとあります。 

 ストレス病の治療(心身学的療法)では、いろんな要素が含まれているため、診
察に当たっては先ず、ストレスの問題か、患者自身の問題か、生活習慣や周囲から
のサポートの問題かを把握し、次に、患者との間に信頼関係をきづくという手順に
なるのだそうです。
 心理学の用語でこれを「ラポール形成」というそうですが、多くの治療方法の中
で、患者と治癒者の信頼関係が最も重要だとあります。そして、患者の治療意欲を
高めることも重要だと。つまり心理的な側面が非常に強く働いているからです。

 このような状況の下で心身医学的療法が始まるのです。内科などの身体療法、向
精神薬(抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬など)そして生活指導が行われます。 さら
に状況によっては、カウンセリング、心理治療など、また、東洋医学的治療では漢
方薬、鍼灸、ヨガ、太極拳などを行うことがあるそうです。

 

 しかし、人間には生まれながらに、環境に対抗し病気に打ち勝つ力、すなわち自
然治癒力を持っていますから、これを十分に高めるために、普段から十分な休養、
睡眠、運動、栄養が必要であることは言うまでもないことですが、さらに五感に快
い刺激を与えて生体のホメオスタシの機能を高めることも効果的だとあります。

 

 『普段から、休息、睡眠、運動、食事を心がけ、良き相談相手を持ち、人生観や
価値観を整えましょう』そして『緊張と緩和のバランス』『笑いや音楽、温泉など
自分に合ったリラクゼーション法を持ちましょう』と述べられています。

         (ネット画像より)

 最後に心身療法として、身体からアプローチするのも効果的であると。つまり、
意図的に体を動かすなど、型から入り、笑顔を作り、楽しい心を持ち、緊張と緩和
の調和を図ること。 また、息を長く吐くのもよいのだそうです。呼気は副交感神
経が刺激され、吸気は交感神経が刺激されるからだそうです。イライラした時には、
できるだけゆっくりと息を吐くといいといいますね。

 最後に、自分を励ます言葉が挙げられています。
ご参考までに、そのうちいくつかを以下に記しました。

   〇未完を目指す、70%を目指す

   〇感動する心、素直な心

   〇幸せは心が決める、足るを知る

   〇遊び心、創造性

   〇生かされて、生きる

 日常いろいろと、煩わしいことが多くありますが、高望みせず、肩の力を抜いて
素直であれ・・ということなんですね。

 

 

ACOON HIBINO / ECHO 「心と体を整える~愛の周波数528Hz~」より

 

 

 

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