体長3.5~6㎝ほどの、淡水魚です。
埼玉県、熊谷市の元荒川上流にのみ生息している、環境省レッドリストで絶滅危
惧ⅠA(CR=絶滅寸前)に指定され、絶滅の危険がある「ムサシトミヨ」は、どう
やらその繁殖に成功しているらしいのです。
ムサシトミヨについては、2019.6.1の読売新聞(地域版)に紹介され当ブログ
(2019.6.4)に取り上げ、繁殖、保護のための努力の様子など記事アップましたが、
今回(9.11)に再び同新聞にその繁殖に成功している記事が掲載されていましたの
で、その模様をご紹介しました。
ムサシトミヨ
(ネット画像より)
ムサシトミヨは希少魚で、今では元荒川上流400mの区間にのみ生息する県の天然
記念物に指定されています。ムサシトミヨの保護活動を目的として、熊谷駅から15
分ほどのところに「ムサシトミヨ保護センター」があります。
元荒川の様子
(ウイキペディアより)
で、保護センターでは、大きな水槽が複数あって、ムサシトミヨの繁殖を行って
いるそうです。毎年春に繁殖のための環境つくりと親魚の放流をして秋まで育成して、
今頃から繁殖した魚を取りあげて数をカウントするというのです。
大きな水槽の水を抜いて、生い茂る水草や泥の中から探して網で一匹ずつ丁寧に
取り出すそうです。一つの水槽に数千匹もいることがあるそうですから繁殖には成
功していると思われます。
今年もこれからこの作業が始まるそうで、どのくらい繁殖できたかが楽しみだと
ありました。
生息地
(ウイキペディアより)
しかし問題は、これらが無事に川で定着するかどうか、そして、現在の生育場所
の拡大につながることが期待されるのでしょう。 なぜ、このように生育範囲が縮
小されて来たかの原因究明と、それに基づく環境つくりが今後さらに発展すること
が重要なのでしょう。
ムサシトミヨは、トゲウオ目トゲウオ科トミヨ属のトゲウオの仲間で、寿命約
1年の冷水魚で、背に8~9本のトゲがあり、ウロコは尾の付け根部分にあるだけで、
敵が来るとトゲを立てるそうです。
ウイキペディアによれば・・
・トミヨ は、学名:Pungitius sinensis、英名:Amurstickleback。で、カムチ
ャッカ半島、アムール川流域、朝鮮半島、日本の 淡水、汽水(淡水と海水が混じ
り合う水域)から海水まで生息する。汽水、海水では体長8~9cm 程度になる。
日本では、福井県、石川県、富山県以北の日本海側と北海道に生息する。
・キタノトミヨ(イバラトミヨ) 分布は、ユーラシア大陸(イギリス、フランス、
シベリア、朝鮮半島、日本)、北アメリカ。 日本では新潟県以北の日本海側と
北海道。 北海道・東北地方に棲息するイバラトミヨは「淡水型」「汽水型」「雄
物型」の3種類が知られており、秋田県南部内陸地方を中心に分布する「雄物型」
はなかでも稀少で、秋田県及び環境省の定めたレッドリストでは「絶滅危惧IA」(CR)
に指定されている。
・エゾトミヨ 分布は、北海道、樺太(サハリン)。淡水性で、水草の茂った小川
などに生息。2007年までの環境省レッドリストでは「準絶滅危惧」に指定されてい
たが、2013年には「絶滅危惧II類(VU)」と評価された。
・ミナミトミヨ 1960年代までに絶滅したと考えられている日本固有種。京都府、
兵庫県の瀬戸内海側の流域、特に湧水の付近の小川や水田などから見つかっていた。
一生を淡水で過ごすと考えられている。体長 4cm程度。 環境省レッドリスでは、
絶滅(EX)。
<参考>
絶滅危惧分類(CR=絶滅寸前の例)
(ウイキペディアより)
ムサシトミヨ
おもしろ生き物 ムサシトミヨ