突然ですが「塩」なんですね。
塩 と聞けば、「成人1日あたり6g」なんて感じのことを思い描きます。厚生省が
推奨する成人の1日あたりの食塩摂取量の目標値は、男性7.5g未満、女性6.5g未満
とあり、高血圧や腎臓病の慢性化予防からは、男女とも6g未満が好ましいようです。
6gの塩というのは小さじ1杯の量だそうです。
今日の記事「塩のあれこれ」は、塩の健康について述べるつもりではないのですが、
せっかくですから塩の健康面についてちょっとだけ・・。
(ネット画像より)
青山志穂氏(日本ソルトコーディネーター協会代表理事)の記事の一部の拾い読み
です。
『人間の体液には0.9%の濃度で塩分が含まれていて食べ物の消化や栄養素の吸収を
助けている。また、脳の機能に必要な神経細胞の働きにも不可欠。』とあります。
しかし、塩分の取り過ぎは、ご存じの通りむくみや口の渇きの他、高血圧のリスク
などいろいろとあります。
自身の体の塩分濃度を簡単にチェックする方法が記載されていました。『体液と
同じ0.9gの塩水(500mlのペットボトルに対して塩4.5g)を一口飲んだ時の感覚が、
“しょっぱい”と感じる時は塩分は足りている。“おいしい”と感じる時は塩分を
必要としている。』 一度試してみるのも面白いですね。
記事の本題は、「塩」の種類やその他「塩」にまつわるあれこれを拾ってまとめて
みました。
日本国内に流通している塩は4000種以上あるそうですが、原材料から主な分類を
すれば次の4つとその他に分けられるそうです。(ウイキペディアなどから)
- 岩塩 主にヨーロッパや北アメリカでかって海であった土地が地殻変動で海
水の塩分が結晶化した地層から採掘できる。 - 海塩(天日塩) 海水から塩を取り出す。こちらも西ヨーロッパやオースト
ラリア、メキシコなど広く行われていて、世界の約36%ほどの塩はこれ。日本
で作られる塩は殆どが海塩。 - 湖塩 塩湖が干上がって出来た塩類平原などから採取する。ボリビアのウユニ
などで採取されている。 - 地下塩水塩 岩塩が伏流水で溶かされるなどして地中に溜まった塩水から作
られる。中国やドイツ。日本では福島県や長野県の温泉から小規模に作られ
ている。 - その他 塩分を含んだ海藻や植物から採集する藻塩、灰塩などがある。また、
精製塩に後から にがり(ミネラル)を加えた加工塩がある。抹茶塩、ゆず塩、
ガーリックやハーブなどの風味をつけたシーズニング、フレーバーソルトなど。
日本では岩塩は取れませんから、海水を原材料として、大昔からいろんな製法に
より食塩が作られてきていますが、大方の製法の原理は、乾燥や煮詰めたりすること
によってつくられています。
日本では古くから、揚浜式塩田で知られるように海水を砂浜に撒いて天日干しや
風による乾燥を経て煮詰められる方法などが採られていたようですが、効率が悪く
大変な労力で作られる貴重なものであったのです。 それを改良したのが、流下式
塩田と呼ばれる方法で、ポンプで海水をくみ上げ、傾斜をつけた乾燥路を何度か経由
させ濃縮させる方法が全国的に採用されたそうです。この方法では労力が1/10で済む
優れモノだったようです。(濃縮した後は煮詰めて塩を取り出すのです。)
流下式塩田法 (ネット画像より)
しかし、これまでと全く製塩原理が違う、イオン交換膜製塩法が開発されるや、
1972年以降にはこの方法もすべてイオン交換膜製塩法にとってかわったのです。
生産性が抜群に高いからです。これが現在の「食塩」なんですね。
日本における塩の販売方法にも変遷があります。 塩はヒトの生存に必須のため、
古くから政治的、経済的に重要な位置を占めていて、財政確保あるいは公益を目的
として専売方式が採られていました。1949年(昭和24年)には日本専売公社が設立
され、煙草、樟脳などと共に塩も専売でした。1985年の民営化で、日本専売公社は、
日本たばこ産業㈱に民営化され塩の生産は自由化されました。さらに、1997年には、
塩の専売制を廃止し、2002年から塩の販売も完全に自由化されたのです。
これらの経緯の中で、イオン交換膜製塩法以前の流下式塩田法で作られた塩の復活
の動きがあったそうです。それは、イオン交換ではなく、海水に含まれるミネラル
成分が残留する方式による塩が求められたからです。民営化後流下式塩田法による
塩が生産され、現在では多くの銘柄の塩が販売されることになったのです。
因みに我が家にある塩を、調べてみましたら、
・あら塩 「瀬戸のほんじお」 原材料:海水 食塩相当量89.7% カリウム
0.88% マグネシウム0.3% カルシウム0.16%
・焼き塩 「天塩」 原材料:天日塩(オーストラリア) 食塩相当量97.3%
マグネシウム0.39%
・「海人の藻塩」 原材料:海水、ホンダワラ 食塩相当量93.7%
カリウム0.448 マグネシウム1.01% カルシウム0.238%
(ネット画像より)
塩の味は、海水塩の成分である塩化ナトリウム以外のミネラル成分(マグネシウム、
カリウム、カルシウムなどの含有量によってきまるそうです。
我が家では、「海人の藻塩」が一番マイルドな味と感じています。「瀬戸のほんじお」
は、食塩相当量が「天塩」よりも少ないのですが、食感はよりしょっぱく感じられ
ます。
最後に、日本の塩の消費量は、2021年(財務省データ)で約860万トンで、うち
食品では約1割とあります。自給率は低く11%程度で世界有数の塩輸入国(年間約
700万トン)だそうです。
塩にまつわる言葉‥もいろいろとありますが、これについてはまたの機会に譲り
ます。
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