もう10年以上まえに我が家に来た “メグスリノキ” です。
秋の紅葉が大変きれいでそれで買い求めたのです。 今も秋になると、真っ赤に染まるのはきれいなのですが、
ここ5年くらい、木の先端が少しずつ枯れて葉が付かないので、その部分を切り落としてきたので、何だか
年々木の丈が低くなっているのです。
“普通、植物は成長して大きくなりますが、この木は年々縮んでいる感じです。何か原因があるのでしょうか?
またその対策等あるのでしょうか?”
このような質問を、所属している園芸友の会の先生に提出することにして、友の会幹事さんに送付したところ、
“質問も面白いが、木も珍しいので 、ついでにメグスリノキについて発表しては・・” と要請がありました。
ベランダのメグスリノキ(秋) その種(羽が付いています。)
来月の発表に向けて整理していましたら、なんとこの木が 今年の大河ドラマの黒田官兵衛にかかわりがある
ということが分かりました。 司馬遼太郎の小説 「播磨灘物語」 の中で、官兵衛の祖父、黒田重隆が
メグスリノキから 眼病用 に薬を作り、それにより巨万の財を築いたというのです。
おまけに、まとめ終って何気なく、テレビのドラマを見ていたら、丁度その下りが演じられていたので、
あまりの偶然にうれしくなってしまったのでした。
先の、当ブログの “黒田官兵衛” のコメントに早速そのことを書きましたが、併せてこの記事にて、
主題のメグスリノキについて、簡単に述べることにしました。
メグスリノキは、その樹皮や葉が眼病や肝臓に何かと効果があるというのは本当の事だそうです。
戦国時代の頃から、樹皮を煎じた汁を目薬として使用すると眼病などに効用があるとする民間療法があった
とされています。
昭和の中頃には、「星薬科大学」(明44創立、昭25大学設立:東京都品川区荏原)で研究が進められ、
樹皮には、ロドデンドロールやエピ・ロードデンドリン、トリテルベン、タンニン、ケルセチン、カテキンなど多くの
有効成分が含まれていて、眼病の予防・視神経活性化・肝機能の改善などの効果があることが実証されているのです。
メグスリノキは、国有林でも自生しているので、発表当時次々と被害を受けるなどの悪質な行為が続発したり、
鉢植えしたメグスリノキが盗難に遭うなどの事件にまでなったという受難時期もあったそうです。
現在では、そのようなことはなく、逆にドラッグストアあたりに健康茶の一つとして “メグスリノキ茶” が並んでいたりします。
メグスリノキは、カエデ科カエデ属の落葉高木で、学名を Acer maximowiczianumという。
別名、“長者の木”とか“千里眼の木”、“ミツバナ”、“ミツバハナ”ともいう。
この木は、日本国内のみに自生し、主として標高700mあたりに多く見られるという。
大きいものでは樹高10mに達する。雌雄異株で、葉は長さ5~13cm程度で、三枚の小葉からなる複葉である。
また、かって奥秩父にハイキングに行った帰り、秩父鉄道の御花畑駅近くの “慈眼寺” に行った時、
大きなメグスリノキがありました。
慈眼寺のメグスリノキ(左の紅葉している木です。)
(慈眼寺HPより)
ここは、秩父三十四か所霊場の第13番霊場としても知られていますが、境内に植えられていて、納経所で
メグスリノキの樹皮のエキスから作られたお茶をいただくことができます。
さらに、右手には通称 “あめ薬師” と呼ばれている薬師如来が安置されている薬師堂 “瑠璃殿” があります。
やはり、眼の神様として目の健康にご利益があるといわれています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます