蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

米ぬか  (bon)

2019-06-06 | 日々雑感、散策、旅行

 米ぬかといえば、蓼科の畑で肥料として大量に使用するほか、家庭では小さな“ぬか床”
と春先に何度か“タケノコ”のあく抜きに使うほかは、殆ど目にすることはありません。

 ところが、健康冊子(サプリメントを販売する会社の)に、米ぬかが取り上げられていて、
米の95%の栄養は米ぬかにあるというのです。さらに、食材として以外の利用もあるという
ので、ネットなども参考に「米ぬか」に漬かってみました。

        米ぬか
             (ネット画像より)

 ウイキペディアに、米ぬかは『 単品では使用されることが少なく、油分が多いことから
油(米ぬか油)を絞る、あるいは栄養価が高いことから漬物の一種である ぬか漬けの「ぬ
か床(ぬかみそ)」として使用される。 精白せずに玄米や全粒粉といったかたちで、糠ご
と穀物を食べることもある。』とあり、その栄養価の一覧表を引用しました。

   
      

 

江戸わずらい」江戸時代(第4代徳川家綱の頃)から、玄米を白米にして食べる習慣が広
まった結果、参勤交代で江戸に来た武士が“なぜか江戸に来ると体調が悪くなる”といわれ、
これを「江戸わずらい」といわれているのですが、白米にして米ぬか部分を食べなくなった
ためにビタミンB1が欠乏し「脚気」になる人が増えたのでした。

 脚気は、その後も日本では深刻な問題で、明治末頃には「脚気で死亡する人は、毎年1万
人におよぶ」とあり、昭和になっても依然として脚気の問題があったのでしょう。 私も
子供の頃に身体検査の時、膝を 先にゴムが付いた棒で、コツンとたたいて、脚が反応すれ
ばOK(脚気ではない)なんてことを覚えています。

 白米を食べることによるこの問題は、とくに日本海軍での脚気問題が有名です。 長期間
船内にいる海軍兵士が脚気に陥る問題が明らかになり、大日本帝国海軍軍医の高木兼寛は、
その原因は食品に問題アリとして洋食・麦飯を提案し、発症率を23.1%から2年で1%に減じ
たのですが、当時の医学界は理論的根拠がないと反発し、理論を重視したドイツ医学をおさ
めた森鴎外も批判したとあります。 白米を規則とする陸軍も同じく脚気の惨害に見舞われ
ていたのです。

 当時、ビタミンB1 の存在が発見されていなかったことにその理由がありますが、ビタミン
B1 が発見された後も、一般人には脚気は難病だったようです。 それは、ビタミンB1製造を
天然物質から抽出していたため、高価だったことなどが理由だそうです。

 京都大学と武田薬品工業の共同研究で、1952年(昭和27年)に「ニンニクB1」が発表され
たのです。これはニンニクの成分アリシンがB1(チアミン)に作用してできる新物質であり
「アリチアミン」と命名され、体内でB1に戻り、さらに腸管からの吸収がきわめて良い特性が
得られることが判明したとあり、その後、昭和29年に「アリナミン錠」が発売されたのでした。

 
 ウイキペディアに 『1968年(昭和43年)までに11種類のB1新誘導体が発売されたのである。
アリナミンとその類似品の浸透により、手の打ちどころがなかった潜在性脚気が退治される
こととなった。国民の脚気死亡者は、1950年(昭和25年)3,968人、で5年ごとに1,126人、350
人、92人と減少した。』とありました。

     

 米ぬかの栄養の他に、さまざまな利用がなされていて、最近では驚くべき部分にも活用され
ているのです。

  
 合成洗剤が普及するまで米ぬかは洗剤として広く用いられていたのです。そういえば子供の
頃、布で袋を作りその中に糠を入れてお風呂で顔を洗った記憶があります。洗剤としての効果
だけでなく、米ぬかに含まれるオリザノールという糠油によって水分の蒸発を防ぐ役割があり、
美容にも良いそうです。

 
 家畜や家禽の飼料に配合されることがあるほか、キノコ栽培の重要な資材にもなっている
そうです。

 近年では脱脂した米ぬかを原料するRB(Rice Bran:米ぬか)セラミックが開発され、軽量で
高い強度と硬度を持ち、優れた耐摩耗性、低摩擦特性があるため無潤滑のすべり軸受けなどに
利用され、すばる望遠鏡 の赤外線分析装置の可動部にも採用されている、とありました。

 その他にもゴムに混ぜる事でウェット面でも耐滑性が得られる事からRBセラミックをゴム底
に配合した靴やトレッドゴムに配合した自転車用タイヤなどが製品化されているそうです。

 また、特に小麦ふすまを「ブラン」と呼んで健康食品等に利用する例も増えてきているよ
うです。

 普通、糠といえば「米糠」を指す場合が多いですが、大麦の糠は「麦糠」、小麦の糠は「ふ
すま(麬)」といい、このふすまを「ブラン」と呼んで、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど
の栄養素が含まれている点が見直されて
健康食品等に利用される例が増えているとあります。
 そういえば最近、パンやドーナツに「ブラン」入りと表示されているのを見かけます。

      

 最後に、糟糠の妻 という言葉があります。
 糟糠は、酒かすと米ぬか・・転じて粗末な食物を意味し、このような粗末なものを食べる
生活を共にしてきた妻であるとの意ですね。

 

 

 

Andrea Bocelli - La Vie En Rose ft. Edith Piaf

 

 

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ムサシトミヨ  (bon) | トップ | 水リスクとSDGs  (bon) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日々雑感、散策、旅行」カテゴリの最新記事