引き続き、熊楠ゆかりの地を訪ねて歩きます。途中で見つけたナイスな廃墟。
何年くらい無人だとこれくらいになるのでしょうか~。
ここも合祀政策で失われようとしていたところを熊楠が救った神社です。
たしかに住宅街にあって自然豊かなところです。森に囲まれて少し高い所にある。
それだけ神聖な雰囲気に満ちている空気感。やはり一歩一歩階段を上がって、俗世間
から離れてゆくという距離感が大事なのでしょう。
御神木も立派だぞ。
「猿神さん」というそうです。猿は古くから山王権現(この神社もこう呼ばれたりして
います)の神使いであり、この神猿を「まさる」と呼んで、「魔が去る」として縁起の
いいものとされてきたそうです。オヤジギャグ?
誰もいないので、パンパンしました^^;
この田辺湾に浮かぶ何でもないような島が、「神島(かしま)」と呼ばれ、熊楠ファンに
とっては大事なところ。
この島の自然が失われようとしたとき、熊楠はその重要性を叫び、保全運動を展開し、
県指定の天然記念物にとなったのです。そして昭和天皇がここで植物調査をしたとき、
熊楠は招かれて天皇に御進講をするという名誉に与ったのです。
熊楠は英国の科学雑誌に何度も論文が載るほどの優秀な学者でしたが、学校を卒業して
学位をとったり、公の大学や研究所に所属することもなく、生涯ひとりで研究活動を
していました。変わり者で、その偉大なる博識を知らずにバカにする人たちもいましたが、
なんと天皇にじきじきに講義をするというのを聞いたとき、その人たちはどれだけ驚いた
ことでしょうか。
その神島が見えるところに、ひっそりと碑が立っていました。