さて田辺は夜の繁華街が賑やかだ。一軒目はオーソドックスに赤提灯。
なかなかの人気店で、開店後しばらくすると満席に。お隣は西洋人のカップルで、
英語メニューを一生懸命読んでいる。田辺でもインバウンドが増えているのか。
「薄造り」というメニューがあったので聞いてみたら、鯛を薄~く切ったものだという。
まるでフグみたいだね。一周するのにお銚子2本は必要だ。イタリアで並んだエビの
グリルを一周食べるのに、もしくは生ハムが大皿で敷き詰められているのを片付ける
のに、ワイン一本必要なのと同じだな^^
うら寂れた店のカウンターでゆっくりするのに慣れているせいか、満席でワイワイ
した店で飲んでいると疲れてくる。長居は無用と町を彷徨う。
ちらほら夜の店は開き始めているが、まだちょっと時間が早いか。
情報なしのため、ぐるりと繁華街を一周。寂れた雰囲気の店を探そう。
あまりピンとくるところがなく、とりあえずは開いているスナックに入ってみる。
中はどんなだかわからんところが面白いとゆーかw
人気店らしく、そのうち常連のおっちゃんたちでここも一杯になった。くだらない話で
盛り上がる。そのうちに隣のおっちゃんがひとりを指さして、「こいつ宝くじ当たり
やがってよー!」とルサンチマンの一声を上げる。「いくらですか?」と俺。「800万!」
「すげー!!!」当たったというおっちゃんは気まずい顔をする。宝くじに当たったら
絶対に誰にも言わないというのが鉄則なのになあ。
みんなで出し合って一緒に買ったんだよ。
え?それだったら分けなそうだろォーー!!!
当たったというおっちゃんはますます気まずい顔をする。
そこでママさんは「それってずっと前の話なのよ^^」と間に入る。
「え、いつ頃の話?」
「20年も前の話!」
20年経っても恨みを言われ続け、おそらくはこれからもずっとでしょう^^;
例によってこちらが旅のもんだという話になり、次の店の話になり、「町のレジェンド、
最長老のお店があったら行きたいな」という話をすると、「それなら俺が知っている。
よし、連れて行こう」とおっしゃるので、「いやわざわざそれは申し訳ない。店の
名前とだいたいの場所をいやいま一緒に行くからっ!!!」
というわけで、こちら「ゆみ」まで連れてきてくれました。ドアをOPENすると、
期待通りの繁華街最長老ワンオペの生きた郷土資料館、語り部ワンダーランド。
いやあ、楽しく田辺の裏歴史を語って頂きました。3軒目で、ちとヘロヘロになって
いましたが(6時間越え)、なんとかつぶれずにお相手をして頂きました。お会計が
1200円だったのを覚えています。贅沢な貸し切り(結果的に)でした(^益^)w