鎌倉時代、寛元元年(1243)に創建された浄土宗関東大本山、鎌倉四大寺の一つとされる「天照山光明寺」。歴史や文化財という視点からもとしても本堂をはじめとする諸堂宇は見応がある。建物以外に境内を彩る四季の花々、中でも「記主庭園」の池に植えられているハスである。当寺の院号は「蓮華院」とハスに関係がある。境内の池には大賀ハス「古代ハス」、きんずいれん(紅蓮)、ソクヒレン(即非蓮)、オウレン(黄蓮)、ショウニンハス(聖人蓮)などの300株が植えられており開花した時の美しさは一言では言い表せない。神秘的、満ち満ちた気品ある花とでも。蓮は仏の智慧や慈悲の象徴とされている。如来像の台座には蓮華がかたどられ「蓮華座」といわれる。極楽浄土に往生し蓮の花の上に生まれ変わって身を託すという思想から「一蓮托生」の語源ともなっている。このハスを主役とした「2017 観蓮会」が7/22と7/23の2日間催される。まだ蕾の段階であるが大きく膨らみ今にも花開きそうである。当日は本堂の左回廊から開山堂へと繋がる廊下からの観蓮となる。抹茶や御茶菓子がふるまわれ、蓮の葉に日本酒を注ぎ茎の切り口から飲む「象鼻杯」も行われる。記主庭園の「大聖閣」では抹茶席が設けられ二階の阿弥陀三尊像も拝観も可能とのこと。また翌2日目の夕刻からはハスの花咲く記主庭園で演奏会や朗読会を楽しむ「浄土蓮想」が催され、夕暮れ頃には参道の提灯に明かりが灯されて「献燈会法要」が執り行われる。当寺は「かながわの花の名所100選」に選ばれたハスの花の名所である。(1706)






