渋谷区に浄土宗の寺院「大宝山竜泉院長安寺」はある。創建は寛文5年(1665)。開基は品誉長悦で当初赤坂に創建後、年代は不詳ながら原宿村に移転した。明治維新後、当寺の寺子屋児童などが収容されて当寺向かいに隠原小学校が開校した。本尊は阿弥陀如来(木彫りの立像)。原宿の高台に位置し後背には外苑西通りがあり、住宅街の一角に「寺号標」(寺門)が構えられその「正面」に本堂がある。当寺の地蔵尊は大和矢田寺の僧満米の作で世に「満米地蔵」として信仰すれば米の尽きることないと著名であった。江戸時代相当に栄えた寺らしく「長安寺の赤門」は著名であった。墓所には江戸時代の狂歌師・亀玉堂亀玉の墓がある。本堂前には唯一真っ黄色の花「エンゼルトランペット」が咲き境内を彩っていた。(1908)