前回の芥川賞が図書館の棚に転がっていたので読んでみました(たいていの図書館ではまだ予約数ヶ月待ちだと思うんですが)。
表題作は脚本家志望を持ちつつうまくいかず自販機の補充のバイトをする夫と編集者志望で雑誌編集の仕事に就きながらやめた妻が次第にすれ違っていき、不倫・離婚に至る夫婦の模様をバイト先の同僚との人間模様を絡ませつつ描いたもの。うーん、いかにもありそうって夫婦生活の機微を描いてしみじみとした読み物に仕上がっています。傑作かとか新鮮さはといわれると、つまり「芥川賞?」って聞かれると、どうかなあって思いますけど。
カップリングされた短編「貝からみる風景」は今のところうまくいっている夫婦の生活の機微って感じ。
破綻した方にしてもうまくいっている方にしても、夫婦関係の話を並べられたら、ちょっと妻は困るでしょうね。芥川賞受賞の時の取材で妻(角田光代)が「受賞作は読んでませんけど」って答えていたのは、むべなるかな。
伊藤たかみ 文藝春秋 2006年8月30日発行
表題作は脚本家志望を持ちつつうまくいかず自販機の補充のバイトをする夫と編集者志望で雑誌編集の仕事に就きながらやめた妻が次第にすれ違っていき、不倫・離婚に至る夫婦の模様をバイト先の同僚との人間模様を絡ませつつ描いたもの。うーん、いかにもありそうって夫婦生活の機微を描いてしみじみとした読み物に仕上がっています。傑作かとか新鮮さはといわれると、つまり「芥川賞?」って聞かれると、どうかなあって思いますけど。
カップリングされた短編「貝からみる風景」は今のところうまくいっている夫婦の生活の機微って感じ。
破綻した方にしてもうまくいっている方にしても、夫婦関係の話を並べられたら、ちょっと妻は困るでしょうね。芥川賞受賞の時の取材で妻(角田光代)が「受賞作は読んでませんけど」って答えていたのは、むべなるかな。
伊藤たかみ 文藝春秋 2006年8月30日発行