現代の子どもがおかれているストレスと不安から来る危機にどう対処するかというテーマの本。
不況やリストラで親たちの幸福の図式が崩れ、親が自信を失い不安を持っている状況で子どもたちは親たちの不安を感じ取っているという指摘に始まり、核家族化とそれに伴うおじいちゃんおばあちゃんや兄弟、近所のおじさんおばさんとのコミュニケーションの喪失、メディアの変化、インターネット、ゲーム、ケータイの普及等の環境の変化から、知識は増えたが実体験は減りバーチャルな世界観が・・・というマスコミでよく聞く「原因」が語られています。子どもの発達年齢は昔の7掛け、30歳になってようやく一人前(21~24頁)というのは、「今時の若者は・・・」って論調にも聞こえます。
どう対処するかというのがテーマですが、もちろん、簡単な答はありません。「頑張れ」というのは自信のない子には逆効果(88~89頁)、よその子と比較しない(90頁)、期待水準を上げすぎないというあたりが、現実的な対処法ということでしょうか。終盤で、日本ではちょっとはずれた者を「治そう」としがちだが、適応できればいいと考えるべき(231頁)と指摘しているのが、ホッとします。
古荘純一 祥伝社新書 2007年1月5日発行
不況やリストラで親たちの幸福の図式が崩れ、親が自信を失い不安を持っている状況で子どもたちは親たちの不安を感じ取っているという指摘に始まり、核家族化とそれに伴うおじいちゃんおばあちゃんや兄弟、近所のおじさんおばさんとのコミュニケーションの喪失、メディアの変化、インターネット、ゲーム、ケータイの普及等の環境の変化から、知識は増えたが実体験は減りバーチャルな世界観が・・・というマスコミでよく聞く「原因」が語られています。子どもの発達年齢は昔の7掛け、30歳になってようやく一人前(21~24頁)というのは、「今時の若者は・・・」って論調にも聞こえます。
どう対処するかというのがテーマですが、もちろん、簡単な答はありません。「頑張れ」というのは自信のない子には逆効果(88~89頁)、よその子と比較しない(90頁)、期待水準を上げすぎないというあたりが、現実的な対処法ということでしょうか。終盤で、日本ではちょっとはずれた者を「治そう」としがちだが、適応できればいいと考えるべき(231頁)と指摘しているのが、ホッとします。
古荘純一 祥伝社新書 2007年1月5日発行