伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ゴヤ

2007-02-24 09:13:42 | 人文・社会科学系
 スペインの画家ゴヤの解説付き画集。
 ゴヤは宮廷画家として成功し、作品の多くは貴族の肖像画です。しかし、ナポレオン戦争後のフランスからの独立戦争を描いた戦争画では民衆が主人公となっていますし、貴族のために書いた絵でも時々民衆の労働がテーマになったりしています。貴族を描いた絵の方がテクニックとしてはきれいに書かれていて民衆を書くときはラフなタッチが多いように感じます。そのあたりは意図的に使い分けているんでしょうか。


大保二郎 小学館(西洋絵画の巨匠シリーズ) 2006年11月10日発行
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フェルメール

2007-02-24 09:13:12 | 人文・社会科学系
 17世紀のオランダの画家フェルメールの解説付き画集。
 フェルメールは寡作の画家で作品として知られているのは三十数点ですから、さすがに全部収録されているようです(本では全部とは宣言していませんが)。
 フェルメールの絵は、テーマへの共感とかは感じませんし、人物の表情もどこかキリッとしないのですが、描写力、特に光の使い方の巧さに感心します。17世紀の油絵ということもあってか、ひびが多数走っているのが残念というか、痛々しいんですけどね。特に人物画で顔がひびだらけなのは。
 これまで人物画しかみていなかったのですが、風景画の「デルフトの眺望」もいい絵です。
 室内画は、並べてみると、ほとんどが窓の位置、家具の配置、壁の絵の位置一緒です。同じアトリエでそのまんまの構図で書いているんでしょうね。
 描写の技巧でいうと、今回初めて見たんですが、対比のために86頁で紹介されている同時代のオランダの画家ハブリエル・メッツーの方がうまい。こちらの画集も探してみようかな。


尾崎彰宏 小学館西洋絵画の巨匠シリーズ 2006年7月10日発行
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ふれていたい

2007-02-24 08:59:22 | 小説
 19歳の元フィギュアスケート選手(15歳で世界選手権5位だって)佐藤可南子が、元ペアの流との想い出を引きずりつつ、粗雑で包容力のある関西弁水泳選手宗治との交際を進める乙女チック純情恋愛小説。
 純愛路線というより純情路線というべき、少女漫画でホッペに横線と汗、まわりに花とか猫とかが泳いでいそうな、純情な10代少女のときめきという線でまとめられています。
 京都の大学に行って別れた流とバリ島で再会するとか、いかにもの設定で、バリ島で帰国する日に何時間もかけてバスに乗って会いに行く(普通にはこういうのは執念とか意地の領域でしょ)のに雨が降り続ければ会えない・だから降りやまないで、会いに行くのに迷いはなかった「なぜなら、雨がやんだから」(185~187頁)とか(スコールなんだから当然30分も降ればやむでしょ)、白々しい言い訳したり、付いていけないなと思いますが。まあ、かっこいい流君は実のところ引き立て役で、どっちかというと風采の上がらない関西人が恋の勝者になるのは、ちょっと溜飲が下がりますが。
 それにしても、こういう純情小説を書く人って若いのかと思ったら、私より年上ってビックリ。職人的に書いてるんでしょうね・・・。もっとも、若い作者だったら、こんな純情な行動とらせないでさっさと両方とHさせてるか・・・


小手鞠るい 求龍堂 2006年12月4日発行
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