伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

「退化」の進化学

2007-02-20 08:14:13 | 自然科学・工学系
 人間が他の動物から進化する際に他の動物のどの器官を捨ててきたか、つまり退化させてきたかを論じることで進化の道筋を解説する本。
 耳は、耳骨はあごの骨、耳管は鰓から発達したとかはわりと有名ですが、鎖骨は魚のカマの名残とか、知りませんでした。咀嚼器官の発達が様々に影響していて、歯の分化、臼歯の発達で咀嚼することができるようになってエネルギー効率がよくなり恒温動物化したとか。頭蓋骨にあいている眼窩の上の突起の形も咀嚼時に上あごにかかる力が分散しやすいように変わってきたそうです(158頁)。頭蓋骨は生まれるときに産道を通りやすいように6枚の骨でできていて子どもの頃は隙間が空いているのは知っていましたが、次第に癒合していきすべての骨が癒合するのは80歳頃だそうです(80頁)。
 いろいろと知らないことが多く勉強になりました。広く浅く書いているので1つ1つのことは、食い足りない気もしましたし、どうしてだかわかっていないことも多いようですけど。


犬塚則久 講談社ブルーバックス 2006年12月20日発行
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