伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

公務員の窓口・電話応対ハンドブック

2013-03-04 22:40:51 | 実用書・ビジネス書
 公務員が窓口で訪問者への応対をするときや電話で応対するときの対処法について説明した本。
 窓口では応対を始める前から見られている(休憩時間も気を抜くな、職員間の会話にも気をつけろ)、表情や話し方・声の大きさ・トーンや態度(肘をつくな、足を組むな)・身だしなみ等の第一印象の重要性、1人1人が役所の顔だという意識など、客の目線を使用者側から意識したアドヴァイスが最初に置かれ、重要視されています。それ自体は、客への影響という観点からは正しい指摘ですが、労働者に対する労働と管理の強化でもありますし、顧客の苦情をうわべの印象と労働者の奉仕で緩和しろという使用者側の要請でもあります。
 顧客の苦情自体については、「公平・誠実な対応」とはいうものの要するに基本的に役所が決めたことは断固として押し通すということで、妥協はせず、丁寧に説明して諦めさせろということになっています。窓口としては、誤解を与えない(むしろ言質を与えないでしょうね)ということに努め、あとは客が気を悪くしないようにという点を言い方や態度について事細かに指示しているというように、私には読めました。
 言い方や態度で無用の反感を買ったり顧客の不快感を増すことはあります(現にそういう態度の人は少なからず見受けます)から、それをなくすということは、役所にとっても企業にとっても、そして顧客の側にとっても、有益なこととは思いますが、そこが重視されることは、慇懃無礼な役人の作法を完成させるだけという気もします。


関根健夫、鈴鹿絹代 学陽書房 2013年1月25日発行
コメント
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