過労死防止法の制定を求めるグループがシンポジウムでの発言等をまとめて過労死について問題提起する本。
休まず働くことを美徳とする日本社会で作られた道徳観への疑問や、一方で非正規雇用の増加や「サービス残業」により労働時間が統計上は減少していながら現実にはリストラや就職難を背景に正社員は過酷な長時間労働を強いられ職場の精神的ストレスも強くなって過労自殺が増えているという状況が解説され、労働時間規制があっても36協定(労働基準法36条により労使間で協定をすると法定労働時間を超えて労働させられる制度)により骨抜きにされたり不払残業がまかり通るなどの労働関係法規の違反への制裁が実効的になされない現状への問題提起から過労死防止法の制定を求めるアピールにつながっています。
「日本海庄や」の従業員の過労死や「和民」の従業員の過労自殺の事例とそれに対する使用者の冷酷さが紹介され(24~28ページ)、遺族の悔しさに涙しますし、こういった企業への対処は考えさせられます(個人的には、利用は避けています。もっともほかの居酒屋も似たり寄ったりかもしれないとは思いますけど)。
森岡孝二編 岩波ブックレット 2012年12月6日発行
休まず働くことを美徳とする日本社会で作られた道徳観への疑問や、一方で非正規雇用の増加や「サービス残業」により労働時間が統計上は減少していながら現実にはリストラや就職難を背景に正社員は過酷な長時間労働を強いられ職場の精神的ストレスも強くなって過労自殺が増えているという状況が解説され、労働時間規制があっても36協定(労働基準法36条により労使間で協定をすると法定労働時間を超えて労働させられる制度)により骨抜きにされたり不払残業がまかり通るなどの労働関係法規の違反への制裁が実効的になされない現状への問題提起から過労死防止法の制定を求めるアピールにつながっています。
「日本海庄や」の従業員の過労死や「和民」の従業員の過労自殺の事例とそれに対する使用者の冷酷さが紹介され(24~28ページ)、遺族の悔しさに涙しますし、こういった企業への対処は考えさせられます(個人的には、利用は避けています。もっともほかの居酒屋も似たり寄ったりかもしれないとは思いますけど)。
森岡孝二編 岩波ブックレット 2012年12月6日発行