職場で50過ぎのおばちゃんから影が薄くてセクシーじゃないと断言されてしょぼくれる42歳独身の榎又辰彦が、札幌で広告代理店で働いていた時代に撮影で立ち会ったことがあるデパートの契約社員23歳の吉田苑美から知らぬ間に一目惚れされる中年恋愛小説。
最初の章が榎又が話者で、次の章が吉田が話者なので、その後交互に続くかと思ったら、ずっと吉田が話者の章が続き、おいおいとかあれあれとか思います。
前のめりになり、ストーカーまがいののぼせ方をする吉田を、親友の重量級の前田と軽量級のりえぽんが抑えたりすかしたりのバランスが読みどころかと思いました。
23歳処女に憧れられ入れあげられた榎又さんの力の抜けたマイペースさ加減というかマメになれないというかずぼらさというかは、元々が「影が薄い」と評価される42歳男としてはそんなもんだろうなぁと思いますが、それに対する吉田の思いを見ると…あぁそうだよね、人の振り見てわが振り直せだなぁと、ちょっと背筋を伸ばしてしまったりします。
朝倉かすみ 新潮社 2012年5月20日発行
最初の章が榎又が話者で、次の章が吉田が話者なので、その後交互に続くかと思ったら、ずっと吉田が話者の章が続き、おいおいとかあれあれとか思います。
前のめりになり、ストーカーまがいののぼせ方をする吉田を、親友の重量級の前田と軽量級のりえぽんが抑えたりすかしたりのバランスが読みどころかと思いました。
23歳処女に憧れられ入れあげられた榎又さんの力の抜けたマイペースさ加減というかマメになれないというかずぼらさというかは、元々が「影が薄い」と評価される42歳男としてはそんなもんだろうなぁと思いますが、それに対する吉田の思いを見ると…あぁそうだよね、人の振り見てわが振り直せだなぁと、ちょっと背筋を伸ばしてしまったりします。
朝倉かすみ 新潮社 2012年5月20日発行