あれこれ考えずに素直にできることをまずとにかくやってみる、今を一生懸命生きようという基本線の人生論エッセイ。
タイトルと「はじめに」(目次でははじめにになっていますが、該当箇所にはじめにとは書かれてないんですけど)の詩のような形の「二割できれば、充分なんだよ」では、人間には完全ということはない、「すべてを求めるのは不可能だし、いけないことなんだ」「あのメジャーリーガーのイチロー選手ですら、三割を良い形で残すことに苦心している。だから私たち常人は、二割もできればOKなんだ」「だから自分を見失ったり、自信をなくしたりしなくていい。誰でも何かしらの意味を持って生まれ、こうやって毎日を生きている。この世に必要ない人間なんて、一人もいないんだ。」(13~16ページ)なんてされていて、おぉ相田みつをかこれはと思いましたが、それはおいても、これがこの本の基本線かなと思います。でも、その後はあまりその基本線の話が出て来ない感じです。
「心の中に子供を置く」(今自分がしていること、しようとしていることは、自分の子どもに見せて恥ずかしくないかをいつも問う)という話(52~55ページ)とか、「未来の子供から、今を預かっている」(先祖から引き継がれていることよりも、今の自分たちの行動が子どもたちの未来を決めることを意識すべき)という話(216~217ページ)とかは、ちょっと心に染みます。
全体として、標語と短い説明で構成され、一つ一つはそれなりにいいかなと思うところもあるのですが、流れというか統一感が今ひとつ感じられませんでした。著者のプロフィールで、生命の危険すら伴う裏麻雀の世界で超人的な強さを誇り雀鬼の異名を取ったとされていることから期待されるような毒のある話はなく、どちらかと言えばきれいな普通の人生のあり方論が続いているのがやや期待外れでした。
桜井章一 竹書房新書 2013年5月21日発行
タイトルと「はじめに」(目次でははじめにになっていますが、該当箇所にはじめにとは書かれてないんですけど)の詩のような形の「二割できれば、充分なんだよ」では、人間には完全ということはない、「すべてを求めるのは不可能だし、いけないことなんだ」「あのメジャーリーガーのイチロー選手ですら、三割を良い形で残すことに苦心している。だから私たち常人は、二割もできればOKなんだ」「だから自分を見失ったり、自信をなくしたりしなくていい。誰でも何かしらの意味を持って生まれ、こうやって毎日を生きている。この世に必要ない人間なんて、一人もいないんだ。」(13~16ページ)なんてされていて、おぉ相田みつをかこれはと思いましたが、それはおいても、これがこの本の基本線かなと思います。でも、その後はあまりその基本線の話が出て来ない感じです。
「心の中に子供を置く」(今自分がしていること、しようとしていることは、自分の子どもに見せて恥ずかしくないかをいつも問う)という話(52~55ページ)とか、「未来の子供から、今を預かっている」(先祖から引き継がれていることよりも、今の自分たちの行動が子どもたちの未来を決めることを意識すべき)という話(216~217ページ)とかは、ちょっと心に染みます。
全体として、標語と短い説明で構成され、一つ一つはそれなりにいいかなと思うところもあるのですが、流れというか統一感が今ひとつ感じられませんでした。著者のプロフィールで、生命の危険すら伴う裏麻雀の世界で超人的な強さを誇り雀鬼の異名を取ったとされていることから期待されるような毒のある話はなく、どちらかと言えばきれいな普通の人生のあり方論が続いているのがやや期待外れでした。
桜井章一 竹書房新書 2013年5月21日発行