伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ニセモノ食品の正体と見分け方

2014-05-13 22:14:39 | 実用書・ビジネス書
 スーパーで販売されたり飲食店で使われている一般的な食材の成分、製法、表示等について解説した本。
 例えば人工霜降り肉は食肉用軟化剤と和牛牛脂をショ糖エステルなどの乳化剤を用いて乳化させ、40~50℃という肉質が変化するギリギリの温度管理で牛肉に注入してボールのように膨らませて加工したもの(17ページ)などと製法や成分が解説されています。そういうことを解説しつつ、「環境面を考えると食肉用油の廃棄量を減らして、安価なオージービーフなどを和牛のように味わうことができる優れた調理法のひとつ」(同)などと、ニセモノ食品の効用をも指摘しているあたりに、この本のスタンスが表れています。
 養殖マグロは大トロ部位が3割、中トロ部位が残りの6割近くという超メタボ(51ページ)、安売りホッケは人工霜降り肉同様に大量の味付け調味料や保存料、油を剣山のような注射器で注入し短時間で高温で炙り処理したもの(54~55ページ)、人工イクラは魚由来のものを一切使わずに本物とまったく遜色のない味を出していてプロも欺かれる、見分けるには味ではなくお湯につけて白濁する(天然)か溶けてしまう(人工)かで見るべき(75ページ)、外国産松茸は輸入時に徹底洗浄されるので香りはほとんど消し飛び松茸香料をスプレーして香りを付けている(78~79ページ)、みりん風調味料は色の付いたガムシロップで、料理のレシピで本みりんの分量でみりん風調味料を使うと実際のみりんよりはるかに甘いせいで味が台無しになる(162~163ページ)など、興味深い話が多数ありました。


中川基 宝島文庫 2014年1月23日発行 (別冊宝島:2012年11月)
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