伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

虹色のコーラス

2017-07-19 21:12:42 | 小説
 バルセロナの移民集住地域の荒廃した小学校に、定年2年前に突如異動を命じられたフランス人音楽教師ジョルジェット・コリニョンが、他の教師のように子どもたちに高圧的に振る舞うのではなく、優しい声で物語を語り頑張った子は大いに褒め教室で美しい音楽を聴かせ、子どもたちの問題を解決するためにあちこちと掛け合い、次第に子どもたちの心を捉えていき、受け持ちのクラスでコーラス隊を結成して練習を始めたが、心臓が弱っているために入院することになり、病状が思わしくないことを聞きつけた子どもたちがコリニョン先生のためにサプライズ・コンサートを開くと決意し、教師や親たちを始め周囲の大人たちを巻き込んで計画を進めていくという小説。
 コリニョン先生の若き日に別れた元彼が世界的なピアニストで今も世界を股にかけて活躍中とか、クラスで埋もれていたディスレクシア(読字障害)のミレイアが一流オペラ歌手並みの幅広い音域と美声を持つ天才だということがわかったとか、ちょっと作りすぎのところはありますが、褒めて伸ばす子どもに理解のある熱心な教師の物語、落ちこぼれと見られてきた子どもたちの奮起と成長の物語として、共感でき、手軽で読後感のいい読み物だと思います。


原題:La pequena coral de la senorita Collignon
リュイス・プラッツ 訳:寺田真理子
西村書店 2017年5月3日発行 (原書は2012年)
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