伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

みんな、ひとりぼっちじゃないんだよ

2017-07-02 17:10:20 | エッセイ
 悩んだとき、落ち込んだときに、気持ちを切り替え、見方を変えて、また頑張ろうと思えるような「ひと言」とその説明を見開き2ページでつづるショート・エッセイ。
 私が強く感銘を受けたのは、次の2つの項目です。著者は、「心躍る日々はあなたにしか創れない」(120ページ)と題して、「同じ環境にいても、ハツラツとしている人とそうでない人がいる。それは、その人のときめきはその人にしか生み出せないからだ。自分で自分の心に火をつけない限り、人生は絶対におもしろくならない!」と述べた上で、そのために「義理のお付き合いを断る」「先のことを心配して過ごさない」の2つを実行した、その代わりに今やりたいことを気の済むまでやったら、あっという間にウキウキするおもしろい人生になった(121ページ)と語っています。著者は、局アナをやめてフリーランスになった後仕事をもらうのに放送局を回った経験を吐露し、「仕事をもらうために自分ができることは、あの人に依頼したいと思われる実力をつけることだけだ」と痛切に感じたとも述べています(109ページ)。個人自営業者として、前者の義理のお付き合いは断るとか先のことを心配して過ごさないというのは、なかなかハードルが高く、後者は至言ではありますがなかなかに厳しいものを感じます。私には、個人自営業者(フリーランス)経験を持つ著者がそれを語ることの重さが感じられ、そういう項目に味わいがあるように思えました。


宇佐美百合子 幻冬舎文庫 2017年2月10日発行(単行本は2008年5月)
コメント
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