イタリア紀行がうまくまとめられないままになっている。どのように囲うか迷っているうちに忘れてしまいそうになっている。
訪れた順番に感想を書き続けようかと思ったが、うまくいかなかった。能力がないのでしょうがないと諦め、印象に残ったものからアットランダムに記述していくことにした。
第4回目の今回は、4日目に訪問したヴェネツィアで、自由行動となった日の午後に見学したサンジョルジョマッジョーレ教会を取り上げる。一番行きたかったところでもある。

サンジョルジョマッジョーレ教会は修道院を併設しており、同名の島のほとんどを占めている。島はとても小さいが、サンマルコ広場の傍にあるサンザッカーリアという水上バスの乗り場(2番)から最初の停泊地で5分もかからないで到着する。
自由行動なので、水上バス乗り場では身振り手振り切符を買い求めた。帰りのことなど考えずに‥。水上バスはどれも満員である。しかしこの島にはあまり人は訪れない。サンマルコ広場のごった返した観光客の喧騒からは離れて静かな教会である。
この教会はとても美しい。16世紀の建築家パッラーディオの設計で「水上の貴婦人」の異名があるというが頷ける。尖塔とドームと直方体の建物のバランスが美しい。
この尖塔からヴェネツィアの市街がとても美しく見える。是非訪れたい場所である。しかも人が少なく、尖塔も教会内部も静かに、じっくりと堪能できる。穴場である。

教会の内部は、落ち着いた感じで祈りの場としてもとても好ましい。何本もの蝋燭に照らされた絵や彫像が美しい。私のお目当てはティントレットの「最後の晩餐」である。

ティントレットはヴェロネーゼと並び16世紀ヴェネツィア派を代表する画家である。作風はティツィアーノやミケランジェロからの影響を受けながら形成されていったと教わった。引き伸ばされねじれた人体や、強い明暗などスペインのグレコにも通じるような画面である。ドラマティックな作風が特徴と教わった。生涯の殆どをヴェネツィアで過ごし、この街のために創作をおこなった。
この「最後の晩餐」は、晩年にサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会のために描かれた傑作といわれる。どの「最後の晩餐」でも強調されて描かれるのがユダの裏切りを指摘してするキリストとユダを含む使徒たちの驚きと動揺である。真正面から描かれることが通例のこの場面を、ティントレットは斜め上方向から描いたことで、また左上の灯火によって、より緊迫した臨場感が表現されている。私はこの灯火の下の中腰の男がユダだと感じたが当たっているだろうか。
実はこのブログに掲出した絵は、ネットからコピーしたものだ。実際の教会内部に掲げられている作品は、明かりで見にくく、写真でもうまく撮影できなかった。同じくティントレットの「マナの収穫」は気付かずに通り過ぎてしまったようだ。

この絵を鑑賞してから、尖塔に登ったのだが、たしかにヴェネツィアの街が美しい。街と反対側の修道院の庭もとても整然として美しかった。
またこのあと訪れたアカデミア美術館、訪れる時間が無かったがサンタマリアデッラサルーテ教会の大きなクーポラが美しかった。
アカデミア美術館は、水上バスでサンマルコ広場にもどり、アカデミア橋を渡って訪れた。途中ヴィヴァルディ博物館という地図にも案内にもない場所に出くわした。これは幸運であった。古いバイオリンやビオラダガンバなどがガラスケースに幾つも展示してある。私の知らない作者がずらっと並んでいたが、ガラスのケースの外だが、中央部にチェロが数台展示してあり、そのひとつが解説によるとなんと有名なアマティの作品である。チェロ自体はとても古く弾くことは難しいようだが、それでも値段のつかない貴重品のような気がした。この博物館内の楽器を全部集めたら、数億円いやもっとかもしれないとつまらないことも頭の中を駆け巡った。

(アカデミア橋から水上バス)
アカデミア橋を渡ってアカデミア美術館に入り、ここで日本語の音声ガイドを借りることが出来た。とても助かった。
カルパッチョ、ベッリーニ兄弟、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼなどの絵画の傑作を2時間近く堪能できた。本当はもう一日かけてじっくりと見たいのだが、体力的にもつらい。これだけの絵画と建築が溢れる街の歴史に圧倒された。
訪れた順番に感想を書き続けようかと思ったが、うまくいかなかった。能力がないのでしょうがないと諦め、印象に残ったものからアットランダムに記述していくことにした。
第4回目の今回は、4日目に訪問したヴェネツィアで、自由行動となった日の午後に見学したサンジョルジョマッジョーレ教会を取り上げる。一番行きたかったところでもある。

サンジョルジョマッジョーレ教会は修道院を併設しており、同名の島のほとんどを占めている。島はとても小さいが、サンマルコ広場の傍にあるサンザッカーリアという水上バスの乗り場(2番)から最初の停泊地で5分もかからないで到着する。
自由行動なので、水上バス乗り場では身振り手振り切符を買い求めた。帰りのことなど考えずに‥。水上バスはどれも満員である。しかしこの島にはあまり人は訪れない。サンマルコ広場のごった返した観光客の喧騒からは離れて静かな教会である。
この教会はとても美しい。16世紀の建築家パッラーディオの設計で「水上の貴婦人」の異名があるというが頷ける。尖塔とドームと直方体の建物のバランスが美しい。
この尖塔からヴェネツィアの市街がとても美しく見える。是非訪れたい場所である。しかも人が少なく、尖塔も教会内部も静かに、じっくりと堪能できる。穴場である。

教会の内部は、落ち着いた感じで祈りの場としてもとても好ましい。何本もの蝋燭に照らされた絵や彫像が美しい。私のお目当てはティントレットの「最後の晩餐」である。

ティントレットはヴェロネーゼと並び16世紀ヴェネツィア派を代表する画家である。作風はティツィアーノやミケランジェロからの影響を受けながら形成されていったと教わった。引き伸ばされねじれた人体や、強い明暗などスペインのグレコにも通じるような画面である。ドラマティックな作風が特徴と教わった。生涯の殆どをヴェネツィアで過ごし、この街のために創作をおこなった。
この「最後の晩餐」は、晩年にサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会のために描かれた傑作といわれる。どの「最後の晩餐」でも強調されて描かれるのがユダの裏切りを指摘してするキリストとユダを含む使徒たちの驚きと動揺である。真正面から描かれることが通例のこの場面を、ティントレットは斜め上方向から描いたことで、また左上の灯火によって、より緊迫した臨場感が表現されている。私はこの灯火の下の中腰の男がユダだと感じたが当たっているだろうか。
実はこのブログに掲出した絵は、ネットからコピーしたものだ。実際の教会内部に掲げられている作品は、明かりで見にくく、写真でもうまく撮影できなかった。同じくティントレットの「マナの収穫」は気付かずに通り過ぎてしまったようだ。

この絵を鑑賞してから、尖塔に登ったのだが、たしかにヴェネツィアの街が美しい。街と反対側の修道院の庭もとても整然として美しかった。
またこのあと訪れたアカデミア美術館、訪れる時間が無かったがサンタマリアデッラサルーテ教会の大きなクーポラが美しかった。
アカデミア美術館は、水上バスでサンマルコ広場にもどり、アカデミア橋を渡って訪れた。途中ヴィヴァルディ博物館という地図にも案内にもない場所に出くわした。これは幸運であった。古いバイオリンやビオラダガンバなどがガラスケースに幾つも展示してある。私の知らない作者がずらっと並んでいたが、ガラスのケースの外だが、中央部にチェロが数台展示してあり、そのひとつが解説によるとなんと有名なアマティの作品である。チェロ自体はとても古く弾くことは難しいようだが、それでも値段のつかない貴重品のような気がした。この博物館内の楽器を全部集めたら、数億円いやもっとかもしれないとつまらないことも頭の中を駆け巡った。

(アカデミア橋から水上バス)
アカデミア橋を渡ってアカデミア美術館に入り、ここで日本語の音声ガイドを借りることが出来た。とても助かった。
カルパッチョ、ベッリーニ兄弟、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼなどの絵画の傑作を2時間近く堪能できた。本当はもう一日かけてじっくりと見たいのだが、体力的にもつらい。これだけの絵画と建築が溢れる街の歴史に圧倒された。