Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

ブラームス「ホルン三重奏曲&クラリネット三重奏曲」

2015年05月08日 22時03分00秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 このCDは昨年10月に購入したばかりである。昨年聴いた感想を11月にアップしたが、それ以来聴いていなかった。
 先ほど思い出して棚から引っ張り出してきた。ホルン三重奏曲はブラームス30代初めの曲で、デビューが遅かったフラームスにしては初期の作品。一方クラリネット三重奏は最晩年の曲。このように両極端の曲が同一CDにおさまるのは珍しいことかもしれない。しかしブラームスの場合は、初期からすでに完成している。
 ホルンが好きな私には、ブラームスのたった1曲しかないホルンの曲は大切である。もっと早くから手元に置いておきたかった。

 昨年11月に私は、
「ホルンとヴァイオリンの組合せは私はどうしても想像できなかった。あまりに質の違う音がうまく噛みあうのだろうか。このふたつの音をピアノが結びつけられるのか、と思っていた。しかし実際に聞いてみると実によく合うものである。不思議な気分になった。第一楽章の冒頭から低音のヴァイオリンとホルンが絡み合って響いてくる。それに合わせるようにピアノが歌い始める。ここでヴァイオリンが高音の重音で絡み、さらにホルンが加わる。冒頭から私の危惧というか不安が解消されてしまった。」
と記載した。

ホルンとヴァイオリンの組合せ、確かに聴き慣れると心地よいハーモニーになっている。同時に前回記載しなかったが、第3楽章のホルンとヴァイオリン、ピアノの弱奏での掛け合い、これは聴きどころであった。この第3楽章、嵌ってしまいそうである。

 そしてクラリネット三重奏では、チェロの音が美しい。クラリネットとチェロの組み合わせは好ましい。音域が重なるがユニゾンになると、思った以上に響きに幅が出てくる。

横浜で震度2

2015年05月08日 17時28分46秒 | 天気と自然災害
 17時51分に地震が起きた。横浜の私の家のあたりで震度2。とても近距離の震源のような感じの鋭い揺れであった。思わず「箱根か?」と慌てたが、千葉県南部が震源であった。
 気象庁の発表では、発生は、16時51分頃地震、震源地は千葉県南部で、震源の深さは約50km、地震の規模はM3.5と推定。各地の震度は、横浜市神奈川区だけが震度2で、他の地域は震度1であったとのこと。
http://www.jma.go.jp/jp/quake/3/20150508165501395-081651.html

 深さが50キロと少々深いので、地上に到達する地表で距離では千葉と横浜ではそれほどの差はない。震度を規定するのはその間の地層の態様。地震波伝達速度もそれに規定される。

 さてこの時間、NHKはニュースの時間であったが、テロップすら流さない。伝えているニュースは「箱根」の地震、政府は風評被害払しょくのため旅行会社に「正確な情報の発信を要請した」等々の内容である。地元から政府にどのような申し入れがあったのかわからないが、マスコミとしてはそのようなニュースばかりでなく、「地震の正確な情報」を発信する責務がまずはあると思った次第である。
 これだけ箱根が注目されている以上、この地震に驚いた人は多いはずである。さいわい私のところには横浜市の防災情報のメールがすぐに来て、震源地は千葉県南部と明記されていた。箱根の活動とは無縁で、しかも深い震源とわかりとりあえずホッとした。

 地震の報道の在り方も、政府や県・町の対応にも私にはしっくりこないもの、もどかしさを感じる。それが危惧であることを切に願っている。


荘司福「到春賦」

2015年05月08日 17時02分35秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等


 5月1日に神奈川県立近代美術館葉山に出かけたときに、数少ないポストカードを見ていたら、荘司福「到春賦」(1987)を見つけた。残雪の中の水芭蕉であろうか。すぐに購入した。
 荘司福は宮城県立美術館で見て以来、気になっている日本画家である。仙台や東京・横浜に住んでいたとのことである。横浜美術館でポストカードを2枚を購入して、今年の1月23日に記事を掲載した。

   

 その時の作品は、「原生」(1984)と「春律」(1986)であった。特に私は「春律」に惹かれた。この2枚と並べると筆致も構図も確かに同じ画家の作品とすぐにわかる。
 惹かれた画家の作品のカードを購入するというのは図録を購入するよりもどこかわくわくするものがある。あくまでも複製のポストカードであるので、実際に現物を購入して独占しようとする衝動とは違うと思っているが、どこか共通点があるかもしれない。
 さて家に帰ってこの3枚のカードを眺めていたら、白い樹木と白い雲、白い岩、白い残雪、白い花、白がこの時期の作者の指向を読む解くキーであると思えた。そして白のグラデーションが3枚とも美しい。しかし最初に購入した2枚(横浜美術館所蔵)と今回購入した1枚、少し差があるように思えてきた。
 横浜美術館で購入した2枚の方が、私にはいい作品に思えてきた。「原生」は白樺かダケカンバと思われる木々が葉を落としているから冬の景色である。北海道の厳しい冬、川霧が覆っていて、張り詰めた冷たい空気が鑑賞者の周りにも寄せてくるようだ。「春律」も春の微かな予感を捉えているが、滝をおちる水が鮮烈な冷気を発し、白い巨大な岩がその冷気をいっそう冷たくしているような厳しさを感じる。
 今回の「到春賦」も残雪の沢に流れる冷たい水に水芭蕉が咲いているのだが、冷気よりも春の雪解け、温さに焦点が当たったいるように思える。春の作品であるためだろうが、自然のもつ厳しい表情というものがどこかに隠れてしまっている。私にとってはこのことが少々さびしく感じた。
 あくまでも私の好みなのだから、春の息吹、柔らかさに惹かれる鑑賞者もいるのが当然で、この方がいいというのも当然である。
 生意気を言わせてもらえば、私にはちょっと「甘く」感じる。温さが、構図と水芭蕉の散らばり方に隙を与えていないだろうか。水芭蕉の数か多過ぎるように思う。春の生気は、もう少し絞った数の花から漂ってくる方がいいのに、と私には思えた。そのためには同じ比重の樹木2本ではなく、どちらかの樹木を脇役として小さくするか、遠景に配した方がいいのではないか?
 そんなことを考えているうちに、ブログにアップする時期を失してしまった。再度横浜美術館で実際の作品を目にして見たいと思う。
 今度はどんな感想が湧いてくるであろうか。