昨日からブラームスのピアノ四重奏曲を聴いているが、3曲の内第3番に惹かれているのを感じている。昔は3曲、特にどれがいいということはなかった。何回か聴いているうちに不思議に第3番を聴いている。
構想されたのが同時期といっても、完成までに多くの時間がかかっているために若い頃の書法よりはより進化しているのであろう。
第1楽章の暗くくぐもったような出だし、そして浮かび上がってきそうですぐに水の底に潜ってしまうようなメロディーが続いていく。堂々巡りをしているようなもどかしさもある。
第2楽章はスケルツォでリズミカルなのだが、ヴァイオリンの高音に抜けるような明るさがない。長調に転調するトリオは明るい、と解説に記されているが私には明るさが無いうちに終わってしまうようなやるせなさを強調しているように思える。
第3楽章もまた第1楽章を引きづるようなチェロのソロが印象的である。ヴァイオリンとヴィオラに引き継ぐ旋律も弱音で陰鬱である。
第4楽章に至りようやくヴァイオリンの旋律にのびやかさが感じられるが、ピアノの伴奏によって打ち消される。ピアノの下降音階が沈潜的な雰囲気を強調している。
青春時代の総括というのは、明るく華やかなものとしては記憶に残るものなどない、ということがこれまでの私を規定してきたと思っている。記憶に残るのは暗く、混沌とした情念と、生そのものへの憎悪に近い苛立ちである。そんな情念を思い出させてくれる曲があるとそれに限りなく親近感を覚える。それが私のブラームスに対する一方的な思い入れであったとしても構わない。
多分第3番はそんな気分を醸し出してくれるから、他の2曲に比べて惹かれるのだと思う。それ以上の分析にはまだまだ時間がかかりそうだ。
構想されたのが同時期といっても、完成までに多くの時間がかかっているために若い頃の書法よりはより進化しているのであろう。
第1楽章の暗くくぐもったような出だし、そして浮かび上がってきそうですぐに水の底に潜ってしまうようなメロディーが続いていく。堂々巡りをしているようなもどかしさもある。
第2楽章はスケルツォでリズミカルなのだが、ヴァイオリンの高音に抜けるような明るさがない。長調に転調するトリオは明るい、と解説に記されているが私には明るさが無いうちに終わってしまうようなやるせなさを強調しているように思える。
第3楽章もまた第1楽章を引きづるようなチェロのソロが印象的である。ヴァイオリンとヴィオラに引き継ぐ旋律も弱音で陰鬱である。
第4楽章に至りようやくヴァイオリンの旋律にのびやかさが感じられるが、ピアノの伴奏によって打ち消される。ピアノの下降音階が沈潜的な雰囲気を強調している。
青春時代の総括というのは、明るく華やかなものとしては記憶に残るものなどない、ということがこれまでの私を規定してきたと思っている。記憶に残るのは暗く、混沌とした情念と、生そのものへの憎悪に近い苛立ちである。そんな情念を思い出させてくれる曲があるとそれに限りなく親近感を覚える。それが私のブラームスに対する一方的な思い入れであったとしても構わない。
多分第3番はそんな気分を醸し出してくれるから、他の2曲に比べて惹かれるのだと思う。それ以上の分析にはまだまだ時間がかかりそうだ。