Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

年度の変わり目といっても‥

2016年03月30日 22時04分06秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 妻は桜の季節はあちこちの桜を見に行くのを楽しみにしている。しかし横浜・東京では今年はまだ桜は見ごろになっていない。住んでいるところの近辺もまだまだ1分~2分咲きといった程度である。しかし木によっては5分咲きといったものもある。開花宣言の後の冷えで花期が長引いているだけでなく、木による差も顕著になっているようだ。
 本日は私も横浜駅までの往復がてら桜の木を探しながら歩いたが、確かにまだまだの木が多い。
 今度の3日(日)の天気予報は曇りとなり、気温も20℃近くになると表示されたので、取りあえず多磨霊園に墓参を兼ねて花見の予定をたててみた。まだ天気予報は変わる可能性が高いが、予定はたてておかないといけない。

 明日31日で3月も最終日、明後日から年度が替わる。退職した現在は年度末も年度初めも大した意味合いはないのだが、それでも落ち着かない。どこかそわそわしている。

 明日・明後日はその年度替わりでもあり、部屋の片づけに少し挑戦してみる気になった。

「奇想の系譜」(辻惟雄)から「鳥獣悪戯-長沢蘆雪」‥あらためて水墨画の迫力を感じる

2016年03月30日 19時51分55秒 | 読書
 「南紀での蘆雪の制作は、応挙から学び取った画法の基礎の上に、主観性、表現性を加えることによって、師の画風をのり越えようとするする彼の意欲をあらわしたものといえるが、以後、四十六歳でなくなるまでの十数年間の彼の仕事も、おおむねこの線に沿って発展した」。

   

 「「山姥図」は漱石の「草枕」の中でふれられており、江戸のグロテスク絵画の傑作として定評のあるものだけに、蘆雪の全作品の中でもっとも劇的な緊張哉のある作品であって、老醜のすさまじさ、いやらしさをこれほどの正攻法で描き出した日本画の例を他に知らない。曽我蕭白の怪奇な寒山拾得や仙人たちが、超現実の国に住むのに対し、蘆雪の山姥図には‥市井の卑俗な現実に根ざす実感がある。‥蕭白の怪奇画の影響なしに、この山姥図は生まれなかった」。
 これらの指摘を踏まえて
 「応挙という師風をあまりにも完璧に身につけすぎた器用さが仇となって‥応挙という<水>を離れることはできなかった‥晩年のグロテスクへの傾倒も、蕭白という天才の後とあっては、しょせん二番煎じを免れなかった」。
 「しかしながら蕭白の面目は‥線描の達人としの水際立った腕前にあり、「鳥獣戯画」‥以来の線の芸術としての日本絵画の伝統を十八世紀上方の庶民的な世界に再現した画家として評価されるべき」
 「鬼面人を驚かす演出を期待した、天明寛政期の京市民の、沈滞に反発する鋭敏な美意識を見落としてはなるまい。‥それは伝統主義のアカを落とした、身軽なかたちで、幕末の江戸市民に受け継がれる」

 長沢蘆雪の作品を系統的に見たことはないのでこの指摘を私はそのまま受け入れるのだが、師や先行世代の影響からの脱却、そして同時代の潮流との格闘、このことが蘆雪という画家におおきな影を落としたことを指摘していることは、辻惟雄という評者を私が大きく評価したいところである。長沢蘆雪という絵師・画家はそういった意味ではその格闘が私どもにはわかりやすいのかもしれない。当然わかりにくい絵師・画家もいる。何かの契機・糸口を見つけるとス―ッと喉を通るように了解できる場合もある。



 さて「画面空間に、側面性の奇妙に欠如したものが多い‥。「虎図」にしても、岩面の極端なクローズアップの割には、こちらに迫って来るような印象が不足している。(蘆雪が独眼であったという)伝説をにわかに信ずるわけにはゆかないが、片眼の資力が弱くて遠近がはっきりし仲ってということは考えられる」という叙述があるが、どう評価したものか。片眼と立体性の欠如とははたして結びつくものだろうか。これは私の宿題としておこうと思う。



 さてここで取り上げる作品は虎図は水墨画である。山姥図は彩色画。だが、「海浜奇勝図屏風」についてはわからない。蘆雪の画集などを見てから判断したいが、この奇怪な迫力からすると水墨画のような気がしている。はたしてどうなのだろうか。

新宿御苑に花見

2016年03月30日 13時01分08秒 | 山行・旅行・散策
   

 昨日は陽気に誘われて新宿御苑に花見で出かけた。新宿三丁目駅で下車したのち、コンビニでおにぎりとお茶を購入して、新宿門から入場した。
 料金は200円、大変な人混みでチケットを購入するのに約10分ほど並んだ。広い園内は外国人が約半数、日本の観光旅行の立ち寄り個所として定着しているようである。
 ソメイヨシノは全体としてはまだ2~3分咲きのように思われるが、花がかなり開いた木もあり、そこは大勢の人が写真を撮影していた。
 園内の外周をゆっくり歩きながら各種のサクラをはじめ花木を楽しむことが出来た。週末はさらに多くの来園者が見込まれる。早いうちに訪れて良かったようだ。新宿の高層ビルがヨーロッパで見たゴチック様式の大聖堂のようにも見えた。
 枝垂桜はちょうど見頃のようで、特に大勢の人が集まっていた。

                                                   


 帰りは大木戸門から出て、新宿三丁目駅まで歩いた。途中静かな喫茶店を見つけて一服。チェーン店ではない落ち着いた店でのむドリップコーヒーは格別である。
 新宿三丁目駅付近で妻は大久保近辺での買い物に行き、私は18時からの国会前集会に出かけた。