いつものとおり加藤楸邨の句集を紐解いている。岩波文庫の「加藤楸邨句集」と古書店で購入した朝日文庫版「現代俳句の世界8 加藤楸邨集」が私の手元にある。
加藤楸邨の全俳句作品は9400余句といわれるが、前者は3000句、後者は収録句数は記されていないが同じくらいであろうか。
本日は1970年の47句「鬼瓦」から。これは1976年の「吹越」におさめられている。
広島を訪れた旅でまずは原爆を詠んだ句から並んでいる。
★梅雨にひろふ原爆の土ひとかけら
★梅雨さむし鬼の焦げたる鬼瓦
★薔薇のかげまぼろしはみな手を伸べて
原爆供養碑に「安らかにお睡りください過ちは繰返しませんから」
★薔薇に立つ過ちは誰が過ちぞ
★蜜柑買ひて爆心踏むよ一女体
そして長崎のキリシタンが幕末から明治にかけて殉教させられた津和野の乙女峠を訪れている。
乙女峠切支丹殉教地
★おのれまげねばこの夏草の墓の列
★木の枝に蛇のむくろやまだうごく
この乙女峠の殉教については遠藤周作の「最後の塾強者」で触れた。
私はこの一連の句で「薔薇のかげ‥」と「おのれまげねば‥」の句に惹かれる。
加藤楸邨の全俳句作品は9400余句といわれるが、前者は3000句、後者は収録句数は記されていないが同じくらいであろうか。
本日は1970年の47句「鬼瓦」から。これは1976年の「吹越」におさめられている。
広島を訪れた旅でまずは原爆を詠んだ句から並んでいる。
★梅雨にひろふ原爆の土ひとかけら
★梅雨さむし鬼の焦げたる鬼瓦
★薔薇のかげまぼろしはみな手を伸べて
原爆供養碑に「安らかにお睡りください過ちは繰返しませんから」
★薔薇に立つ過ちは誰が過ちぞ
★蜜柑買ひて爆心踏むよ一女体
そして長崎のキリシタンが幕末から明治にかけて殉教させられた津和野の乙女峠を訪れている。
乙女峠切支丹殉教地
★おのれまげねばこの夏草の墓の列
★木の枝に蛇のむくろやまだうごく
この乙女峠の殉教については遠藤周作の「最後の塾強者」で触れた。
私はこの一連の句で「薔薇のかげ‥」と「おのれまげねば‥」の句に惹かれる。