Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「爆音や霜の崖より猫ひらめく」(加藤楸邨)

2017年03月14日 23時21分40秒 | 俳句・短歌・詩等関連
★爆音や霜の崖より猫ひらめく   加藤楸邨

 「火の記憶」所収。前書きは「昭和十九年十二月二十一日戦局苛烈の報あり/午後九時、一機侵入、照空燈しきりなり」とある。
 清水哲男氏の解説に従うと、照空燈というのは多分爆撃機を探すサーチライト(探照燈)のことと思われる。またサーチライトの光が崖地の上にいる猫を照らしたと解釈できるようだ。猫が慌てて身を翻して隠れたのではないか。猫の慌てた緊張は、人間の緊張した様でもあるだろう。固唾を飲んで爆音下に息を殺し、身を潜めている作者がいる。別の見方をすると、猫のように身軽に身を翻すことは出来ず、ひたすら身をかがめているのが人間である。その敏捷さを羨んでもいるかもしれない。
 いづれにしろ極めて緊張した瞬間が続く。灯火管制下の闇にサーチライトの光が動き、爆撃機がその光に浮び、高射砲が力なく爆撃機のはるか下で一瞬炸裂する。瞬間の光の乱舞の中で闇は深く、そして爆撃機の落とす爆弾や焼夷弾の音、爆撃機の音に緊張が連続する。
 「猫ひらめく」が闇に浮ぶ一瞬の動きをうまく表現している。こんな緊張感は経験はしたくない。

寒くなってきた

2017年03月14日 21時48分29秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 午後からは昨日に引き続き組合の会館に忘れ物と書類を取りに出かけ、横浜駅で読書タイム。帰宅して夕食後は退職者会のブログに記事をいくつかアップする作業に追われた。
 午後出かけた時には雨は上がっており、寒さは感じなかった。雨の区域は南から北に流れて行ったが、今は弱い雨が北から南下しつつ通過している。神奈川県でも明日の明け方には雪模様となるかもしれないといっていた予報は、夜の予報では明確な言及にはならなかった。たとえ降ったとしても積雪を観測することはないと、楽観している。油断していてはまずいが。
 強風注意報が引き続き出ている。しかし風はほとんど感じない。
 本日は、神経痛の痛みはほとんど感じないで過ごすことが出来ている。

 神奈川県立近代美術館葉山で開催している「1950年代の日本美術―戦後の出発点」ならびに「コレクション展3 反映の宇宙 特集:上田 薫」は3月26日までであった。葉山は遠いので行く機会がなかなか作れない。来週にはいかないと終わってしまう。
 入館料は65歳以上は半額の600円であるものの、交通費はかかる。悩ましい。

「シャセリオー展」感想(その3)

2017年03月14日 14時37分15秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等


 シャセリオーが37歳で亡くなった年に描いた宗教画が「東方三博士の礼拝」。聖母の顔は恋人であったモルダヴィア公国の貴族の娘の顔であるらしい。
 それよりも私の興味はヨーロッパの習俗ではなく、地中海東岸の西アジア、南岸のアフリカの習俗を取り入れているらしい人物や家畜(ラクダ)などの雰囲気である。キリスト教発祥の地の情景にこだわった作品であると同時に、この画家がアルジェリア紀行で多大な影響を受けたことを表していると思う。
 37歳という若さで亡くなった画家の病名はわからないらしいが、こののちどのような展開が待ち受けていたのだろうか。
 宗教画である故か、宗教画にもかかわらずというのか、動きはあまりなく、表情も面白味はない。唯一星を指さすラクダの引いている人間だけがドラマチックである。



 1850年代初頭に教会の壁画制作を行ったということで、その習作も展示されていたが、そちらの方の作品の方が動きもあり、描かれた人物の表情もさまざまで躍動感に溢れている。中でも私は「インド人に洗礼を施す聖ザビエル」(1852-53)に惹かれた。
 晩年のシャセリオーは病の影響が作品に反映したのであろうか。



 若くして亡くなったシャセリオーは後代の画家におおきな影響を与えたようだ。
ギュスタープ・モローもそのひとりで、1865年には「若者と死」という油彩画をオマージュとして作成している。さらにシャセリオーの死後30年近くたった1881年から82年にかけて水彩画でも「若者と死」という作品を作成している。

 シャセリオーという画家、今まで知らなかったが、惹かれた作品がいくつかあった。
 充分に刺激的な企画展である。
 しかし私にとっては、ギュスタープ・モローやオディロン・ルドンの作品の方により魅力を感じてしまう。ウジェーヌ・ドラクロアや最初の師のオーギュスト・アングルと比べるとどうであろうか。ドラクロアやアングルの作品については有名な作品以外あまりなじみがないので比べるだけの知識はない。


雪が降るか?

2017年03月14日 12時24分03秒 | 天気と自然災害
 横浜市内には強風注意報が発令されている。しかし私の住んでいるところでは今のところ風は吹いていない。ほぼ無風状態である。
 昨晩予報を見たときの最高気温は12℃であったが、まだ9℃に達していない。予報最高気温は下がって10℃となった。気象庁の天気概況によると、夜から明け方にかけて雪が降るかもしれないという。
 もしも雪が積ったとしても坐骨神経痛なので雪かきは出来そうにない。そして明日は午後から講座、夜は江戸東京博物館の企画展の内覧会がある。交通に支障が出ないでほしいのだが‥。

★天気概況
平成29年3月14日11時13分 横浜地方気象台発表
 東部では、14日夜のはじめ頃から強風に注意してください。
 伊豆諸島付近には、低気圧があって東へ進んでいます。また、日本海にも
低気圧があってほとんど停滞しています。
 神奈川県は、曇りで雨の降っている所があります。
 14日は、低気圧や湿った空気の影響により、曇りで夜遅くは雨や雪が降
るでしょう。
 15日も、低気圧や湿った空気の影響により、曇りで昼前まで雨や雪の降
る所がある見込みです。
 神奈川県の海上では、14日から15日にかけて波がやや高いでしょう。


 朝から昨日の退職者会の幹事会で決まった日程をエクセルで作っているスケジュール帳に書き込み、今年度最後のブロック費の会計処理などに追われた。年間10万円未満の会計だから特に難しいことはないが、会計規則に沿った処理が必要。間違いがないよう神経は使う。
 どうも会計処理は苦手である。