「現代の眼627」(東京国立美術館ニュース)が到着。「生誕150年 横山大観展」にちなんで、2編はその関連。仕事の合間にいくつか眼をとおした。
・横山大観の頒布組織二件海外渡航にむけた資金調達 小島淳
・作品に残る情感の余韻 野本淳
・十二の鷹~名鷹礼賛~ 大塚紀子
・クマガイモリカズ その光の眼 ぱくきょんみ
「「熊谷守一 生きるよろこび」展の空間を訪ねて、わたしはクマガイモリカズがほぼ一世紀にわたる障害のなかで、死か問いかけてくるものを強く見つめた人であったことをあらためて鑑賞した。」
「クマガイモリカズが「わたしは生きることが好きだから、いつまでも生きていたい」と語ったことばは、かれの人生の指針として取り上げられてきたが、「明快な“死の肯定”を支え続けた虚無の闇が表現者の軌跡にまといついていたことに絵画そのものが立ち戻らせられところに、わたしはむしろ惹かれてしまう。」
「生きるものはすべて死を迎える。その厳然たる事実のまえで、わたしたちはことばを失う。‥生きている間に交わされたことばは、まるで空中分解をしたように思える。それでも生き残った者たちは、虚空にきえてしまったことばを胸に搔き集め、そのことばが指し示すものをたどろうとする。絵画というのは、その虚空に消えてしまったことばと意外に繋がっているのではないか、‥。絵画表現は見えるものだが、そこには見えないものを見えるようにしてしまった絵画表現の示唆が働いている‥。」
・新しいコレクション 野田英夫「都会」 美術課長 大谷省吾
「野田英夫はカリフォルニアに日系二世として生まれ、日米を往復しながら市井の人々を描き、そしてわずか三十歳で夭折した画家です。彼の代表作‥」
「画面の左右には、この街を取り囲むように、削れた岩肌のようなものが描かれています。この岩肌をいわば劇場の緞帳と見立てて、私たちは、ある囲われた物語世界へと、意識を向けていくことになるのです。」
・作品研究 猪熊弦一郎「○○方面鉄道建設」の修復報告および画題について