明日は朝から市民病院で採血とCTの検査である。残念ながら朝から雨、という予報になっている。朝食抜きである。
問題は支払い。1万円を超える請求になるはずである。年末の支出の多いこの時期に、この金額の支出はつらいものがある。現役時代ならば、年末ボーナスの支給される月であるが、今はボーナスなどない。
午後から晴れるとのことなので、一応その予報が当たることを願っている。本日現像した写真、少々大きすぎた。少し小さめにポストカードの大きさで現像し直しである。
・「のっぺらぼう」への誘惑 稲賀繁美
・十七文字で言えること 川本晧嗣
「どの句にもことば続きの以外さ、唐突さ、引っかかり--ただ意味だけを読み取って素通りしようとする機械的な読み取りへの抵抗がある。つまり、詩とは聞きなれない妙なことを言うこと、ふつうでない言い回しを使って読者の興味を誘い、詩句をめぐってきりのない意味探索の旅に出させること。だがその意味を最終的に確定することは決してできない。」
・語られたがっている言葉に耳を傾けよ 谷 賢一
「福島を母に持ち、原発技術者を父に持つ私にとって、脱原発へ向けて語り続けることは今後もライフワークとなるだろう。」
「三部作にわたるサーガとして福島と原発の複雑な関係の一端を書き上げたことで、私の胸の中にあったしこりは随分と消えた。・・・しかし未だに原発は元気に稼働中であり、国民的議論としても脱原発に収束したわけではない。‥いかに原発が恐ろしいものであるか。それは放射能の恐怖だけではなく、私が三部作で描いたような政治的・経済的な魅力の恐ろしさでもあるのだ。」
・土壌と人間 藤原辰史
「入国者収容施設で、苦難の果てに希望を抱いて日本に到着した人たちに安住の地を用意するどころか、尊厳を剥奪し続ける句に、安価な賃金で危険の迫る原発労働をさせる国、台風十九号の時に野宿者を避難所に入れないばかりか、野宿者を入れないことを「税金を払っていない」「匂いがするから」という理由で賛同する一部のネット住民たち。ナチスのレイシストと比べても遜色ない人たちの自覚かな暴力が各地で吹き荒れています。」
・かざる方程式 橋本麻里
「「引き算」「余白」「わびさび」というステレオタイプ」の元になったわび茶は、その直前に存在した会所の文化、座敷飾りの世界から切り出され、凝縮と截断へ反転することで成立した。むろん両者は対立するものではなく、わび茶はかざりの世界から引き継いだものを確信犯的に内包しており、その葛藤と相剋が、わび茶の造形に生命力を与えているように思える。だからこそステレオタイプとは反対側の極点に、《待庵》の双生児ともいえる、《黄金の茶室》が存在しているのだ。」
・痰のつまりし仏かな 長谷川櫂
「正岡子規は国家主義という明治の空気の中で生きていた。‥なぜ明治は国家主義の時代になったのか。江戸幕府がみずから鎖国を破って世界に門戸を開いた十九世紀が帝国主義の時代だったからである。‥帝国主義と国家主義はコインの表と裏だった。」
「子規は子供のころ、政治家になって明治の新国家建設に役立ちたいと夢みた。しかし賊藩の子弟であり、何よりも病弱であった体がそれを許さなかった。‥文学の世界で「有為の人」となり、国家建設のために働こうと決意する。子規の業績とされるものはみな子規のこの悲願から生まれた。」
「司馬遼太郎は開明的な明治の指導者たちを手放しで賛美したため、彼らが呼吸していた明治の空気、彼らを動かしていた国家主義という空気を過小評価してしまったのではないか。「坂の上の雲」の前半は子規を中心とした明治のまぶしい青春小説なのに、子規の死を峠にして後半は日露戦争をめぐるキナ臭い戦争小説に変わる。・・明治の輝かしい精神がなぜ昭和の狂気に変わったのか。・・国のために「生きる」という明治の国家主義が、国のために「死ぬ」という昭和の国粋主義へ変化してゆく過程がありありと見えたはずである。」
「明治政府は新時代の天皇親政のモデルをヨーロッパの王国だけでなく、日本の過去の政治形態にも求めた。やっと探し出したのが奈良時代の聖武天皇時代の政府だった。子規はそれに足並みを揃えるように平安時代の「古今和歌集」をけなし、奈良時代の「万葉集」をほめたたえたのだ。」
「「病床の我に露ちる思ひあり 子規」・・この「露ちる思ひ」とは国家の役に立ちたいのに病気故に立てない、その思いである‥。子規は死の瞬間まで明治の新国家建設に役立ちたいと願う「明治の子」だった。」
・孕ませる神 三浦佑之
16編のうちの以上の12編に目を通した。
昨日は耳鼻科の待合室が混雑、順番待ちをしていては講演会に間に合わないので、月曜日の午後に再度受診することにした。
月曜日は午前中に市民病院でCT検査の予約が入っている。一日に二つの病院の掛け持ちとなってしまった。
昨晩、同期会の前に「作品展」に出品する組写真用の写真を現像してみた。あまり満足のいくものになっていないが、妥協することにした。
本日は曇り空。ところどころ青い空が覗いており、高い雲である。雨が降るような雲ではない。日が当たらないのでとても寒々しい。
本日の午前中は団地の管理組合の諮問会議。理事としての任期は終わっているのが救いである。これから読書タイム。