Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

ベートーベン「交響曲第6番「田園」」

2020年10月27日 23時05分55秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

 夕食後は、ベートーベンの交響曲第6番「田園」を聴いた。サイモン・ラトル指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏、2002年の録音である。ベートーベンの交響曲全曲録音から。
 2日続けてピアノ協奏曲を緊張というか、集中して聴いたので、少々疲れた。この曲は、ベートーベンではわたしには、気持ちよく聴くことのできるときがある曲の一つである。気分が集中しているときでないと、ちょっと聴くのに緊張感・集中力が必要になるのがベートーベンの曲である。決して嫌いではないのだが、身構えて聴いてしまうのだ。
 この「田園」だって気楽に聴ける曲でもない。むろんそういう聴き方を否定する気もないし、私も気分が晴れやかになる場合もある。本日も気分的にホッとする時間を半ば期待していたが、想念はあちこちと飛びまわってしまった。
 やはり、この曲を聴いていても、あの気難しい顔のベートーベンの肖像画を思い出してしまうのだ。あの気難しい顔、嫌いではない。私もときどきそんな表情になっていると思う。
 ベートーベンの曲は、仕事をしながら、読書をしながら、というのはとてもしんどい。仕事がはかどらず、読書も頭に入っていかない。曲を聴くということに集中しないでは聴けないのである。

 さて、この「田園」は当然ナポレオン帝政下でヨーロッパが蹂躙されていた時期につくられている。否、リベラリストであったベートーベンの生きた時代そのものが、前半生はナポレオンが跋扈し、ウィーンも占領された時代であり、その晩年はナポレオンが敗北してもメッテルニヒの強権的な反動政治が吹き荒れた時代である。大変厳しい時代を生き抜いた芸術家である。スペインではナポレオン支配下に多くの民衆が悲劇的な状況に追い詰められ、ゴヤがその状況を描いた時代である。
 ナポレオンのウィーン占領の前年につくられたのがこの曲である。激動のヨーロッパがあの嵐の情景にこめられていると思うと同時に、戦争の惨禍からの回復の想いも込められている。
 単に「田園」の描写音楽ではない。当時の政治状況とは決して無縁ではないという思いをいたしてしまう。

 人は、第5番「運命」と第6番「田園」をベートーベンの複雑な性格の二局面という評価をする場合がある。はたしてそんな単純な話なのだろうか。理想と現実、戦争と革命と反動の時代に直面した人間の声として、ベートーベンをもっと知りたいと思うように最近なった。だが、わたしはそこまで理解する力はない。これからもそこまで勉強できるゆとりも残念ながらない。思いを馳せるだけというのが、悲しい。


日常をとりもどすために・・

2020年10月27日 19時56分59秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 昨晩は風呂にゆっくり浸かることが出来た。1日入らないとやはり風呂が恋しい。何も考えず、何も耳に入らず、狭い湯船ながらボーっと30分ほど浸かっていた。40℃の温度設定にしているので、体力はあまり消耗しない。そしてよく眠ることができた。

 本日は午前中は、労働組合の退職者会ニュースの校正刷りが予定よりも早く送られてきたので目をとおした。自分では苦心してそれなりにいい割り付けをしたと思っていたが、やはりプロから見ると手直しが必要なようだった。校正刷りを見て、「なるほど」と感心。随分良くなった。
 お礼をするとともに、ちょっとした訂正をいくつかお願いするメールを返信。

 その後、「万葉集の起源」の第6章を読み終わった。さらに昼食後、妻と近くの神川大学の生協まで一緒に歩き、帰りにドラッグストアで買い物をして帰宅。往復6千歩余りをゆっくりと歩いてみた。
 帰宅後は、ベートーベンのピアノ協奏曲を2時間ほど。緊張感がある至福の時間であった。

 発熱のあとの体調と体力は戻ったように思われる。が外の散歩は本日はこれでおしまい。明日にはもう少しいつもの日常に戻してみたい。できれば、歩いて30分ほどのところにあるJRの駅まで行き、コーヒータイムに挑戦してみたいが、体調を見極めてからである。人混みの多い横浜駅まで出向く気はまだない。


ベートーベン「ピアノ協奏曲第4番、第5番」

2020年10月27日 17時54分53秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

 昨日につづいてベートーベンのビアノ協奏曲を聴いた。

 まずは内田光子、スーピン・メータ、イスラエル交響楽団で、第4番。次にやはり内田光子で、指揮は小澤征爾、齋藤記念オーケストラで第5番「皇帝」。ともに2014年の録音。さらに内田光子とザンデルリンク、ローヤルコンセルトヘボウの組み合わせで第3番の第2楽章ラルゴを聴いた。

 昨日の第3番の第2楽章はフルートがとてもよく響いていたが、本日の演奏ではファゴットの音もよく聞こえた。どちらがいいかはビアノの音との関係もあり、何とも言えないが、私はフルートの音が少し目立った方が好みだと思った。

 しかしベートーベンのピアノ協奏曲は2日続けて聴くと、草臥れる。夜は交響曲第6番「田園」かヴァイオリン協奏曲をYouTubeで探してみたい。

 ベートーベン生誕250年も新型コロナウィルス感染症の影響をもろに受けて、各種のイベントがすっかり消えてしまった。みなとみらいホールでもいくつかの記念の演奏会が企画されていたと思う。残念である。
 ラファエロの没後500年と合わせて何とも残念なことである。