Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「バロック美術」 その4

2023年11月18日 22時28分37秒 | 読書

  

 本日は「バロック美術 西洋美術の爛熟」(宮下規久朗)の第3章「死 殉教と疫病」を読了。いつものとおりとりあえず気になったところを引用してみる。

殉教者たちは血みどろになりながら、いたって平静な表情をしており、時に笑みさえ浮かべている。こうしたむごたらしい場面(を描く殉教画)を見て歩くと、カトリック改革期のイエズス会の熱狂的な精神とその素朴な一途さが感じられて不思議な感覚にとらわれる。」(第1節 殉教画サイクル)
 私にはこのような表現をしてしまうことはできない。中世の(あるいは古代から中世にかけて、そして現在にもモグラのように頭をもたげるのは東洋も西洋も同じと私は思う。排他的で攻撃的な)宗教というものの怖さにたじろぐ。「素朴な一途さ」という一言はあまりに一面的で、かつ軽すぎるのではないか。

16世紀末は、殉教図サイクルのようなおぞましいまでの殉教がしきりに描かれたが、7世紀の神秘主義者たちは「霊的な殉教」という概念を掲げ、殉教を拷問や外的な攻撃による肉体の消滅のみならず、救済者の苦しみにかかわることを求めた。キリストへの狂おしいほどの熱情は、肉体的な痛みをも霊的な喜びに変容させた。残虐な死への恐怖は狂おしいまでの法悦にとってかわられ、湿っぽく薄暗い古刹の堂内から、新たに設計されたまばゆい光にあふれた劇場的空間へと移り変わった。」(第2節 死の荘厳化)

絵馬の多くが今後のことを祈願して事前に奉納するのに対し、エクス・ヴォートは過去に起こった奇蹟に感謝して事後的に奉納」(第4節 エクス・ヴォート)

エクス・ヴォートが急速に普及し、増加したのがバロック時代であり、貴族や富裕層に限らず、18世紀には庶民にまでその習慣が広がった。つねに需要があり、画家にとっては重要な仕事であった。」(第4節 エクス・ヴォート)

 この第4節からの引用については、既に著者の他の著書にても読んだ気がしている。すぐに忘れる年寄りには助かる。


一気に寒い冬

2023年11月18日 20時09分12秒 | 天気と自然災害

 夕方家に戻る時、西寄りの風が強くなった。日中の最高気温は午前10時頃に記録しているようで、17.6℃。最低気温は19時の時点で10.6℃。平年並みの気温であるが、風が強いこともあり、とても寒かった。風の詳しい状況はまだ気象庁のホームページには出ていないが、最大瞬間風速は20mを越えていたように感じた。強風・波浪注意報は解除されていない。
 出かけるときには、化繊のサマーセーターと木綿地の一重の上着を着て出た。ともに薄くそして向こうが透けて見える服のため、風が体に突き刺さるようで、痛いくらいに寒く感じた。帽子も一度飛ばされそうになり、慌てた。

 空には月齢5日の月と明るい木星がとても目立っていた。このまま風がおさまらなければ夜のウォーキングは無理な様子。

 コーヒータイムには「バロック美術 西洋美術の爛熟」(宮下規久朗)の第3章「死 殉教と疫病」を読み終えた。

 


宿題、間に合った

2023年11月18日 14時31分30秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 壁の穴あけ工事は午前中に無事終了。鉄筋にも当たらず、うまい具合に出来た。工事の間に資料の打ち出しをほぼ完了。残るは資料の第1頁部分の打ち出し。もう一度精査の上、明日には終えたい。

 外は時々曇るがおおむね陽射しがあり、晴れている。しかし風は強く、とても冷たい。これより外出、いつものとおりコーヒータイム&読書タイム。

 本日は「バロック美術 西洋美術の爛熟」(宮下規久朗)を読む予定。